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エプソン、水晶振動子と無線送信ICを一体化した近距離無線用送信モジュールを開発
水晶振動子と無線送信ICを一体化した
小型・高精度の近距離無線用送信モジュール「SR3225SAA」量産開始
*製品画像は添付の関連資料を参照
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、水晶振動子と無線送信ICを一体化した、小型・高精度の近距離無線用送信モジュール「SR3225SAA」を開発しました。2016年4月に量産開始を予定しています。
エプソンでは、「省・小・精の技術」をベースとした小型・高精度を特徴としたオリジナルのモジュールでさまざまな機器への組み込み提案を行い、お客様から好評をいただいています。また、近年、センサーネットワークやデータテレメトリ、リモートキーレスエントリーシステムなど、近距離の無線送信端末への注目が高まる中、モジュールの小型化・高精度化が要求されています。
これらのニーズと課題に対応するため、エプソンでは、独自のQMEMS(※1)技術により実現した小型水晶振動子と半導体技術を活用した無線送信ICとの融合により、3.2 x 2.5mmという小型サイズと、水晶発振器周波数初期偏差±2ppmの高精度を実現した、近距離無線用送信モジュール「SR3225SAA」を開発しました。
また、搬送波周波数を300MHz〜465MHz、600MHz〜930MHzの範囲から任意に設定・変更することができ、さらに、水晶振動子と無線送信ICは最適に設計・調整されているためお客様での回路設計・調整が不要になります。これにより、お客様による発振回路を含めたRF回路の設計工数の削減に貢献するものと考えます。
今後もエプソンは、強みであるQMEMS技術と半導体技術を核にしたデバイスソリューションで、お客様の安心・安全・快適に寄与してまいります。
本商品の主な用途、概要・仕様は以下のとおりです。
■主な用途
1. リモートキーレスエントリーシステム、パッシブエントリーシステム
2. 近距離無線通信用送信機
3. ガレージドア開閉装置
4. 無線タグ用送信機
■概要
1. Fractional−N PLL(※2)搭載
2. 出力電力:−15〜+11dBm、128段階プログラマブル
3. 変調方式:振幅偏移変調(ASK)、オンオフ変調(OOK)、周波数偏移変調(FSK)
4. 送信帯域制限のためのSoft−ASK、Soft−FSK機能搭載
5. 3線または4線SPIインターフェースによる動作制御
6. 内蔵水晶発振器信号をCKOUT端子より出力可能、分周設定はプログラマブル
■本商品の主な仕様
*添付の関連資料を参照
※1 QMEMS:
高安定・高精度などの優れた特性を持つ水晶素材である「QUARTZ」と、「MEMS」(微細加工技術)を組み合わせた造語。
半導体を素材としたMEMSにならって、水晶素材をベースに精密微細加工を施し、小型・高性能を提供する水晶デバイスを「QMEMS」と呼んでいます。「QMEMS」は、セイコーエプソン株式会社の登録商標です。
※2 Fractional−N PLL:
分数分周 Phase Locked Loop(位相同期ループ)の略で、特定周波数のクロック信号をベースに任意の出力周波数を作り出します。
以上