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エプソン、高精度・低消費電流のプログラマブルPLL電圧制御水晶発振器を商品化
お客様が任意に周波数と可変特性を設定・変更できる
高精度・低消費電流のプログラマブルPLL電圧制御水晶発振器
「VG7050EAN」、「VG7050ECN」を商品化
*商品画像は添付の関連資料を参照
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、お客様が任意に出力周波数と可変特性を設定・変更できる、高精度・低消費電流のプログラマブルPLL電圧制御水晶発振器(VCXO(※1))「VG7050EAN」、「VG7050ECN」を商品化し、このたびサンプル出荷を開始しました。
本商品は50MHzから800MHzまでの高周波に対応し、位相ジッタは0.27ps Typ.、消費電流は70mA Typ.(ともに622.08MHz発振時)と、光伝送装置向けVCXOに求められる高度な水準の仕様を実現しています。
近年、各種ネットワークにおける光通信の大容量化・高速化による伝送規格の多様化が進んだ結果、光伝送装置(※2)ではさまざまな周波数に対応する必要性が生じています。そのためお客様は、光伝送装置に固定周波数の発振器を複数設置したり、周波数変更の際には発振器そのものを置き換えたりと、管理・工数面などで多くの課題を抱えています。
そこでエプソンは、100MHz以上の基本波(※3)発振ができる高精度・高安定のHFF 水晶振動子(※4)と、省電力・低ノイズが特長の半導体技術を活用したFractional−N PLL IC(※5)を組み合わせ、最適化することで、低ノイズ・低ジッタ・低消費電流のプログラマブルPLL VCXOを実現しました。
お客様は、VCXOの工場出荷時に出力周波数と可変特性を指定いただけるとともに、ご自身でI2C(◇)通信や端子設定(※6)により、任意に出力周波数と可変特性を変更することが可能です。これにより、光伝送装置における周波数変更への容易な対応や、新たな周波数の通信規格向けに光伝送装置を開発する際には大幅な工数削減を実現できます。
今後もエプソンは、独創の強みである水晶微細加工技術と半導体技術を核にしたデバイスソリューションで、お客様の安心・安全・快適に寄与してまいります。
◇「I2C」の正式表記は添付の関連資料を参照
*商品の特長、主な仕様は添付の関連資料を参照
本商品の詳細情報は下記ウェブページをご参照ください。
VG7050EAN:http://www5.epsondevice.com/ja/quartz/product/osc/vcxo/vg7050ean.html
VG7050ECN:http://www5.epsondevice.com/ja/quartz/product/osc/vcxo/vg7050ecn.html
【用語解説など】
※1:VCXO(Voltage Controlled Xtal Oscillator)
外部からコントロール電圧を入力することにより、出力周波数を可変する水晶発振器。
※2:光伝送装置
光により情報伝達やデータ送信を行う装置・システムで、基幹ネットワーク向け、メトロネットワーク向け、CATV・映像信号向け、構内・社内向け(シリアル信号やLAN)などがある。
※3:基本波
水晶振動子の振動モードのうち基本振動(1次)による振動。
※4:HFF(High−Frequency Fundamental)水晶振動子
フォトリソ加工により、励振部のみを数ミクロンという極薄な構造(逆メサ構造)にすることで、強度を保ちながら高周波での基本波発振を可能にした水晶振動子。近傍の高調波成分を抑制することができるため、高速・大容量通信の安定に貢献します。
※5:Fractional−N PLL(Phase Locked Loop) IC
分数分周ができるPLL IC。特定周波数のクロック信号をベースに任意の出力周波数を作り出せます。
※6:端子設定による出力周波数と可変特性の変更は、「VG7050ECN」のみ対応。
以上