三菱電機、イタリアの業務用空調メーカー「デルクリマ社」を９００億円で買収

イタリア業務用空調事業会社　DeLclima（デルクリマ）社の株式の取得（子会社化）に関するお知らせ


　三菱電機株式会社（本社：東京都千代田区、執行役社長：柵山　正樹、以下「当社」）は、平成２７年８月２５日にイタリアの業務用空調事業会社であるDeLclima　S．p．A．（本社：Treviso、CEO：Carlo　Grossi、ミラノ証券取引所上場、以下「デルクリマ社」）の発行済み株式の約７４．９７％を取得すること（以下「本件株式取得」）についての株式譲渡契約（以下「本株式譲渡契約」）を、De’Longhi　Industrial　S．A．（以下「デロンギインダストリアル社」）と締結しましたのでお知らせします。また、本件株式取得後、当社はイタリアの法令およびイタリア国家証券委員会（以下「CONSOB」）の規則に基づき、デルクリマ社の残る発行済み株式の約２５．０３％の公開買い付けを実施し、デルクリマ社の発行済み株式を１００％取得することを目指します。本件株式取得およびその後の公開買い付け（以下併せて「本取引」）による取得価格総額は、一株当たりの買い付け価格を４．４４ユーロとして、約６６４百万ユーロ（約９０２億円）となる予定です。
　なお、本件株式取得は、各独占禁止法当局からの認可の取得を条件としております。


　　　　記

１．株式取得の目的
　当社空調冷熱システム事業は、日本・欧州・北米・中国・東南アジア・インド・豪州他グローバルに展開しており、欧州を日本に次ぐ重点戦略地域ととらえております。欧州市場は、市場が成熟化する中で省エネ等の高付加価値製品や環境規制（F−GAS規制）（＊１）への対応が求められており、当社はこれまで、ルームエアコン、パッケージエアコン、ビル用マルチエアコンを中心に事業拡大をしてまいりました。このたび、欧州市場における継続的な成長実現と市場プレゼンス強化のため、デルクリマ社を買収することにより、チラー（＊２）事業に本格的に参入し、事業領域を拡大するとともに、今後さらに重要となる環境規制（F−GAS規制）にも対応してまいります。

　デルクリマ社は、傘下にClimaveneta　S．p．A．（以下「クリマベネタ社」）、RC　Group　S．p．A．（以下「RCグループ社」）等を保有しており、具体的なクリマベネタ社およびRCグループ社の強みとして以下の点が挙げられます。
　＜クリマベネタ社＞
　（１）チラー事業で欧州トップクラスのシェアと、高品質に裏打ちされた信頼性に基づく高いブランド力
　（２）省エネ・低騒音技術力、製品のカスタマイズや短納期等に対応する高度な開発設計力と効率的生産体制
　（３）空調冷熱機器の遠隔監視等のシステムソリューション力
＜RCグループ社＞
　主要事業であるサーバー室向け空調など特殊空調への対応力


　当社の空調冷熱システム事業の重点戦略地域である欧州市場では、今後もチラーの根強い需要が見込まれ、本取引によりデルクリマ社を当社グループに取り込むことで、チラーを主体に大型業務用製品のラインアッフ゜を拡大し、家庭用から大型業務用まで総合的な空調冷熱システムの提供を行います。また、デルクリマ社のシステムソリューション力を活かしたソリューション型事業を強力に推進するとともに、中国をはじめデルクリマ社の海外拠点を活用したグローバル展開も強化するなど、シナジー効果を出すことによってさらなる競争力の向上を図り、事業拡大を進めてまいります。
　なお、本取引により期待できるシナジーとしては、以下の効果を想定しております。
　（１）当社とデルクリマ社の双方の販路における相互製品販売（クロスセル）による規模拡大
　（２）双方の制御システムを統合することによる空調ソリューション対応の強化
　（３）インバーター・熱交換器・ファン・圧縮機等の当社先端技術の適用によるデルクリマ社製品のさらなる付加価値向上

　＊１・・・欧州における温室効果のあるフロンガスの総排出量を２０３０年までに段階的に削減する規制。
　＊２・・・ビルや工場など大型施設用途を主としたセントラル空調方式で、水などの熱媒体を循環させて対象物を一定の温度に保つ設備の総称。


　※リリース詳細は添付の関連資料を参照