Article Detail
日立、中国・広州市の超高層複合ビル向け超高速エレベーターを2016年に納入
世界最高速(*1)となる分速1,200mの超高速エレベーターを
中国・広州市の超高層複合ビルに2016年納入
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原敏昭/以下、日立)、ならびに日立電梯(中国)有限公司(総裁:潘勝■(※))は、2016年の全面開業に向けて、中国・広州市に建築中の超高層複合ビル「広州周大福金融中心」(地上530m)に、世界最高速となる分速1,200m(時速72km)の超高速エレベーターを納入します。このエレベーターには、世界最高の速度を生み出す駆動・制御技術に加え、安全・快適な走行を支える技術を適用することで、高速走行でも快適な乗り心地を実現します。
※総裁名の正式表記は添付の関連資料を参照
日立は1968年に、当時の国内最高速となる分速300mのエレベーターを開発し、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」に納入するなど、建築物の高層化・大規模化に対応した製品開発を率先して行ってきました。その後、2010年にはエレベーターの研究施設としては世界一高い(*2)、地上高213mの研究塔「G1TOWER」の運用を開始し、世界で拡大する高速・大容量のエレベーターの需要に対応するためのさまざまな実証実験や、安全性・快適性・環境に配慮した製品の技術開発に取り組んできました。
今回納入する分速1,200mの超高速エレベーターは、地上1階から95階までの昇降行程440mを約43秒で到達するもので、世界最高の速度を生み出す駆動力と確かな制動力とを併せ持っています。また、安全停止を実現するブレーキ装置や調速機(*3)を用いるとともに、横揺れ防止や耳閉感緩和のための技術を採用することで、高速走行と、安全・快適な乗り心地を両立します。「広州周大福金融中心」には、この分速1,200mの世界最高速エレベーターが2台納入されるほか、28台のダブルデッキエレベーター、分速600mの超高速エレベーターなど合計95台のエレベーターが納入されます。
日立では今後も、海外市場を中心に一層需要が高まるビルの高層化・大規模化に対応するため、高速化をはじめとするさまざまな付加価値を有するエレベーターの開発に取り組みます。また、そこから得られる新技術、知見を超高速・高速エレベーターなどに応用し、「安心・快適・便利」なビル環境をグローバルに提供していきます。
日立は、社会イノベーション事業のグローバル展開を強化しており、引き続き都市の縦移動インフラである昇降機事業の拡大を図っていきます。
*1:2014年4月21日現在、日立調べ。
*2:2014年4月21日現在、日立調べ。
*3:速度超過を検知した場合、ブレーキや非常止め装置を作動させる安全装置。
<世界最高速エレベーターの特長>
(1)世界最高速 分速1,200mを実現する駆動・制御技術
・分速1,200mを実現する大出力と、薄型化を両立した永久磁石モーターを開発。
・主ロープの強度を高めるとともに、ロープ径を縮小し、自重を軽量化することにより、巻上機にかかる負荷を軽減することで、巻上機の小型化を実現。
・大容量モーターの出力を制御するために、昇降機用として世界最大級の容量を持つインバーターを搭載しながら、制御盤の省スペース化を実現。
(2)超高速走行を支える安全性
・超高速走行中に万が一エレベーターに異常を検知した場合にかごを安全に停止させるため、耐熱性に優れた制動材を採用したブレーキ装置を開発。
・1台の調速機により、上昇時と下降時(*4)で異なる定格速度に対応可能であることから、安全の確保と省スペース化を両立。
(3)長い昇降行程も安心して利用できる快適性
・ガイドレールのわずかな歪みや風圧による横揺れを検出し、振動を減衰させるアクティブガイドローラーをかごの上下、左右の4箇所に設け、高速走行においても快適な乗り心地を提供。
・長行程によるかご内気圧変化に対して、気圧の変化に緩急をつける日立独自の気圧制御方式を開発し、耳閉感を緩和。
*4:下降時の定格速度は分速600m。
<納入する昇降機の概要(全95台)>
〔種類〕 〔台数〕
世界最高速エレベーター(分速1,200m) 2台
ダブルデッキエレベーター(分速150m〜540m) 28台
超高速/高速エレベーター(分速210m〜600m) 13台
中低速エレベーター 52台
<広州周大福金融中心の概要>
広州周大福金融中心は中国・広州市内では最高層となるビルで(地上111階、地下5階、地上高530m)、オフィス、ホテルや住宅などから成る高級複合施設で、2016年の全面開業をめざし、広州市の珠江新城区に建築が進められています。
・参考画像は添付の関連資料を参照
以上