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ネスレ日本と川崎近海汽船と日本気象協会、日本のモーダルシフト推進で協業

2015-12-17

ネスレ日本川崎近海汽船日本気象協会
「天気予報で物流を変える!」
気象予報を活用した海運により日本のモーダルシフトを3社で推進することに合意
―長期気象予測と最適航路選定システムを活用し環境負荷の低減を実現―


 ネスレ日本株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長兼 CEO:高岡 浩三、以下「ネスレ日本」)と川崎近海汽船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石井 繁礼、以下「川崎近海汽船」)、一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:繩野 克彦、以下「日本気象協会」)の3社は、それぞれの会社が持つ特性を活かして、日本でのモーダルシフト(注1)を推進し、省エネルギーの実現や物流分野において将来懸念されるトラックドライバーなどの人手不足への対応を進めていくことに合意しました。
 なお、本取り組みは経済産業省の平成27年度の「次世代物流システム構築事業費補助金」の採択事業の一環で行っています。

 注1:モーダルシフトとは、二酸化炭素排出量の削減や物流の効率化などの観点から、自動車(トラック)から貨物鉄道や海運へ輸送手段を転換することです。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照


1. モーダルシフトを取り巻く現状
 日本におけるモーダルシフトは、当初国内物流で発生する二酸化炭素排出量を削減し環境への負荷を低減する目的で、2000年代初頭から取り組まれています。
 一方、2010年代に入り、国内人口の高齢化にともない、トラックドライバーの平均年齢の上昇が進むと同時に、若年層でのドライバー希望者が減少しており、将来的にドライバー不足が懸念されています。上記の観点から、現在モーダルシフトには“二酸化炭素排出量の低減による環境保護の取り組み”に加え、“ドライバー不足の状況下で少人数による大量輸送を実現し、産業インフラの維持を実現できる取り組み”として、物流業界だけではなく広く産業界からも大きな期待が寄せられています。


2. 背景
 ネスレ日本では、バリューチェーン全体を通して環境への配慮に取り組んでいます。物流分野においても、環境負荷の少ないモーダルシフトを推進しており、2000年代当初より、トラック輸送から内航船輸送等への切り替えに取り組んできました。モーダルシフトには、綿密な輸送計画と輸送量の決定を早期に実施する必要があります。また、ネスレ日本の製造するペットボトルコーヒーは、出荷量が気温変動に大きく影響されるため、輸送量の決定には気象情報を利用する必要があります。

 一方、日本気象協会では「平成26年度次世代物流システム構築事業」において、気象庁の予測に加え、欧州・中期予報センターの予測を利用して気象予測精度を向上させることに成功し、2週間先の気温予測情報を開発しました。これにより、気象予測期間を長期にすることができ、さらにモーダルシフトを推進することが可能になりました。

 また、川崎近海汽船では、経済運航への取り組みとして、日本気象協会の提供する内航船向け最適航海計画支援システム(ECoRO)を利用しています。このシステムは、高精度の気象・海象予測から最適航路を選定することで、定時運航を保ちつつ二酸化炭素排出量および燃料消費量を削減するもので、さらに省エネルギー効果を得ることが期待できます。


3. 取り組み内容と各社の役割
 ■ネスレ日本
 ネスレ日本では、気象予測を、製造工場から全国の物流拠点への商品補充に活用しています。特に、ペットボトルコーヒーは、気温変動が出荷量に大きく影響を及ぼす為、日本気象協会からの最新の気象予測をもとに製品の補充数量や日程の調整を行うことで、在庫レベルの圧縮と欠品のゼロ化に大きく貢献しました。

 また、今年から、ネスレ日本では生産拠点から距離のある北海道・九州方面への出荷において内航船の利用を推進しています。内航海運は、荷物一つ当たりの二酸化炭素排出量がトラックに比べて1/6程度と小さく、環境負荷の低減が期待できます。

 今回の3社での取り組みを推進することにより、二酸化炭素排出量の低減に加え、台風等による内航船の遅延や欠航の予測をとりいれることで北海道・九州方面への内航船輸送拡大を期待しています。また、最適な社内物流の実現と、製造計画や製品の補充計画への気象予測の活用により、食品鮮度の向上や食品ロスの削減などの取り組みにもつなげていきたいと考えています。

 ■川崎近海汽船
 川崎近海汽船ではトラックによる陸上輸送から大型RORO船による無人航送へのモーダルシフトを推進しています。モーダルシフトにより、二酸化炭素排出量の削減による環境への負荷の低減、ドライバー不足解消による人的資源の有効活用などが期待できます。例えば茨城県土浦市〜福岡県福岡市までの陸上輸送と比較して「北関東〜北九州」間の海上無人航送を利用した場合、概算で51%の二酸化炭素排出量低減となります(川崎近海汽船試算)。

 またECoROを利用した省エネルギー運航にも力を入れており、地球・海洋環境保全にも積極的に取り組んでいます。

 今回の3社での取り組みを進めることにより、気象・海象予測を活用した資源の有効活用・環境保全省エネルギー化・幹線輸送のモーダルシフトというひとつの事業モデルを確立し、幅広い地域・産業にも拡大を図りたいと考えています。また今後は「北関東〜北海道」間で成功している20時間航海のサービスを「清水〜大分」間でも展開することが決定しており、更なるサービス品質向上を求めていきます。

 ■日本気象協会
 日本気象協会では、ネスレ日本には日本各地の2週間先気象予測情報を、川崎近海汽船には内航船に最適航路計画や気象・海象予測(海上風、波浪、海潮流)を提供しています。2週間気温予測情報は、「平成26年度次世代物流システム構築事業」において開発した結果を利用しています。


4. 今後の展開について
 今後も3社協力のもと、モーダルシフトや最適航路選定を推進することで、配送の効率化、省エネルギー化を促進していきます。また、このような異業種の連携や物流システム変革の試みが社会全体に広がるように今後も取り組んでいきます。


以上





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