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NEC、防振機能付ヘリコプター用赤外線カメラ「AEROEYE III」を製品化
防振機能付ヘリコプター用赤外線カメラ「AEROEYE III」を製品化
〜第一号ユーザとして総務省消防庁に納入〜
製品画像:ヘリコプター用赤外線カメラ「AEROEYE III(エアロアイ スリー) IRV3300H」
※添付の関連資料を参照
NECはこのたび、独自の防振機能を採用し、振動の多い環境においても安定した映像を撮影できるヘリコプター用赤外線カメラ「AEROEYE III(エアロアイ スリー) IRV3300H」を製品化し、販売活動を開始しました。
また、新製品の第一号ユーザとして、総務省消防庁への納入を完了しました。今後、同庁が運用するヘリコプターに搭載され、消防・防災活動における捜索・探索・情報収集といったミッションに活用される予定です。
新製品は、小型軽量のヘリコプター用赤外線カメラ「AEROEYE」を中核に、独自に開発したジンバル機構(注1)ならびに、ジンバルを高精度に制御する防振機能を採用したものです。これにより、機体からの振動の影響を抑え、鮮明な赤外線映像を自由なアングルで撮影することが可能です。
また、撮影した映像をヘリコプターの機内モニタや、ヘリコプター・テレビ伝送システム(注2)に、リアルタイムに配信できます。
新製品の主な特長は以下の通りです。このたびの総務省消防庁での採用は、これらの特長が高く評価されたものと考えています。
1.独自のジンバル機構と高精度な防振機能を採用
独自開発のジンバル機構と、ジンバルを高精度に制御する防振機能を採用。これにより、一般的なヘリコプター用カメラで必要になる防振用アイソレーター(注3)などの防振対策機器が不要となり、機体へのシンプルな取り付けが可能。
2.当社製の高感度非冷却型赤外線センサを搭載
VGA相当(640×480ピクセル)の自社製非冷却型赤外線センサおよび、ヘリコプターへの搭載に適した独自の映像処理技術の採用により、鮮明な赤外線映像の撮影を実現。
3.2種類の赤外線レンズを切り替えることで、様々な用途で利用可能
運航支援用赤外線カメラとして、広視野角レンズを搭載。電線、鉄塔、レーダでは捕捉できない薄雲など運航の障害となるものを広範囲に映像化し、パイロットの視認性確保に貢献。
また、情報収集用として狭視野角レンズを備え、人や動物等の捜索、探索や、災害状況の情報収集などの用途にも利用可能。
さらに、オプションとして可視カメラの搭載にも対応。赤外線カメラと組み合わせることで、より幅広いミッションへの適用が可能。
警察、海上保安庁などの行政機関は、万一の事案に備えて各種ヘリコプターの即応体制を構築しています。赤外線カメラはこのような活動に欠かせない撮像装置としてヘリコプターに搭載され、海上、山岳、森林などでの人命救助や、災害時の早期情報収集活動に役立てられています。
NECは、新製品AEROEYE IIIと運航支援用赤外線カメラ AEROEYEを「航空機搭載用赤外線カメラ AEROEYEシリーズ」としてラインアップし、消防、警察、海上保安庁、報道機関などの各種ミッションや、一般ヘリコプターの運航支援用途などをターゲットに拡販することで、シリーズ全体で年間50台の販売を見込んでいます。
NECは、今後も非冷却赤外線技術をはじめとした先進的な技術を用いた製品を継続的に投入することで、国民の安心安全の実現に貢献してまいります。
以 上
(注1)ジンバル機構とは2軸以上の可動軸を持ち、カメラシステムなどを内蔵し高精度に視野方向を調整する機構部。
(注2)ヘリコプター・テレビ伝送システムとは、警察、消防、海上保安庁、報道等のヘリコプター搭載される映像伝送システム。可視/赤外線カメラおよび送信機で構成され、リアルタイムに撮影した現場映像をヘリコプターから地上に設置された受信局から本部に伝送し、情報収集や、捜索・探索活動に役立てる。
(注3)防振用アイソレーターとは、一般的なヘリコプター用カメラで安定した映像を得るために、機体の動揺をカメラに伝達させないためにカメラと機体との間に取り付けられる、振動吸収用の防振対策機器。
■本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC 誘導光電事業部 光波センサ技術部
電話:042−333−1150
Eメール:window@geo.fc.nec.co.jp