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東急建設、エアフレームを利用した覆工コンクリート打設養生システムを開発
エアフレームを利用した覆工コンクリート打設養生システムを開発
東急建設株式会社(東京都渋谷区:社長 飯塚恒生)は、カンボウプラス株式会社(大阪府大阪市中央区:社長 太田克則)と共同で、山岳トンネルの覆工養生システムとして、鋼材・重機を不要とし、人力のみで1日で設置できる風船タイプのフレームを用いた養生システムを開発し、鹿児島県知覧トンネルにおいて適用し、コンクリートの長期的な耐久性向上に有効であることを確認しました。
本システムは、空気を注入することによりフレームを形成する本体チューブ、チューブ間に張られる養生シートおよびミスト養生設備で構成されます。従来のシステムが鋼材等でフレームを形成するものであったため組立にはレッカー等の重機を必要としたのに対し、本システムは風船のように本体チューブを膨らませるだけで簡単にフレームを形成することができるため人力のみで構築が可能です。組立時間も、例えば1週間養生を想定した覆工3スパン分の組立には、従来システムでは3〜4日/6〜7人程度を要したのに対し、本システムはミスト設備も含めて1日/5人で構築することができます。1スパンあたりの全設備重量が約300kgであることから移動も人力で容易に行うことができ、施工性・安全性が飛躍的に向上しました。また本体チューブには伸縮機構が装備されており、二車線道路の多様なトンネル断面に対応可能です。覆工と養生シートの間には気密性の高い空間が形成され、ここにミストを1日2回(各2時間程度)送り込むことで打設直後の覆工コンクリートを湿潤状態に保つことができます。
鹿児島県知覧トンネル工事において本システムを適用し、養生期間中、常に相対湿度80%以上の湿潤状態を保つことができ、その効果としてコンクリート表層の緻密性が向上し、覆工コンクリートの表面透気係数は、非養生区間と比較して約20%まで低減され、耐久性の高い覆工コンクリートになることが確認できました。手持ちのトンネル工事が増大する中で、今後、本システムの本格的な適用拡大を図ります。
*参考画像は添付の関連資料を参照
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