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双日、インド・グジャラート州の硫酸カリ肥料・工業塩生産プロジェクトに出資
双日、インド北西部グジャラート州での硫酸カリ肥料・工業塩生産プロジェクトへの出資参画について
〜2012年より硫酸カリ肥料と工業塩をアジア市場で販売〜
双日株式会社は、インド・アーチャングループ(本社:タミル・ナードゥ州チェンナイ)がインド北西部グジャラート州カッチ地区で進める硫酸カリ肥料、および工業塩を生産するマリンケミカルプロジェクトに出資参画します。マリンケミカルプロジェクト(第1期投資総額:約180億円)は、2012年の操業開始を予定しており、双日は約35億円の投融資を通じて、硫酸カリ肥料、および工業塩のインド国外への販売を
担います。
マリンケミカルプロジェクトは、グジャラート州カッチ湿地帯にある高濃度天然かん水資源を原料とした硫酸カリ肥料、臭素、及び工業塩の生産プロジェクトです(約400平方キロメートル)。広大なカッチ湿地帯は、例年モンスーン期に海面が上昇し、大量の海水が浸出して形成されたもので、地層には海水中のミネラル成分が長年にわたり高濃度で蓄積されています。
【グジャラート州カッチ湿地帯に位置するマリンケミカルプロジェクトの塩田】
※ 関連資料参照
硫酸カリ肥料は、タバコ葉や果樹栽培用の肥料としての用途があります。インドは、これまで硫酸カリ肥料の純輸入国でしたが、マリンケミカルプロジェクトの推進により、カリの国産化が可能となります。硫酸カリ肥料を生産する目的で、今回、初めてインド政府よりカッチ湿地帯の開発が許可されました。
工業塩は、苛性ソーダや塩化ビニル、石けん、ガラスなど多岐にわたって使われる基礎原料であり、日本では、年間約800万トンの塩が消費されていますが、そのうち工業用は年間約700万トンで、そのほとんどが輸入されています。
マリンケミカルプロジェクトは、第1期計画(2012年)で硫酸カリ肥料を年間10万トン、副生天日塩を年間200万トン生産、販売します。また、第2期計画(2015年)では硫酸カリ年間40万トン含む工業塩や臭素の増産に加えて、酸化マグネシウム、石膏の生産も行う予定です。双日は、マリンケミカルプロジェクトへの出資により、事業運営の参画に加えて、建設資金の融資、硫酸カリ肥料や工業塩のインド国外への販売協力を行います。
マリンケミカルプロジェクトでは、海水を原料とした天然かん水が無尽蔵にあり、将来の需要に応じて生産能力の増強が可能です。また、グジャラート州は風力発電が非常に盛んなエリアであることから、今後、広大な塩田に隣接して風力発電や太陽光発電設備を設置して必要な電力の自給化を図るCO2フリーの環境対応型マリンケミカル事業の構築を目指してまいります。
●マリンケミカルプロジェクトの概要
(1)開発対象:インド北西部グジャラート州カッチ湿地帯
(2)事業会社:Archean Chemical Industries Pvt Ltd,
(3)事業内容:肥料用硫酸カリウム(SOP)、工業塩、臭素の生産
(4)開発スケジュール:
第1期(2012年)/硫酸カリ肥料年間10万トン、工業塩年間200万トン、臭素年間5千トンを生産
第2期(2015年)/硫酸カリ肥料年間40万トン含む工業塩、臭素の増産に加えて、酸化マグネシウムや石膏を生産
(5)周辺図:※ 関連資料参照
※ 参考資料は、関連資料参照