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九大、高成形性を有するNi基超耐熱合金を開発

2016-04-14

高成形性を有するNi基超耐熱合金の開発
(成形荷重を半分以下に低減)に成功!


 九州大学工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER(◇))の堀田善治(ほりた ぜんじ)主幹教授の研究グループは、長野市の長野鍛工株式会社(代表 中村千夏、以下「長野鍛工」)と共同で、航空機や自動車のエンジン部品などに使用されるNi基超耐熱合金の成形性を大きく改善させることに成功しました。Ni基超耐熱合金(Inconel 718)は高温でも強度が高く耐食性に優れていますが、その反面成形性が著しく悪く、いかに所定形状に成型するかが大きな課題となっています。

 ◇「I2CNER」の正式表記は添付の関連資料を参照

 今回、九州大学発案の高圧スライドプロセス技術(HPS法:High−Pressure Sliding)を応用してNi基超耐熱合金の結晶粒を超微細化し、これによって発現する超塑性現象(金属を高温域で変形させた際、数百%以上に伸びる現象)を利用することで成形性を大幅に向上できました(参考図)。また、成形荷重を通常の半分以下に低減させることが可能になりました。自動車用エンジン部品の製造と販売を行う長野鍛工では、今後、開発技術の実用化を目指します。
 九州大学と長野鍛工との共同開発は、経済産業省戦略的基盤技術高度化支援事業(通称サポイン事業)のもとに平成25〜27年度に進められたものです。共同開発では、Ni基超耐熱合金以外にも、高強度アルミニウム合金である超ジュラルミン(A2024)や超々ジュラルミン(A7075)、難加工性のMg合金(AZ61)やTi合金(F1295)でも超塑性が発現できることを確認しており、自動車、航空機、医療機器など幅広い市場で本研究成果の適用が期待できます。

 *参考図は添付の関連資料を参照


■研究者からひとこと:
 今回の共同開発における成果は、難加工性のNi基超耐熱合金の成形性を実用レベルで開発できたことです。結晶粒超微細化による超塑性の発現は既に知られている事ではありますが、世界で初めて独自に開発した高圧スライドプロセス技術(HPS法)を使って、難加工性のNi基超合金で実証でき、さらに実用化に近づけることができました。日本が抱える省エネルギー化、低二酸化炭素排出へ向けて貢献できる重要な共同開発成果と考えています。



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