コーセー、「太古の熟成天然成分「フムスエキス」に新たなスキンケア効果を発見

太古の熟成天然成分「フムスエキス」に新たなスキンケア効果を発見


　株式会社コーセー（代表取締役社長：小林　一俊　本社：東京都中央区）は、土壌に長い歳月堆積した栄養成分から抽出される「フムスエキス」に、毛穴を目立たなくする効果や、ターンオーバー促進効果などの肌悩み改善に効果があることを解明しました。今回の研究成果を今夏に発売予定の新製品より展開していきます。

　「フムスエキス」は、太古の植物や海洋性生物などが堆積した、特殊な「腐植土」を天然水で熟成し抽出したエキスです。長い年月をかけて微生物による分解・発酵が繰りかえされており、限られた地域でのみ採取されます。この「フムスエキス」には、高分子有機酸の「フルボ酸」をはじめとして、ミネラル、アミノ酸などが含まれています。近年、この特徴的な成分「フルボ酸」に、植物プランクトンや海藻の成長を促す働きがあることが分かってきました。豊かな森林から流れ込む河水が、海の生態系の維持にも必要とされる理由のひとつと考えられています。これまで「フムスエキス」は飲料や美容用途などにも利用されてきましたが、具体的な効果やそのメカニズムに関しては明らかになっていませんでした。この度、コーセーでは「フムスエキス」の肌への効果に着目し、化粧品へ応用に関する研究を行いました。

　＊図１・図２は添付の関連資料を参照


＜毛穴を目立たなくする効果＞
　「フムスエキス」配合製剤の肌効果を確認する目的で、１０名の被験者に対し「フムスエキス」配合製剤およびブランク製剤の塗布試験（※１）を行いました。その結果、「フムスエキス」を配合した製剤では、目立つ毛穴の数が減少し（図３、図４）、また採取したレプリカ像では肌表面形状がなめらかになっていることが確認されました（図５）。このことから、「フムスエキス」には肌の凹凸を平滑化することにより、毛穴を目立たなくする効果があることが分かりました。
　※１　ランダム化平行群間比較試験。試験期間は４週間。

　＊図３〜図５は添付の関連資料を参照


＜ターンオーバー促進効果＞
　「フムスエキス」配合製剤の肌平滑効果をより詳細に検討するために、「フムスエキス」の角層ターンオーバーにおよぼす効果を検討しました。ジヒドロキシアセトンで角層を色素標識したのち、「フムスエキス」配合製剤及びブランク製剤を塗布し、経時で皮膚色を測定し、その変化量をターンオーバー速度としました。その結果、「フムスエキス」には角層のターンオーバーを促進する効果があることが分かりました（図６）。


＜「フムスエキス」の角層剥離酵素活性に対する効果＞
　１日２回左右の指定された部位に「フムスエキス」配合製剤および対照製剤を２週間塗布しました。使用前後の角層から酵素溶液を抽出し、蛍光標識したカリクレイン５（KLK５）（※２）の基質と反応させ、得られた蛍光強度からタンパク質量あたりのKLK５の酵素活性を測定しました。その結果、「フムスエキス」にはKLK５の活性を促進することで、角層のターンオーバーを促進する効果があることが分かりました（図７）。
　※２　人の角層で正常なターンオーバーを促す酵素の一種。

　＊図６・図７は添付の関連資料を参照


　これらの効果から、「フムスエキス」は、肌本来の機能を向上させるというスキンケア効果の高い成分であるといえます。この研究結果に対しては、特許を出願済みです。また、毛穴を目立たなくする効果に関しては、第３０回日本腐植物質学会講演会（２０１４年１１月２３日）にて発表しています。

　コーセーでは、安心・安全な化粧品の提供を使命として研究開発を進めています。今回の研究成果のように、長年育まれてきた自然の恵みに科学的な解析を加え、新たな機能としてご提案していくことは、お客様に安心して化粧品をお使いいただく上で重要であると考えています。コーセーは、これからも安全で機能性の高い製品を開発していきます。