ミック経済研究所、「CRMアウトソーシング（コンタクトセンターサービス）市場の現状と展望２０１４年度版」を発行

２０１３年度、コンタクトセンターサービスの市場であるCRMアウトソーシング市場規模は、６，４６９億円（前年度比１０２．１％）で推移、２０１４年度は前年比１０３．０％の６，６６２億円で推移する見込み


　「CRMアウトソーシング（コンタクトセンターサービス）市場の現状と展望２０１４年度版」発刊


　情報・通信分野およびアウトソーシング分野の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所（本社：東京港区、社長：有賀　章）は、CRMアウトソーシング市場の実態と中期予測を捉えたマーケティング資料「CRM／フルフィル／ビジネスプロセス　アウトソーシング市場の現状と展望２０１４年度版」を、２０１４年１０月３０日に発刊した、と発表しました。
　この調査は、国内法人のCRMアウトソーサー（テレマーケティングエージェンシー）４１社に対し面接取材を中心に調査を実施、国内のCRMアウトソーサー（テレマーケティングエージェンシー）の動向を拡大推計し総市場とした資料となっています。
調査結果の概要は、以下のとおりです。

＜CRMアウトソーシング（コンタクトセンターサービス）市場の市場トレンド＞
　２０１３年度のコンタクトセンターサービスの市場規模は、前年比１０２．１％の６４６，９００百万円であった。
　２０１３年度は、金融分野が復調の兆しを見せ始め、メガバンクのインターネットバンキング部門における新規口座開設需要の高まり、カード会社のリテンション需要など好調な要因が見え始めた反面、前年まであった日本年金機構関連の案件が一気になくなるなどマイナス要因もあり、トータルで前年比１０２．１％で推移した。
　２０１４年度は、引き続き金融分野が堅調に推移するものの、消費税率アップによる消費の低迷などの影響を受け、前年比１０３．０％の６６６，２００百万円で推移するものと見込まれる。
　また、主要ベンダー各社は売上だけでなく、値下げ圧力に伴い利益率が厳しくなる傾向が強まっている。これを改善するため、各社はBPOなどコンタクトセンター以外の新しい事業展開と、マクロの経済環境の変化に対応した、サービスモデルの確立を急がなければならないところにきている。
　ただ、リーマンショック以降低迷してきた、コンタクトセンター市場だが、２０１４年度から２０１８年度にかけては大きなビジネスチャンスになりうるイベントが続くことが予測され、コンタクトセンターだけでなくフルフィルメントサービスも含めて、市況の回復に期待ができそうである。
　ガラ携からスマートフォンへの移行を中心としたスマートデバイスの普及、２０１６年から始まるマイナンバー制度導入、薬のネット販売や電力自由化などといった規制緩和による新たなる市場の創出、ビッグデータやソーシャルメディアといった新たなるテクノロジとのコラボレーション、高齢化に伴う見守りビジネスの展開などが今後、市場を活性化させる可能性は高いのではなかろうか。特にマイナンバー制度は既に基幹システムの入札が決まり動き始めており、２０１６年のスタートに向け、コンタクトセンターにおいても特需が期待できるのではないかと考えられている。
　一方で、少子化や人口減少による、労働者確保の問題や、購買人口の減少によるマーケットの縮小など、将来的な不安や課題なども考えられる。特に昨年から今年にかけて、各ベンダーは深刻な人材採用難に直面している、という現実も今回の調査で浮き彫りになった。
　また、２０１５年４月の改正法施行が先送りになったものの、早晩改正される見込みの労働者派遣法や、すでに４月から施行されている、改正労働契約法などによって、アウトソーサーの収益構造に変化が生じることが予想され、アウトソーサーの対応が否応なくに変化せざるを得なくなることも考えられる。
　これからは、正確に市場ニーズを読み、的確な手を打つことができるアウトソーサーとそうでないアウトソーサーとの勝ち負けがはっきり峻別される時代がおとずれることは間違いないようである。
　以上のことを踏まえ、２０１４年度以降市場は年平均５．３％で成長し、２０１８年度には８３７，０００百万円にまで拡大することが予測される。

＜CRMアウトソーシング（コンタクトセンターサービス）市場推移＞

　＊グラフ資料は添付の関連資料を参照