ＧｆＫジャパン、エコポイント制度対象３品目の販売動向調査結果を発表

エコポイント対象製品販売総括



　ジーエフケー　マーケティングサービス　ジャパン株式会社（東京：中野区）は、家電量販店店頭におけるエコポイント制度対象３品目（薄型ＴＶ、エアコン、冷蔵庫）の販売動向を発表した。


【概要】
　・２００９年５月から約２３ヶ月間施行された家電エコポイント制度は、対象３品目の販売を押し上げるとともに、省エネ性能の高い製品への買い換えに大きく貢献した。
　・特に薄型ＴＶ販売は、制度変更に伴い発生した駆け込み需要などにより急伸し、２０１０年度（２０１０年４月−２０１１年３月）の販売台数は制度施行前であった２００８年度の２．６倍に達した。


【薄型ＴＶ】
　薄型ＴＶ販売はエコポイント制度の恩恵を最も強く受け、２００９年度は数量前年比７１％増、２０１０年度は同５６％増と２年連続で大幅に伸張した。薄型ＴＶ市場は２０１１年７月のアナログ放送終了を控え、旺盛な買い替え需要により拡大を続けていたが、最大３６，０００ポイントという高いエコポイント付与点数により需要がさらに喚起されたと考えられる。
　エコポイント制度は施行中、３度に渡り制度内容が変更されたが、変更直前には駆け込み需要が発生し、市場が急拡大した。省エネ基準が厳格化される直前の２０１０年３月は数量前年同月比２．６倍、エコポイント付与点数が半減される直前の２０１０年１１月は同５．３倍と記録的な販売となった。制度終了直前の２０１１年３月は前年同月の１割減となったが、制度開始前の２００９年３月と比較すると２．３倍であることから、エコポイント制度は終了直前まで薄型ＴＶの需要を押し上げたといえる。結果、２０１０年度の販売数量はエコポイント制度開始前である２００８年度の２．６倍に達し、薄型ＴＶ市場最高の販売水準となった。
　またこの間、薄型ＴＶの省エネ性能は急速に向上しており、年間消費電力量１００ｋｗｈ以下製品の数量構成比は２００８年度の３０％から、２０１０年度には６８％にまで達した。同制度は地デジ環境への移行と省エネ性能の高い製品の普及に大きく貢献したといえる。

　＜図１．薄型ＴＶ・エアコン・冷蔵庫　年間販売数量推移＞

　　※添付の関連資料を参照


【エアコン】
　エアコン販売はエコポイント制度施行中も気候の影響を強く受けて推移した。エコポイント制度が開始された２００９年　度は、冷夏による夏場の販売不振により数量前年比７％減と、制度開始前の２００８年度を下回った。一方、記録的な猛暑に加え、冬の寒さが長引いた２０１０年度は、数量前年比４３％増と大幅な伸張となった。エコポイント付与点数が半減される直前の２０１０年１１月には数量前年比１８５％増、半減後の１２月には同３１％減と、同制度の変更を受けた特需と反動減が見られた。２０１１年に入り、制度基準が更に変更されたことにより、対象製品は全販売数の２割程度に縮小したが、２０１１年２月〜３月は厳しい寒さを反映してプラス成長となった。２０１０年度のエアコン市場は買い替えに加え、買い増し需要も高かったと考えられ、制度による需要の先食いは他２品目に比べ小さかったと推測される。
　年間消費電力量８００ｋｗｈ以下製品の数量構成比は２００８年度の８％から２０１０年度は４１％に拡大し、省エネ性能の高い製品への移行が促進された。


【冷蔵庫】
　冷蔵庫販売は、制度開始後の２００９年度は数量前年比４％増、２０１０年度は同１２％増となった。２００９年度は冷夏のため夏商戦期は低調に推移したが、それを上回るエコポイント効果があったと推測される。また、２０１０年度は制度に加え猛暑が二桁成長を後押ししたと考えられる。２０１０年度の販売数量は制度開始前の２００８年度と比較すると約１．２倍となった。
　この間、エコポイント付与ポイント数が高い大容量クラスは拡大し、５０１Ｌ以上の構成比は２００８年度の１０％から　２０１０年度は１６％に達した。年間消費電力４００ｋＷｈ以下製品の構成比は、２００８年度で２１％だったが、２０１０年度には７４％まで急増した。大容量クラスは省エネ性能が高い傾向にあるため、エコポイント制度が大容量化と省エネ化を同時に推し進めたといえる。

　＜図２．薄型ＴＶ・エアコン・冷蔵庫　年間消費電力量別数量構成比＞

　　※添付の関連資料を参照