ＳＩＩ、アイフェイズ製の熱拡散率・熱伝導率測定装置「ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　１ｕ」など発売

ＳＩＩナノテク、アイフェイズ社製　熱拡散率・熱伝導率測定装置を発売


　セイコーインスツル株式会社（略称：ＳＩＩ、社長：新保雅文、本社：千葉県千葉市）の１００％出資子会社で計測分析装置の製造販売を行っているエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社（略称：ＳＩＩナノテク、社長：北野　進、本社：千葉県千葉市）は、東京工業大学ＴＬＯのベンチャー企業である株式会社アイフェイズ　（社長：渡辺　孝、本社：東京都品川区）と販売契約を締結し、本日４月１２日より同社製の熱拡散率・熱伝導率測定装置「ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　１ｕ（アイフェイズ　モバイル　ワンユー）」および温度可変型の「ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　２（アイフェイズ　モバイル　ツー）」の販売を開始します。

　熱拡散率・熱伝導率は、材料内の熱の伝わりやすさを表す値で、物質の基本特性として幅広く測定されています。近年、電子部品をはじめ、ＬＥＤ（発光ダイオード）、太陽電池パネルなどで、発熱の問題と性能向上に対応した各種放熱材料の開発が進んでおり、熱設計・熱対策を行うために、材料の熱拡散率・熱伝導率測定ニーズが高まっています。

　このたび、ＳＩＩナノテクが販売するアイフェイズ社の「ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　１ｕ／２」は、東京工業大学理工学研究科の橋本研究室の成果を基にして、薄膜・フィルム状試料の厚さ方向の熱拡散率・熱伝導率を、簡単かつ迅速に測定できる画期的な装置です。本体のマイクロヒーターとセンサーの間にサンプルを挟むだけで、数十秒の短時間で測定できます。またサンプルの前処理も不要です。加えて、「現場に持ち込める装置」をコンセプトにした小型軽量設計なので、研究開発目的だけでなく、品質管理・受入検査などの現場に運び込んだ利用もできます。なお、本機で採用している「温度波分析法」は、温度波の伝搬による位相遅れを正確に観測することで分析を行う方法で、熱環境に対する安定性も高く、ＩＳＯ（ＩＳＯ２２００７−３）で規格化された信頼性の高い測定手法です。

　ＳＩＩナノテクは、国内熱分析装置のトップメーカーとして、研究・開発、品質保証などに係わる多数のお客様に利用いただいています。今回、取り扱いを開始するアイフェイズ社製　熱拡散率・熱伝導率測定装置をライナップに加えることで、エネルギー分野に代表される最先端材料をはじめ、あらゆる材料の熱物性評価ニーズに広く応えていきます。


【主な特徴】

　１．小型軽量、Ｂ５サイズのアルミケースに収納できるモバイル型。
　　　測定ユニット：７５×１４４×６５ｍｍ　５００ｇ　コントロールボックス：１５０×１１０×４０ｍｍ　７００ｇ　（１ｕ）

　２．面倒な条件設定を完全自動化。試料を前処理することなくマイクロヒーターとセンサーの間に挟むだけで測定できる簡単操作。

　３．測定時間がわずか数十秒、短時間測定を実現。

　４．交流温度波発生系、デジタルロックインアンプ、制御・計算用マイコンを装置に内蔵したコンパクト設計ながら、高感度で薄膜サンプルも測定可能。

　５．ノートパソコンのＵＳＢバスパワーからの電源供給でも作動する省エネ設計。

　６．　「ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　２」は、室温〜１８０℃まで０．１℃ステップの温度コントロールにより、熱拡散率の温度依存性も測定可能。


【価格と販売予定台数（２０１１年度）】
　ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　１ｕ　３００万円（税別）　　８０台
　ａｉ−Ｐｈａｓｅ　Ｍｏｂｉｌｅ　２　　４００万円（税別）　　４０台


【アイフェイズ社の概要】　
　会社名：株式会社アイフェイズ
　代表者：代表取締役　渡辺　孝　
　設立：２００２年４月
　所在地：東京都品川区上大崎２−１５−１９　アイオス目黒駅前６０８号
　ＴＥＬ：０３−６８０５−８２２１
　事業内容：物質の熱解析を総合的に扱う研究指向型集団で、材料の熱伝導問題のソリューションを提供し、用途別にカスタマイズした熱拡散率・熱伝導率測定装置の設計製作を行っています。また、大学発ベンチャー企業で、基盤は東京工業大学理工学研究科有機・高分子物質専攻　橋本研究室の、熱拡散現象を物質の構造や相転移と絡めた長年の研究成果がベースになっています。


以上