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富士経済、二次電池・一次電池の世界市場の調査結果を発表
二次電池、一次電池の世界市場を調査
―2019年予測―
リチウムイオン二次電池:シリンダ型を含め車載用が好調 2014年比31.9%増の2兆2,112億円
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、二次電池15品目、一次電池8品目、次世代電池4品目、リチウムイオン二次電池用制御部品4品目、リチウムイオン二次電池主要応用製品11品目の世界市場と開発動向を調査すると共に、その結果を報告書「2015 電池関連市場実態総調査 上巻」にまとめた。また、二次電池、一次電池の材料についても今後順次調査・分析し、「同下巻」で報告する。
<注目市場>
■リチウムイオン二次電池の世界市場
2014年 2019年予測 14年比
1兆6,768億円 2兆2,112億円 131.9%
リチウムイオン二次電池は小型民生向けから自動車向け、電力貯蔵向けまで大小全てを対象としている。タイプ、あるいは用途別に「シリンダ型」「角型」「ラミネート型」「車載専用」「ESS(Energy Storage System:電力貯蔵システム)用/UPS・バックアップ電源用」がある。
「シリンダ型」は今まで市場の拡大をけん引してきたノートブックPC向けの需要が減少するが、Tesla Motorsで採用されている18650タイプが今後もEV向けで需要を伸ばし、市場は拡大していくとみられる。
「角型」はフィーチャーフォン、スマートフォン向けが多いため、市場はこれらの生産動向に大きく左右される。スマートフォンは生産数量が拡大しているものの、ラミネート型を使用するタイプが増加している。メーカー各社は用途拡大を目指しスリム型ノートブック向けへの展開を進めているが、大きな市場拡大は期待できず、今後市場は急速に縮小するとみられる。
「ラミネート型」は小型、軽量が求められる機器の他に、大容量が求められる機器にも採用が広がっている。スマートフォンやタブレット端末の生産数量が引き続き拡大しており、特にスマートフォンはラミネート型を使用する電池パックの取り外せないタイプが増加し、海外を中心に需要が急速に高まっている。
「車載専用」はHVやPHV、EV、FCVなどの生産拡大に伴い伸びている。特に中国では電動トラック・バスの普及が進んでおり、同用途向けが2014年に大きく伸び、市場をけん引した。EVは今後も車種の増加や充電インフラの整備、補助金政策などにより生産台数が増加するとみられ、中国を中心にEV向けの伸びが予測される。
「ESS用/UPS・バックアップ電源用」はエネルギー密度が二次電池の中で最も高く、電源部の小型化などに対応できることから、ESS向けが増加している。高価格な点など普及にあたって不利な面もあるが、今後は発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギー発電の世界的な普及に伴い、堅調に市場拡大していくとみられる。
■リチウムイオン二次電池用制御部品の世界市場
2014年 2019年予測 14年比
567億円 603億円 106.3%
リチウムイオン二次電池用制御部品は電池用保護IC(1セル直列タイプ)、電池用保護IC(セカンドプロテクションタイプ)、電池残量計を対象とした。
電池用保護IC(1セル直列タイプ)はスマートフォンやタブレット端末向けが好調であり、今後も同用途向けが拡大するが、その他製品向けが減少となり、ほぼ横ばいが予想される。
電池用保護IC(セカンドプロテクションタイプ)は最大の需要先であるノートブックPCの生産数量が減少するものの充電式電動工具のリチウムイオン二次電池の搭載比率が高まっており、今後はほぼ横ばいが予想される。
電池残量計はスマートフォンやノートブックPCの生産数量に連動する。スマートフォンの生産数量増加に伴い数量ベースで拡大していくとみられる。しかし、生産数量の増加や端末価格の下落などの影響を受け、単価が低下するとみられ、金額ベースでの成長は数量ベースよりも鈍化する。
<調査結果の概要>
■二次電池、一次電池の世界市場
※表資料は添付の関連資料を参照
〔二次電池〕
二次電池は採用製品の生産数量増加や、ニカド電池やニッケル水素電池から単価が高いリチウムイオン二次電池へのシフトが今後も進むとみられる。特に今後成長が期待されるのが自動車向けのリチウムイオン二次電池である。2017年から2018年にかけて多くの自動車メーカーが電動自動車のラインアップを拡充させることや、中国政府が普及に本腰を入れていることでシリンダ型、車載専用とも大幅な市場拡大が予想される。
〔一次電池〕
先進国ではマンガン乾電池からアルカリマンガン乾電池へのシフトが落ち着いたものの、新興国では今後も続くとみられ、新興国を中心にアルカリマンガン乾電池市場は拡大する。住宅用火災警報器に採用される二酸化マンガンリチウム電池(シリンダ型)や補聴器に採用される空気亜鉛電池など採用製品の需要増加により一部拡大するものもあるが、他の一次電池は採用用途がほぼ固定化されており、需要先に大きな変化がみられないため、横ばいあるいは微減が続くとみられる。
<調査対象>
※添付の関連資料を参照
<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
2015年2月〜6月
以上
・資料タイトル:「2015 電池関連市場実態総調査 上巻」
・体裁:A4判 368頁
・価格:書籍版 120,000円+税
PDF版 120,000円+税
書籍版・PDF版セット 140,000円+税
・調査・編集:株式会社 富士経済 大阪マーケティング本部 第二部
TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
・発行所:株式会社 富士経済
〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
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