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ポーラ化成、肌新生の鍵を握る糖たんぱく質「バーシカン」を産むエキス開発に成功
業界初、胎児の肌誕生メカニズムに着目したエイジングケアの新概念
肌新生の鍵を握る糖たんぱく質「バーシカン」を産むエキス開発に成功
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:三浦卓士)は、「衰えた肌を修復する」という従来のエイジングケアではなく、「新しい肌を生み出す」という全く新しい概念のエイジングケア技術を開発しました。
今回、生命活動が最も活発な胎児の肌誕生メカニズムにヒントを得て、肌誕生因子の一つである「バーシカン」を産み出すエキスの開発に成功しました。
この技術は、ポーラ・オルビスグループの株式会社ポーラから今秋発売される化粧品に活用される予定です。
<着目物質「バーシカン」>
真皮(図1)は肌の弾力を生み出す重要な部位であり、エイジングケアにおける重要なターゲットです。これまでのエイジングケアでは真皮の部分的な補修がメインでしたが、進行した“たるみ”などの老化悩みに十分に応えることは困難でした。そこで、胎児期に真皮がつくられる際に重要な働きを担うと考えられている「バーシカン」という糖たんぱく質に着目しました。
「バーシカン」は初めて肌が作られる胎児期に大量に生み出され、肌の土台を作る物質です。胎児期の真皮づくりでは、まず線維芽細胞が「バーシカン」を生み出すことで足場を整え、広く移動しながら弾力の源であるコラーゲンやエラスチンなどの線維を張り巡らすと考えられています(次頁キーワード解説を参照)。
しかし「バーシカン」は加齢と共に減少してしまうため、胎児期のようなダイナミックな真皮づくりは行われにくくなっています。
そこで、大人の肌でもう一度バーシカンを増やすことができれば胎児期のような真皮の形成を再現することが出来ると考えました。
※図1は添付の関連資料を参照
<「バーシカン」産生促進素材>
線維芽細胞からの「バーシカン」の産生を高める化粧品素材の探索を行い、世界主要国家での蚕繭生産量の0.0001%という特に希少な品種である黄金の繭からオリジナル製法で抽出したエキス「ゴールデンLP」の開発に成功しました(次頁*1参照)。
<「バーシカン」によるエイジングケア効果>
「ゴールデンLP」にて「バーシカン」の産生が高まると、線維芽細胞からのコラーゲン及びエラスチンの産生量が増加することが確認されました(次頁*2参照)。生成されたコラーゲン線維を観察したところ、太くてしっかりした束となっていることや、弾力性や水分保持力が向上することが確認されました(図2,次頁*3参照)。
これらより、「バーシカン」をターゲットとした新たなアプローチにより、衰えた真皮を再び誕生させるかのように再生し、“たるみ”などの進行した老化悩みまでも改善できることが大いに期待されます。
※図2・リリース詳細は添付の関連資料を参照