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日立、スーパーテクニカルサーバー「SR16000シリーズ」に「SR16000 モデルVM1」を追加
スーパーテクニカルサーバ「SR16000シリーズ」に
「SR16000 モデルVM1」を追加
早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」に先行納入
※製品画像は、添付の関連資料を参照
株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、流体解析や気象予測などの科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ「SR16000シリーズ」に、POWER7(R)プロセッサーを搭載した新モデル「SR16000 モデルVM1」(以下、「VM1」)を追加し、本日から販売を開始します。本製品は従来モデル「SR16000モデルVL1」(以下、「VL1」)に比べ6.4倍となる1ノード(*1)あたり約8.2TFLOPS(*2)の理論ピーク性能(*3)を実現しています。
なお、「VM1」は、学校法人早稲田大学(総長:鎌田 薫/以下、早稲田大学)の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」に先行納入され、同センターでの研究の中核を担うスーパーコンピュータシステムとして2011年5月13日に正式運用を開始する予定です。
*1 ノード:並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位
*2 1TFLOPS(テラフロップス):浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
*3 理論ピーク性能:実際にプログラムを実行したときの性能ではなく、同時に動作可能な全ての演算器が動作したときの性能
「VM1」は、1ノードにPOWER7(R)プロセッサーを最大32個、メモリを最大8TB(テラバイト)まで搭載可能な科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバです。
今回、POWER7(R)プロセッサーの搭載により高いシステム処理性能を実現し、また消費電力あたりの性能を従来モデル「VL1」に比べ5.5倍となる256.8MFLOPS(*4)/ワット(*5)に向上します。消費電力をプロセッサーの稼働状況に応じ制御できる「電力制御機構」や消費電力のモニタリング機能などをあわせて活用することで、省電力なシステム運用が可能となります。また、メモリを最大8TBと大容量に搭載でき、最大640本のPCIスロット(*6)を備えI/O(データ入出力)の拡張性にも優れるため、大規模シミュレーションなど大量データを用いた科学技術計算を迅速に処理できます。
*4 1MFLOPS(メガフロップス):浮動小数点演算を1秒間に100万回実行する能力
*5 CPUコア最大構成時(256way)の値
*6 PCIスロット:コンピュータ内のデータ伝送路であるPCIカードを搭載する差し込み口
「VM1」を先行納入した早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」は、産学官連携のもと、太陽電池による駆動が可能で、冷却ファンが不要であり低消費電力なマルチコア/メニーコア・プロセッサー(*7)のハードウェア/ソフトウェア開発、それらのサーバや情報家電などへの適用をめざし、2011年5月13日に開設予定の研究センターです。
早稲田大学は、同センターの開設にあたり、学内で同様の研究開発に利用してきた従来のシステムと比べ、より大量なデータの高速処理が可能で、消費電力を抑えた運用管理ができるシステムの選定を進めていました。今回、従来システムと比べ7倍以上となる約4.1TFLOPSのシステム処理能力と、消費電力をプロセッサーの稼働状況に応じ制御できる「電力制御機構」などを活用し省電力なシステム運用が可能となることなどを評価し、「VM1」を採用しました。本製品を導入することで、次世代プロセッサーの開発や製品への適用に向けたシミュレーションなど大量データの高速処理を実現し、より迅速な研究解析が可能となります。
なお、本システムは、早稲田大学と日立が共同開発した本センター屋上からの太陽光による電力を利用する「太陽電力サーバ駆動システム」を用いて運用される予定です。
*7 マルチコア/メニーコア・プロセッサー:マルチコアは半導体1チップ上に複数のプロセッサーコアを集積し、高性能、低消費電力を達成しようとする新プロセッサー技術。メニーコアは集積するプロセッサーコア数が32コアを越えるような次世代マルチコア技術
日立は、今後も「SR16000シリーズ」をはじめとした先端技術を取り入れたテクニカルサーバの開発を進め、高性能、省電力なスーパーコンピュータシステムの提案、導入を積極的に行っていきます。
※新モデルの概要など詳細は、添付の関連資料を参照
<お問い合わせ先>
HCAセンター 電話 0120−2580−12
利用時間 9:00〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く)
以上