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J.D.パワー、2011年世界市場小型車需要予測を発表

2011-02-18

− 成熟市場で回復が見られ、新興市場の拡大が続く2011年の世界市場 −

2011年世界市場小型車需要予測


 J.D.パワー・アンド・アソシエイツのオートモーティブフォーキャスティングは、2011年の世界市場での小型車(1)の新車販売台数は、2010年の7,200万台を上回り7,650万台に達する見込みであると発表した。

(1)小型車とは乗用車、多目的乗用車(SUVとMPV)、6トン未満の軽商業車と定義されている。

 もし新車販売台数が予想の水準に達するとしたら、それまでの最高である2007年の7,000万台の記録を更新した2010年の総販売台数をも6%上回ることとなる。

 J.D.パワー・アンド・アソシエイツのグローバル・オートモーティブ・オペレーションのシニア・バイスプレジデントであるジョン・ハンフリーは「世界経済の成長は自動車販売の一層の回復を下支えしている。景気に対する楽観的な見通しが増すにつれ、新車の安定した需要の増大の兆候が見えてきている」と述べている。

 2010年には北米、南米、並びに中国をけん引役としたアジアなど、ほとんどの地域で販売量の増加が見られた。但し、西ヨーロッパは政府による廃車プログラムの2010年での終了に伴い販売量が減少し、成長のパターンが明らかに異なっていた。

 また、2010年には初めて新興市場での販売比率が世界市場の小型車販売の半数を超え(51%)、過去5年間に起きつつあった世界の自動車市場におけるパワーシフトが明らかとなっている。新興市場におけるこの勢いは2011年も続くものと予想される。

<2010年のまとめ:米国と中国は好調な一方、ヨーロッパは横ばい>
 米国市場は2009年より11%増の1,160万台の小型車販売があり、そのうち小売における販売台数は1,040万台となった。カナダの小型車販売は2009年より7%増の160万台であった。

 欧州における小型車販売台数は、当初予測よりわずかによかったものの、1,820万台と2010年は横ばいに終わった。1年間に4%減となった西ヨーロッパでは事態はあまり楽観的ではない。

 日本、韓国そしてオーストラリアのアジア・太平洋地域の成熟市場では2010年は明暗入り混じった結果となった。日本の販売状況は12月にはわずかながらも好転が見られた。韓国は好調を維持し、オーストラリアは史上2番目の販売を記録した。

 中国は12月の年率換算の販売台数が1,900万台という大盛況のうちに2010年を終えた。中国の小型車販売は2009年比で30%以上の伸びとなり、1,720万台の乗用車と商用車が販売された。インドもまた、2010年には30%以上の強い伸びを見せ、270万台の販売となった。

 「中国は依然としてアジアの注目市場であり、世界の自動車市場のけん引役である。中国の自動車市場は、経済に同調して減速するという大方の予測に反して、2010年は堅調のままであった。2011年にはいくらか販売は減速するが、依然として2桁の成長を維持すると予測している」と、J.D.パワー アジア・パシフィック上海のアジア・オートモーティブ・フォーキャスティングのディレクターのジョン・ツェンは述べている。

 南米もまた、2009年比で6%増の好調な地域経済のもとで2010年は世界の多くの地域をしのぎ、引き続き消費者の意欲は高い。

<2011年の展望:成熟市場は回復、新興市場の拡大続く>
 中国、インド並びにブラジルを含む新興市場は2010年に獲得した小型車販売全体に占める51%というシェアを拡大すると見込まれている。新興市場は2011年には小型車販売全体で53%を占めると予想され、今後数年間は成長をけん引する主要なマーケットと見られている。

 その一方、成熟市場は明暗こもごもとなると予測される。米国経済は回復が見込まれており、それがより多くの販売に結びつくであろう。西ヨーロッパは横ばいの見通し、その一方で日本は自動車市場が縮小すると予測されている。

 全世界のGDPの伸びは2010年の4.6%からわずかに減少して、4%程度となる見通しであるが、多くの市場における自動車販売の一層の回復並びに新興市場の継続的な伸びを下支えするに足るほどには依然として好調である。

 「グローバルで考えると、2010年は復調と新興市場の好調な成長のコンビネーションだった。2011年の成長は2010年ほど著しいとは予測していない。しかしながら2011年は、多くの国々で自動車市場の回復が続くと見られ、世界全体で均衡の取れた、もっと扱いやすい成長率となり、安定した環境になると思う。」とJ.D.パワー・アンド・アソシエイツのグローバル・フォーキャスティングのエグゼクティブ・ディレクターのジェフ・シュースターは述べている。

 2011年に景気が世界的に回復すると、小型の商用車の販売は7%伸びると見込まれ、全世界の小型車の18%を占めることとなる。対して、乗用車の販売は6%近く伸びると予測している。

<北米>
 2011年の北米は2010年より150万台多い11%増の1,550万台と上向きな見通しである。米国の自動車市場は依然としてこの地域の成長の推進役であり、2010年より12%増の1,300万台に達すると見ている。

 景気後退の間に米国ほど深刻な影響を受けていなかったカナダ(北米市場の4%に相当)の成長も2011年は上向きのままである。

 メキシコは90万台の販売が予想され、2010年比で小型車販売は8%の伸びとなるが、この伸びは米国の回復と高いレベルのインフレに依存している。

<欧州>
 北米の堅調な回復に対して、欧州は1,810万台とわずかな低下が予測されている。

 シュースターは「経済の基本的な勢いは改善する一方、西ヨーロッパは2011年も課題に直面している。多くの市場で2010年まで延長された廃車プログラムの中止による回復は予測よりも顕著ではなく、債務危機は深刻なリスクのままである」と述べている。

 結果的に、西ヨーロッパにおける新車販売は2010年より2%減少の1,420万台が見込まれている。逆に東ヨーロッパの販売はロシアの廃車プログラムやトルコの低金利のようなインセンティブにより、もっと早く立ち直っている。2011年には東ヨーロッパでは更なる回復が予測され、4%増の390万台と見込んでいる。

<アジア>
 アジアの自動車市場は、2010年ほど顕著ではないにしても2011年も成長を続けるであろう。2010年に25%以上の伸びを示したこの地域では、2011年には7%という、より持続的な成長率となるはずである。これは台数では3,220万台の販売と予測され、世界市場の販売台数の約42%を占める。

 近年、桁外れの自動車市場の拡大を見せている中国での販売台数は2010年比で11%増の1,900万台を超えると見込まれる。成長率の沈静化が予期されているにも関わらず、依然、中国は米国を約600万台上回る世界最大の自動車市場であり、長期的に好調な市場であると見込まれている。

 都市近郊と地方の市場を中心として、所得水準の向上と新しいサブコンパクトモデルに対する需要増が見られ、インドでの販売数量は押し上げられている。それに応じて2011年のインドの販売台数は17%増の320万台と予測されている。

<南米>
 南米の経済と自動車市場は急激な回復を見せているが、2011年には、4−5%のGDPの成長率に並び、経済と自動車部門の成長は、緩やかになると予測している。

 「この地域の短期的なリスクにはインフレの高騰と継続的な金融引き締め、投資家心理の突然の転向、地域の自動車販売の75%近くを占めるブラジルのクレジットバブルの可能性などがある」とシュースターは述べている。

 ヴェネズエラの自動車市場は長期的な景気後退、高いインフレ率、輸入車の不足により依然として苦しんでおり、小型車の販売は2010年には2007年の1/4の水準である110万台に届いていない。


 ※参考画像は添付の関連資料を参照


<株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックについて>
 当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。プライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト http://www.jdpower.co.jp まで。

<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
 ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。

<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
 1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズ(NYSE: MHP)は、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D.パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2010年の売上高は62億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトhttp://www.mcgraw-hill.com まで。

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