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中外製薬、抗悪性腫瘍剤「パージェタ 点滴静注420mg/14mL」を発売
抗悪性腫瘍剤「パージェタ(R)」の発売について
中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治](以下、中外製薬)は、「HER2陽性の手術不能又は再発乳癌」を効能・効果として2013年6月28日に製造販売承認を取得し、8月27日に薬価基準に収載された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体ペルツズマブ(遺伝子組換え)−販売名『パージェタ(R)点滴静注420mg/14mL』(以下、「パージェタ(R)」)について、本日より販売を開始したことをお知らせいたします。
「パージェタ(R)」は、世界でいち早く個別化医療に取り組んだF.ホフマン・ラ・ロシュ社[本社:スイスバーゼル市/CEO:セヴリン・シュヴァン]の乳がん治療薬トラスツズマブと同様、HER2を標的としたヒト化モノクローナル抗体です。HER2陽性乳がんの患者さんでは、がん細胞表面にHER2が過剰に発現し、増殖シグナルを細胞内に送っています。「パージェタ(R)」は、トラスツズマブの作用を補完すると考えられ、これら二つの薬剤はHER2レセプターの異なる部位を標的としています。「パージェタ(R)」は、ファーストインクラスのHER2二量体化阻害モノクローナル抗体です。「パージェタ(R)」とトラスツズマブの併用により、それぞれを単剤で投与するよりもHERシグナル伝達系をより広範囲に遮断します。HER2は、HER3などと二量体を作って増殖シグナルを送りますが、「パージェタ(R)」がHER2に結合するとHER3などとの二量体の形成ができなくなります。さらに、HER2と結合した「パージェタ(R)」やトラスツズマブは免疫細胞(マクロファージやNK細胞)を呼び寄せ、抗体依存性細胞傷害(antibody dependent cellular cytotoxicity:ADCC)活性によりがん細胞を攻撃し死滅させます。
日本において乳がんの新規罹患患者数は年々増加しており、2015から2019年の年間平均新規罹患患者数は約60,000人と推計(*)され、乳がん患者さんの約20%がHER2陽性と診断されています。
オンコロジー領域のトップ製薬企業である中外製薬は、「HER2陽性の手術不能又は再発乳癌」に対する新たな治療選択肢として「パージェタ(R)」が国内で発売されることにより、これまで以上に患者さんの治療に貢献できると確信するとともに、適正使用の推進を図ってまいります。
*祖父江友孝、他「がん・統計白書2012−データに基づくがん対策のために」(篠原出版新社)
以上
<添付文書情報>
販売名:パージェタ(R)点滴静注420mg/14mL
一般名:ペルツズマブ(遺伝子組換え)
効能・効果:HER2陽性の手術不能又は再発乳癌
用法・用量:トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には840mgを、2回目以降は420mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
承認日:2013年6月28日
薬価基準収載日:2013年8月27日
販売開始日:2013年9月12日
使用期限:2年
薬価:パージェタ(R)点滴静注420mg/14mL 231,866円/1バイアル
※「パージェタ(R)」はF.ホフマン・ラ・ロシュ社(スイス)の登録商標です。
○製品写真は添付の関連資料を参照