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日立、米国3大学と資源再利用型沸騰水型原子炉の共同研究を開始

2014-09-02

廃棄物の放射能減衰にかかる時間を短縮する
資源再利用型沸騰水型原子炉に関する共同研究を米国3大学と開始
放射性廃棄物を燃料として有効利用できる将来原子炉の開発をめざす


 株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、原子力発電で生じる放射性廃棄物の一つで、放射能の減衰に長期の時間を必要とするウラン元素(Transuranium Element/以下、TRU)を燃料として用いることで、ウラン資源の有効活用を実現する資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource−renewable Boiling Water Reactor/以下、RBWR)の開発を目的として、米国マサチューセッツ工科大学(学長:L.Rafael Reif/以下、MIT)、ミシガン大学(学長:Mary Sue Coleman/以下、U−M)、カリフォルニア大学バークレー校(学長:Janet Napolitano/以下、UCB)の3大学と共同研究を開始しました。本共同研究では、日立と日立GEニュークリア・エナジー株式会社が開発を進めているRBWRについて、それぞれの大学と原子炉の性能・安全性評価などを行うとともに、実用化に向けた試験の実施計画などを検討する予定です。

 原子力発電所で使用されたウラン燃料には、有害度(放射能に人体への影響を加味したもの)の高いTRUが含まれていることから、使用済燃料の有害度が天然資源であるウラン鉱石と同程度まで減衰するのに約10万年かかるとされています。使用済燃料から、TRUを含まない放射性廃棄物にすることができれば、その減衰の時間を数百年まで短縮できるため、国内外でTRUを核分裂させることのできる原子炉の研究開発が進められています。
 日立は、その解決策の一つとして、現在の商用炉として実績のある沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor/以下、BWR)の技術をベースに、使用済燃料から分離・精製したTRUを、ウランとともに燃料として利用する原子炉であるRBWRの開発を進めています。RBWRは、TRUを核分裂させるため新たな炉心燃料を使用するものの、安全システムやタービンなど炉心以外は現在のBWRと同じものを使用するため、BWRで蓄積した豊富な経験を活かしつつ、効率良くTRUを核分裂させる点に特徴があります。

 日立とMIT、U−M、UCBは、2007年から2011年にもRBWRに関する共同研究を行い、先に述べたTRUを核分裂させる性能や安全性などについて評価してきました。今回の共同研究では、そこで得られた知見を活用しつつ、MIT、U−M、UCBで開発されたより精度の高い解析手法を用いて、原子炉の性能や安全性などを評価するとともに、実用化に向けた試験計画などを検討する予定です。

 日立は、今後も、信頼性の高いモノづくりで環境負荷の小さい低炭素エネルギーの安定供給をサポートするとともに、さらなる安全性の向上と放射性廃棄物処分負担の低減を図り、原子力発電の中長期的な課題の解決に貢献していきます。


〔図 RBWRの概要〕

 ※添付の関連資料を参照


以上



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