イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

富士経済、中食・惣菜市場の流通5チャネルの動向調査結果を発表

2013-10-24

「高齢化」「個食化」「健康志向」をキーワードとした
中食・惣菜市場の流通5チャネルの動向を調査


−2013年見込み(前年比)−
 全体市場:5兆5,019億円(2.9%増)昼食、夕食、おつまみなど広い時間帯域の需要を喚起
 ●CVS:1兆9,917億円(7.1%増)店舗数増で市場が拡大、女性、高齢者など新規顧客向け商品を開発
 ●量販店:1兆9,347億円(1.0%増)単身者、高齢者向け個食商品を強化、関東では昼食弁当類が拡大
 ●百貨店:3,530億円(0.2%増)競合業態の高品質化で集客低下
 ●駅ナカ・駅ビル:2,873億円(1.4%増)高集客力から出店企業増加、各地の施設増も


 総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、13年6〜8月にかけて、チャネルがほぼ軒並み好調に推移している中食と惣菜市場を調査した。
 この調査結果を報告書「中食・惣菜市場のメニュー×チャネル徹底調査 2013」にまとめた。

 この報告書では、チャネル市場編とメニュー編の2部構成で、双方の切り口から需要動向、消費トレンドを分析した。チャネル市場編では、CVS、量販店、百貨店、駅ナカ・駅ビル、惣菜路面店の5チャネルを対象に市場規模や参入企業の動向と、売れ筋品目とその要因を明らかにした。さらに企業事例では、注目の中食と惣菜企業の取り組みをまとめた。
 また、メニュー市場編では11カテゴリーを対象に、市場規模や各チャネルの動向、実績を分析して、チャネル間の差異や、売れ筋メニューとその要因を明らかにした。


<調査結果の概要>
●チャネル別中食・惣菜市場推移(単位:億円 %)

 ※表資料は、添付の関連資料を参照


 13年のこの市場は小売ベースで5兆5,019億円、前年比102.9%の見込みである。調理の技術革新や新奇性の高いメニューの拡大など外食や家庭内調理と遜色のない品質と簡便性が支持され、さらに昼食などの即食需要から夕食やおつまみ需要など幅広い時間帯の需要を喚起して、CVS、量販店、百貨店、駅ナカ・駅ビルのチャネルが好調に推移している。また、近年はチャネル間競争が広がっており、13年は「高齢化」「個食化」「健康志向」をキーワードとした店舗開発や商品設計により新規需要を獲得している企業が実績を拡大している。
 カテゴリー別では、13年の販売規模が大きい中食・惣菜は、弁当類1兆5,358億円(構成比27.9%)、寿司やおにぎりなどの米飯類1兆4,124億円(同25.7%)、それとフライドチキンやメンチカツのホットデリカ1兆2,109億円(同22.0%)が主な品目である。


<注目チャネルの中食・惣菜市場>
●CVS 13年見込 1兆9,917億円 前年比 107.1%
 11年は東日本大震災直後、物流網が寸断された中、限られた材料で調理可能な店内調理のニーズが高まり、ローソン、デイリーヤマザキミニストップなど大手各社が臨機応変に対応して焼き立てパンや弁当などを提供し、評価が高まった。加えて、CVSの利用頻度が低かった高齢者、主婦層などが大震災を機に利用するなど、顧客層が広がった。震災の混乱が落ち着き、節電対策需要が拡大した夏季には、夕食の一品にカウンターファストフード(作り立て惣菜)のコロッケやメンチカツを購入するケースが増え、スーパーと同様の感覚でCVSに来店するなど利用形態も変化した。
 CVSチェーン側もこれらの新たな顧客層を維持するため、ファミリー層や高齢者層向けのTVCMの投下やメニュー開発などに注力し、12年は単品の惣菜メニューを拡充して市場の底上げを果たした。冷やし麺やサラダは、8月以降の猛暑により好調な売上げを見せた。加えて近年、前倒し販売が加速しているおでんの売上げも伸びたほか、カウンターファストフードが軒並み好調となった。但し、前年の需要急増の反動から既存店では前年を割るチェーンも多く、新規出店による下支えにより通年ではほぼ横ばいとなった。
 13年の前半は気温不順により冷やし麺が立ち上がりで苦戦を強いられたチェーンも見られたが、中華惣菜やカウンターファストフード(春巻きやかき揚げ、コロッケなど)が好調に市場をけん引している。また、セブン−イレブン、サークルKサンクスなどを中心にチルド弁当が一定の需要を維持しており、従来はD+3(製造日後3日)程度が消費期限の主体であった弁当や惣菜でD+5以上に採用が拡大するなど廃棄ロスの削減に努めるとともに、時間がたっても美味しさが損なわれない商品開発に力が注がれている。高カロリーで容量が多い弁当類の需要は一巡し、少量高品質のメニューが支持され実績を拡大させており、店舗数の増加に合わせて市場は前年を大きく上回るとみられる。但し下位チェーンでは既存店日商が前年を下回るケースも多く、競合が激化している。

●量販店 13年見込 1兆9,347億円 前年比 101.0%
 近年、高齢化や単身者の増加といった変化する顧客層に対しアプローチを仕掛けるチェーン店が多く、既存のメイン顧客である主婦層以外の新規需要の開拓を進めている。
 13年は7月からの猛暑により冷やし麺の需要が急速に伸びており、通年でも市場は前年を上回ると見込まれる。
 弁当類は売上げの15%を占めている。管理栄養士の監修や料理学校とのコラボ開発によって健康性を訴求したバランス弁当が、単身の中年男性、一人暮らしのOLなど幅広い層に人気商品となっており、安定した需要を維持している。コールドデリカは、サラダ類が好調を続けており、特に野菜サラダの動きが良い。また13年は年初に野菜が高騰したことで、野菜サラダは作るより購入した方が得と感じる消費者が増えたことも要因となっている。
 米飯類では、構成比の大きい寿司が12年は苦戦を強いられたものの、13年は需要が回復傾向にある。寿司は平日と祝日、昼食と夕食でそれぞれ需要が異なるため各時間帯に適した量目、価格帯の商品を用意する必要があるなど取扱いが難しい。ホットデリカは、フライ類、畜肉惣菜、中華惣菜といったメニューを中心に展開され、特にフライ類の構成比が大きくなっている。
 今後に向けて店内調理に注力している企業が多いが、ヨークベニマルでは同社ブランド「だんらんDeli」を展開するなどアウトパック商品に力を注いでいる。またオペレーションの複雑化や、パートやアルバイトの確保が難しくなっている企業も多く、アウトパックの比率は上昇しつつある。
 関東エリアでは11年の東日本震災以降、午前中の来店客数が増加しており、昼食として弁当類を購入する顧客が増えている。その需要を逃さないためにもバックヤードでは朝の立ち上がりを重要視する企業が増加している。
 消費者の食に対する健康志向が高まっており、管理栄養士などが栄養素計算を行ったバランス弁当やサラダの需要が増加している。特にサラダは畜肉やサーモンと組み合わせた主食に近い野菜サラダが売れ筋となっており、サラダの主食化が進んでいる。

●百貨店(デパ地下)13年見込 3,530億円 前年比 100.2%
 百貨店の食品売場で最も売上げが大きいのは菓子で、惣菜が次いでおり、年々惣菜市場が低下していく中でデイリー食品に力を注ぎ、2000年4月に東急百貨店東横店が「東急フードショー」をオープン、更には伊勢丹新宿店が新規の売場作りで話題性を高めるなど、デパ地下ブームとなり市場が活性化した。
 13年は、アベノミクス効果により百貨店チャネルは活性化しているが、プラスに寄与しているのは富裕層による高価格な宝飾品であり、食品販売への寄与は一部に留まり惣菜市場の伸びは鈍化している。これはデパ地下の集客力が落ちてきていることによる。
 CVSや量販店チャネルで惣菜の品質が年々向上し、デパ地下の集客力が落ちる中で、百貨店ならではの明確な差別化が必要となっており、デパ地下の特徴である対面販売という接客の重要性が見直されている。好調テナントは商品力はもちろん接客力の高さが挙げられる。接客サービスのレベルアップが他チャネルとの明確な差別化となる。
 近年は小容量や個食のニーズが高まっており、店舗によっては小パック商品を展開して対応しているが、まだ対応しきれない店舗も見られる。小容量化は手間がかかるうえに客単価の低下が避けられず、テナント企業も積極的にラインアップしたくない。しかし今後は、高齢化や単身者が増えていくなかで食べきりサイズのニーズが高まるのが確実で、小容量展開で高齢者層を取り込んでいるCVSにシェアを奪われない対策が必要となっている。

●駅ナカ・駅ビル 13年見込 2,873億円 前年比 101.4%
 量販店や百貨店の店舗数が減少する中、多くの惣菜企業がこのチャネルに注目している。駅ナカ・駅ビルに出店する場合、売上に応じて支払うテナント料以外にも水道・光熱費などを負担しなければならないなど非常に厳しい条件があるが、それを上回るメリットが存在する。極めて高い集客力を有し、特にターミナル駅では幅広い層の消費者を取り込むことができることから、知名度を高めることもでき、さらに多くの企業が出店に力を注いでいるチャネルであり、駅ナカ・駅ビルを運営しているディベロッパー側からの出店要請も旺盛で、今後も好調な推移が見込まれる。
 弁当類は、惣菜路面店や他のチャネルで見られるようなのり弁当や唐揚弁当などの実績は小さく、1,000円以上の高級感があるメニューがボリュームゾーンとなっている。東京駅などサラリーマンが出張で利用する頻度が高い駅では弁当類の構成比が半数程度になることも珍しくない。
 これまで百貨店に出店していたテナント企業が、百貨店への出店が一通り終わって、この市場への出店を進めるケースも多くみられる。ただしこのチャネルは、幅広い層が利用することから、若年層などの新規顧客の獲得に苦戦している企業もあり、チャネルに合わせたマーケティング戦略の確立は今後の課題となっている。
 「東京スカイツリー」などの商業施設内にある店舗では、休日の売上が圧倒的に高く、平日と休日の売上げに大きな乖離がある。利用客の多くが観光客であることが主要因であり、いかに地元の生活者を呼び込むかが今後の課題となっている。

<チャネル別の売れ筋品目予想>
 13年の市場見込みのなかから、各チャネル別の売れ筋となりそうな中食・惣菜をピックアップした。

●CVS 13年見込 1兆9,917億円 前年比 107.1%
 市場の28%を占める米飯類で、なかでもおにぎりがこのチャネルのトップで5,191億円の売上げが見込まれる。もう一方の23%の弁当類では、白飯プラスおかずの定番からチルド弁当が好調に伸びている。

●量販店 13年見込 1兆9,347億円 前年比 101.0%
 売上げの35%を占める米飯類では、寿司が需要を回復中で4,980億円のトップメニュー、30%を占めるホットデリカでは、フライ類、畜肉惣菜、中華惣菜が中心で、特にフライ類の構成比が大きい。

●百貨店(デパ地下)13年見込 3,530億円 前年比 100.2%
 売上げの32%を占めるのはフライ類と中華惣菜のホットデリカ、それにトップメニューの弁当684億円が売り上げの中心になる。

●駅ナカ・駅ビル 13年見込 2,873億円 前年比 101.4%
 売上げはホットデリカと弁当で5割を超える。532億円を見込む弁当は、手間のかかるおかずを多く含む商品の動きが良く企業側もこうした弁当を展開して付加価値ニーズの取り込みを図っている。


<調査対象>
 メニュー 11カテゴリー 25品目 流通 5チャネル
 主要中食関連企業事例分析 22社


<調査方法>
 富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査を主体に各種公的データを補足


<調査期間>
 2013年6月〜8月


以上


 資料タイトル:「中食・惣菜市場のメニュー×チャネル徹底調査 2013」
 体裁:A4判 292頁
 価格:書籍版 140,000円(税込み147,000円)
     書籍+PDF/データ版セット 160,000円 (税込み168,000円)
 調査・編集:富士経済 東京マーケティング本部 第一統括部 第一部
        TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
 発行所:株式会社 富士経済
      〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
      TEL:03−3664−5811(代)FAX:03−3661−0165
      E−mail:info@fuji-keizai.co.jp
      この情報はホームページでもご覧いただけます。
      URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jphttps://www.fuji-keizai.co.jp/

Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版