帝国データバンク、建築基準法改正（２００７年）後の倒産状況に関する検証調査結果を発表

特別企画：建築基準法改正（２００７年）後の倒産状況に関する検証調査
「改正建築基準法関連倒産」、３年で４３０件判明
〜全国４３都道府県で判明、「建設業」が全体の６割超〜


■はじめに
　２００５年に発覚した耐震強度偽装事件を受け、再発を防止すべく、２００７年６月に建築確認・審査を厳しくした改正建築基準法が施行。同法改正の影響により、同年９月には新設住宅着工戸数（全国）が前年同月比４０％以上の大幅なダウンとなり、現場の混乱ぶりがクローズアップされた。
今回発覚した横浜市のマンションを発端とした建築データの改ざん・流用問題を受け、各種規制見直しの動きも注目されるなか、今後は建設業を中心とする関連業界への影響が懸念される。
　帝国データバンクは、２００７年６月施行の改正建築基準法の影響による倒産動向（２００７年１０月〜２０１０年９月の３年間）について、月別推移、都道府県別、業種別、負債規模別に再度集計した。


■調査結果（要旨）
　１．　２００７年１０月〜２０１０年９月までの３年間の関連倒産の累計は４３０件にのぼった
　２．　都道府県別に見ると、「東京都」が９５件（構成比２２．１％）でトップ。以下、「神奈川県」（４３件、同１０．０％）、「愛知県」（４０件、同９．３％）が続いており、全国４３の都道府県で判明
　３．　業種別に見ると、「建設業」が２６１件（構成比６０．７％）で最も多い。以下、「製造業」（５３件、同１２．３％）、「卸売業」（４９件、同１１．４％）、「不動産業」（４７件、同１０．９％）の順
　４．　負債規模別に見ると、全体の５割強が５億円未満の小規模倒産が占める結果となった。他方、「１００億円以上」の大型倒産も、マンション分譲を中心に２９件（構成比６．７％）発生した

　※グラフ資料は添付の関連資料を参照


１．関連倒産の発生状況
　２００７年１０月〜２０１０年９月までの３年間の関連倒産の累計は４３０件にのぼった。
　月別に見ると、２００８年２月（１３件）から２００９年８月（１３件）まで１９カ月連続で２ケタの件数となるなど高水準で推移した。この間、法改正から約１年となる２００８年６月（２３件）には月間最多の件数を記録。その後は２０１０年前後を境に、影響が収束するまで関連倒産の発生は続いた。

　※表資料は添付の関連資料「表資料（１）」を参照


２．都道府県別
　都道府県別に見ると、「東京都」が９５件（構成比２２．１％）で最も多かった。
　以下、「神奈川県」（４３件、構成比１０．０％）、「愛知県」（４０件、同９．３％）、「大阪府」（３１件、同７．２％）、「埼玉県」（２１件、同４．９％）の順となっている。
　集計開始後３年間で、全国４３の都道府県で判明するなど、関連倒産は全国各地に広がっていたことが分かる。

　※表資料は添付の関連資料「表資料（２）」を参照


３．業種別
　業種別に見ると、「建設業」が２６１件（構成比６０．７％）で最も多く、全体の６割を超える結果となった。
　以下、「製造業」（５３件、構成比１２．３％）、「卸売業」（４９件、同１１．４％）、「不動産業」（４７件、同１０．９％）の順となっている。

　※表資料は添付の関連資料「表資料（３）」を参照


４．負債規模別
　負債規模別に見ると、「１億円以上５億円未満」が１７４件（構成比４０．５％）で最も多く、「５０００万円未満」（３１件、構成比７．２％）、「５０００万円以上１億円未満」（２８件、同６．５％）とあわせて、全体の５割強が５億円未満の小規模倒産が占める結果となった。
　他方、「１００億円以上」の大型倒産も、マンション分譲を中心に２９件（構成比６．７％）発生している。

　※表資料は添付の関連資料「表資料（４）」を参照


【参考】主な「改正建築基準法関連倒産」

　※表資料は添付の関連資料「表資料（５）」を参照