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協和発酵キリンとファイザー、がん免疫療法に関する開発提携契約を締結

2014-10-02

がん免疫療法に関する開発提携契約の締結について


 協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)と米ファイザー社(本社:米国ニューヨーク、CEO:イアン・C・リード、以下「ファイザー社」)は、協和発酵キリンが開発中の抗CCR4(※1)ヒト化モノクローナル抗体であるモガムリズマブ(※2)(開発コード:KW−0761)について、ファイザー社が開発中の抗4−1BB(CD−137)アゴニスト完全ヒト抗体PF−05082566(※3)との併用療法に関する第Ib相臨床試験の開発提携契約を締結致しましたのでお知らせします。試験は、安全性と忍容性を、固形がん患者を対象に評価するものです。

 モガムリズマブやPF−05082566はがん免疫療法として知られている新たなクラスのがん治療薬として期待されています。がん免疫療法とは、生体自身の自己免疫システムを制御することによりがん細胞の駆逐を試みる治療法です。モガムリズマブはがん細胞を保護する免疫細胞を抑制する一方で、PF−05082566は免疫細胞の増殖や活性化を亢進させることで治療効果を発揮することが期待されています。

 今回締結した開発提携契約に基づき、ファイザー社が実施する臨床試験の費用を両社が均等に負担します。本試験ではモガムリズマブとPF−05082566の併用に関する推奨用量レジメンを決定し、本併用療法の安全性と初期段階における有効性を評価する予定です。なお、この試験の結果により、その後の本併用療法の開発の可能性を検討します。
本試験は2015年に開始することを予定しています。

 協和発酵キリン 常務執行役員 研究開発本部長 佐藤洋一は、次のように述べています。「近年のがん免疫療法の進歩において、当社のモガムリズマブとファイザー社の4−1BBアゴニストとの併用療法は、患者さんに確かな恩恵をもたらす可能性を持っています。当社が現在取り組んでいる『グローバル・スペシャリティファーマの実現』にとって、世界をリードする製薬企業であるファイザー社と近年の進歩著しいがん免疫療法での開発提携ができることはとても重要であり、このようなすばらしい機会を得たことを喜ばしく感じています。」

 ファイザー社オンコロジー事業部門の臨床開発及びメディカル・アフェアーズ担当シニア・ヴァイス・プレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサーのMace Rothenbergは次のように述べています。「がん免疫療法の領域における併用療法は、がん患者さんにさらなる恩恵をもたらす可能性を秘めており、また、ファイザー社にとっても、がん免疫療法のポートフォリオを拡充する素晴らしい機会でもあります。今回、協和発酵キリンとの共同開発は、4−1BBの免疫療法剤との可能性をより拡充するものであり、弊社として大変貴重な提携と考えております」


 ※1 CCR4(chemokine(C−C motif)receptor4)
 CCR4は、白血球の遊走に関与するケモカインの受容体の一つです。CCR4は、正常組織中ではIL−4およびIL−5などのサイトカインを産生するヘルパー2型T細胞や制御性T細胞に発現することが知られています。

 ※2 モガムリズマブ
 モガムリズマブは、「ポテリジオR点滴静注20mg」という製品名で、再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として、2012年5月から協和発酵キリンが国内で販売しているヒト化モノクローナル抗体です。また、2014年3月に再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の適応追加承認を取得しています。さらに欧米でも複数の臨床試験を実施しています。モガムリズマブは、協和発酵キリン独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT(R)(ポテリジェント)(※4)」を応用した抗体です。

 ※3 PF−05082566
 ファイザー社が開発中の多くの免疫細胞表面に発現しているCD−137を標的とした完全ヒトモノクローナル抗体であり、前臨床試験ではT細胞による抗腫瘍効果が認められています。現在、様々な癌種を対象とした単剤による第I相試験が進行中である他、非ホジキンリンパ腫を対象としたリツキシマブとの併用療法をはじめとする複数の併用療法に関する試験も行われています。PF−05082566は開発中の化合物であり、いずれの国においても製造販売承認を取得していません。

 ※4 POTELLIGENT(R)(ポテリジェント)
 協和発酵キリンが独自に確立した高ADCC活性抗体作製技術です。本技術を用いることで、抗体が保有する糖鎖の中のフコースを低下させた抗体を作製できます。本技術で作製した抗体は、従来の抗体に比べて、標的細胞を極めて効率的に殺傷することが非臨床試験で確認されています。


協和発酵キリンについて>
 協和発酵キリンは、がん、腎、免疫疾患を中心とした領域で、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使して、画期的な新薬を継続的に創出し、開発・販売をグローバルに展開することにより、世界の人々の健康と豊かさに貢献する、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとなることを事業ビジョンとしています。詳細はhttp://www.kyowa-kirin.co.jpをご覧ください。


ファイザーオンコロジーについて>
 ファイザーオンコロジーは世界のがん患者さんに希望の光をもたらすため、革新的な治療選択肢の発見、研究、開発に注力しています。当社の強力なパイプラインは業界で最も堅固なものであり、科学的な発見の中でも最もよい物を探し出し、多様ながん患者さんのために臨床応用することに的を絞った研究を進めています。学術機関、個人研究者、共同研究グループ、政府、技術提携先などと協力しながら、ファイザーオンコロジーは画期的な医薬品によるがんの治癒、あるいは、コントロールに真剣に取り組んでいます。適切な医薬品を適切な患者さんに適切なタイミングで届けることがファイザーオンコロジーの使命です。詳しい情報はhttp://www.pfizer.comで入手できます。


ファイザーについて:より健康な世界の実現のために>
 ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。ファイザーは私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(http://www.pfizer.com)をご覧ください。





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