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アステラス製薬など、抗TNF−α抗体の早期関節リウマチ患者に対する有効性を発表

2014-06-19

2014年欧州リウマチ学会総会にて抗TNF−α抗体
「セルトリズマブ ペゴル(一般名)」の早期関節リウマチ患者に対する
有効性について発表


 アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)とユーシービージャパン株式会社(本社:東京都新宿区、社長:ジョエル・ピーターソン、以下「ユーシービージャパン」、また、ユーシービーグループを総称して以下「UCB」)は、両社で共同開発・商業化を進める、PEG化(*1)抗TNF−α(腫瘍壊死因子α)抗体「セルトリズマブ ペゴル」(一般名、日本での製品名「シムジア(R)」欧米での製品名Cimzia(R))の早期関節リウマチに対する有効性について、フランス、パリで開催中(開催期間:2014年6月11−14日)の欧州リウマチ学会総会(EULAR 2014)にて、本日発表しますのでお知らせいたします。

 メトトレキサート(MTX)未治療で予後不良因子(抗CCP抗体高値陽性に加えて、リウマトイド因子陽性もしくは骨びらんあり)を有する早期関節リウマチ患者(持続的な関節炎症状を発症してから12か月以内)を対象として、セルトリズマブペゴル(CZP)とMTXとの併用治療の関節破壊及び症状・徴候に対する効果について、MTX単独治療を対照とした検証試験を実施しました。主要評価項目は52週目の関節破壊の進行抑制(mTSS変化量)、副次的評価項目は24週目及び52週目の臨床的寛解(DAS28(ESR)(*2)、ACR/EULAR基準(Boolean)(*3)、ACR/EULAR基準(SDAI)(*4)による)並びに24週目の関節破壊の進行抑制でした。CZPとMTXとの併用治療群は、MTX単独治療群に比べて、52週、24週ともに有意な関節破壊の進行抑制が認められました。さらに、24週および52週のいずれの時点においても、CZPとMTXとの併用治療群はMTX単独治療群に比べて有意に高い臨床的寛解率が得られました。また、CZPの新たな安全性のシグナルは認められませんでした。

 シムジア(R)は、世界初のPEG化抗TNF−α抗体医薬品です。本剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF−αに強い親和性を示し、TNF−αの作用を選択的に阻害します。本剤は、ヒト化抗体のFc部分を除いたFab部分(*5)にPEGを結合させることで血中半減期が延長されるため、関節リウマチ治療において2週に1回あるいは月1回の皮下投与で効果を示します。本剤は、既に海外臨床試験においてMTX併用で、導入治療及びその後の維持治療において速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されることが確認されています。また、関節の骨破壊の進行を抑制することも明らかにされています。国内臨床試験においても、MTX併用の有無に関わらず速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されること、関節の骨破壊の進行を抑制することが確認されています。シムジア(R)は、関節リウマチ患者さんが使いやすい形状に配慮したプレフィルドシリンジで、医師により適用が妥当と判断された場合には、自己投与も可能となっており、有効性、安全性に加え、患者さん自身による使用にも配慮した製剤で、関節リウマチ患者さんの症状改善、QOL及びアドヒアランス(*6)向上に重要な役割を果たすものと期待しています。

 アステラス製薬とUCBは、2012年1月にシムジア(R)の日本における共同開発・商業化契約を締結しました。シムジア(R)については、同年12月にユーシービージャパンが日本において製造販売承認を取得し、2013年3月に発売しております。

 *1:抗体をポリエチレングリコール(PEG)で修飾すること
 *2:関節リウマチの疾患活動性をスコア化した指標。DAS28(ESR)=0.56×√(圧痛関節数)+0.28×√(腫脹関節数)+0.7×LN(ESR)+0.014×(患者全般評価)。2.6未満の場合を寛解とする。
 *3:寛解基準。圧痛関節数1つ以下、腫脹関節数1つ以下、CRP 1以下、患者全般評価1/10以下の場合を寛解とする。
 *4:関節リウマチの疾患活動性をスコア化した指標。SDAI=圧痛関節数+腫脹関節数+患者による全般評価+医師による全般評価+CRP。3.3以下の場合を寛解とする。
 *5:抗体はY字に似た構造を持ち、上部のFab(抗原認識部位)と下部Fc(補体結合部位)に分かれている
 *6:患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること


関節リウマチについて>

 関節リウマチ(RA)は、進行性の自己免疫疾患で、関節に慢性の炎症を引き起こします。一般的には手足、手首、膝などの小さな関節が障害されますが、全身性の疾患であり、内臓や血管系などに影響を与えることもあります。関節リウマチの患者さんは全世界で500万人、日本では約65万人と推定されています。有病率には性差があり、女性は男性の約3倍と知られています。また、関節リウマチは年齢にかかわらず発症しますが、好発年齢は40−50歳です。


<会社概要>

アステラス製薬株式会社について】

 アステラス製薬株式会社(http://www.astellas.com/jp/corporate/)は、東京に本社を置く、連結従業員数約17,000人の製薬会社です。「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開を図っています。泌尿器疾患、免疫疾患(移植を含む)および感染症、がん、精神・神経疾患、糖尿病合併症および腎疾患の5領域を重点研究領域に掲げ、これらの領域でグローバル・カテゴリー・リーダーの地位を確立したいと考えています。


【ユーシービーグループについて】

 ユーシービーグループ(http://www.ucb.com)は、ベルギーのブリュッセルに本社を置くグローバルバイオファーマ企業です。中枢神経疾患領域、免疫・炎症疾患領域等の重篤な疾患に特化した革新的な医薬品及びバイオテクノロジー製品の研究、開発、販売を行っています。従業員は世界でおよそ8,500名おり、約40カ国の国々で活動をおこなっています。2013年の売上は34億ユーロです。UCBはユーロネクストに上場しています(シンボル:UCB)

 ユーシービージャパン株式会社は、1988年に設立され、アレルギー性疾患治療剤「ジルテック(R)錠」(一般名:セチリジン)などを販売してきました。2010年9月に発売された抗てんかん剤「イーケプラ(R)錠」(一般名:レベチラセタム)や2013年3月に発売された関節リウマチ治療剤「シムジア(R)」を新たな成長の起点とし、中枢神経系(CNS)ならびに免疫領域を中心に治療の難しい患者さんを対象にしたスペシャリティ・バイオファーマとして、日本の医療・健康へ更なる貢献をしてまいります。



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