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サカタのタネ、スイートコーンのF1品種「しあわせコーン」の種子を発売
新品種
消費者、生産者、流通関係者、すべての人を「しあわせ」に
スイートコーンのF1品種『しあわせコーン(R)』を新発売
とても甘く、糖度が長持ちし、しなびにも強い画期的な中早生バイカラー品種
サカタのタネは、中早生バイカラーのスイートコーンのF1新品種『しあわせコーン(R)』を開発し、生産者向けに2014年1月中旬から種子の出荷を開始します。『しあわせコーン(R)』の最大の特長は、従来品種と比べ、甘みがとても強く、糖度が長持ちすることです。また粒が柔らかすぎないことから、水分が保たれ、しなびにくいので店もちに大変優れます。同品種は、熟期が85日で、黄色と白色のコントラストが美しく、収穫部である雌穂(しすい)はやや長型、重さは400g前後、長さは30cm前後の2Lサイズとなるスイートコーンです。先端不稔(※1)が極めて少ないので秀品率が高く、市場性の高い青果物を安定して出荷できます。『しあわせコーン(R)』の種子販売は、全国の種苗店、JAルートを通じて行います。希望小売価格(税別)は、2,000粒入り袋5,150円、200粒入り袋550円です。
*製品画像は、添付の関連資料を参照
スイートコーンは、甘く食感がよいことから、人気が高い品目の一つです。一方、収穫適期を逃すと十分な糖度を得られず、また適期に収穫してもすぐに糖度が下がる性質があります。そのうえ、近年主流となっている粒皮が柔らかい品種は、皮が薄いことで水分が蒸発しやすく、夏場は時間経過とともにしなびることがあり、商品価値が著しく損なわれることが課題となっていました。このようにスイートコーンの品種開発における食味の追求は、生産性や流通性と相反する関係にありました。
このような課題を解決すべく、約10年の歳月をかけて開発したのが、バイカラーのF1品種『しあわせコーン(R)』です。『しあわせコーン(R)』は、タネまきから85日で収穫する中早生品種で、黄色と白色のコントラストが美しく、雌穂(しすい)はやや長型、重さは400g前後、長さは30cm前後の2Lサイズになるスイートコーンです。
『しあわせコーン(R)』は、従来品種に比べ糖度が1〜2度高く、長持ちするという結果が出ています(図1)。粒が柔らかすぎないため、従来品種と比べ青果がしなびにくいことも大きな特長です。従来品種が収穫2日後には完全にしなびているのに対し、『しあわせコーン(R)』は4日後もその品質を十分に維持します(図2)。そのため、収穫適期が比較的長く、天候や出荷作業など諸条件で収穫日を数日ずらさざるを得ない場合でも柔軟に対応でき、店もちにも大変優れます。
*図1、図2は添付の関連資料「参考資料」を参照
さらに、先端不稔が極めて少なく、そろいがよいため秀品率が向上します。比較的根張りが強い性質があることから、近年の異常気象による突風やゲリラ豪雨などで倒伏しにくいことも特長です。同品種は、全国でトンネルから露地マルチまで幅広い作型で栽培ができます。
このように同品種は、食味のよさと生産性・流通性を高い次元で両立させた今までにない画期的なスイートコーンです。そのことから、消費者や生産者、それに流通関係者の多方面の方が「しあわせ」になれるスイートコーンということで『しあわせコーン(R)』と命名しました。
試作は、静岡県や北海道などの産地で行いました。直売所での試験販売では即日完売となり、お客さまからは「とてもおいしかったのでまた買いたい」といったご要望もあるなど大きな反響をいただきました。
『しあわせコーン(R)』は、茹でる、蒸す、焼くといった定番の調理方法のほか、粒の食感がよいので、サラダやかき揚げなどにもおすすめです。
当社は『しあわせコーン(R)』を投入することで、大好評の「ゴールドラッシュ」「ゆめのコーン(R)」の各シリーズなどと合わせて、スイートコーン市場でのさらなる販売拡大を図っていく予定です。
※1:先端不稔:
コーン先端に稔実粒が入らない状態。先端不稔の幅が2cmを超えると青果物の品質ランクが下がり生産者の収益性も悪くなる。
※2:ブリックス値:
ブリックス(Brix)は、溶液中の固形分濃度を表す目盛名。ショ糖液100g中に含まれるショ糖のg数を目盛ったもの。ブリックス値は、一般的にショ糖溶液濃度(糖度)として認識される。
■スイートコーンのF1新品種『しあわせコーン(R)』の概要
<特徴>
(1)85日タイプの中早生で、黄色と白色のコントラストがきれいなバイカラー品種。
(2)従来品種と比べて糖度が高く、収穫後も糖度が長持ちする。
(3)粒が柔らかすぎず、ほどよい歯ごたえ。しなびにも強い。
(4)雌穂は長型、重さ400g前後、長さ30cm前後の2L、先端不稔が極めて少なく秀品率が高い。
(5)トンネルから露地マルチまで幅広い作型で栽培が可能。
<栽培のポイント>
(1)圃場準備・タネまき
堆厩肥や緑肥を加えて排水性・保水性・保肥性を兼ね備えた健全な畑を維持する。肥料は窒素、リン酸、カリそれぞれ10aあたり25kgを標準とする。目安としては1/2を元肥、残り1/2を追肥とするが、栽培期間を通して肥切れを起こさないようにする。10aあたり4,200株(株間27〜30cm×畝間80〜90cm)程度が目安。地温13℃を確保し、1穴に3粒まく。土壌水分量も発芽に影響するので適度な管理が必要。
(2)管理
本葉5枚目程度の時期に1本立ちにする。間引き後の生育をそろえると、管理や収穫が容易となり、秀品率も上がりやすくなる。追肥は間引きの時期と、雄穂が抽出する直前ごろの2回に分けて速効性の窒素肥料を施す。過度の乾燥時に灌水を行うと、生育が順調になり穂重の低下や先端不稔を軽減でき、収穫後の品質維持にも効果がある。
(3)収穫
適期収穫を心がける。絹糸抽出後23〜26日ごろが収穫時期になる。試しどりをして登熟状況を確認し、先端の粒が十分にふくらんで隣の粒との隙間がなくなり、先端の肩が張ってきたら適期。収穫遅れは食味と収穫後の店もちの低下を招くので注意する。品温の上がる前の朝どりや予冷・保冷は、品質維持に効果的。
<種子価格(希望小売価格・税別)>
2,000粒入り袋 5,150円 200粒入り袋 550円
※趣味園芸向け種子の販売は未定
<種子出荷時期>
2014年1月から全国の種苗店・JAを通じて出荷開始
<販売目標金額>
初年度(2014年1月〜12月の1年間)3,000万円、3年後の2016年度は1億円
<作型図>
*添付の関連資料を参照
<読者の方からのスイートコーン『しあわせコーン(R)』に関するお問い合わせ先>
株式会社 サカタのタネ 野菜統括部 電話045−945−8802