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東亜バルブ、中国のバルブメーカーに原子力発電分野の技術を供与
技術ライセンス契約締結に関するお知らせ
当社は本日、中国のHE ハルビン・パワー・プラント・バルブ社(以下、HVC 社)と、原子力発電所用バルブの製造に係る技術ライセンス契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
記
1.技術ライセンス契約の締結理由及び内容
HVC 社は、中国の三大電気集団のひとつであるハルビン電気集団公司の傘下にあって発電事業用バルブの主要メーカーです。当社は同社と平成22 年7 月に、火力発電所用の抽気逆止弁及び鍛造玉形弁の製造に係る技術ライセンス契約を締結しており、この度の原子力発電分野での技術協力により同社との一層の関係拡大を図るとともに、中国市場における今後の事業拡大を目指すものです。
2.契約の内容
当社はHVC 社に対し、加圧水型原子力発電所の二次系に使用される湿分分離加熱器逃し弁と原子力発電所用抽気逆止弁に関する技術情報を提供し、HVC 社がこれに基づき同バルブの製造・販売を行うことを許諾するもので、当社は、これらの対価としてHVC 社よりロイヤリティを受領します。
3.契約締結の相手先の概要
HE ハルビン・パワー・プラント・バルブ社の概要
社 名 :HE Harbin Power Plant Valve Company Limited
本 社 :中華人民共和国ハルビン市開発区ハンスイロードNO.33
社 長 :MR. ZOU SHIHAO
資本金 :80 百万人民元(約12 億日本円)
売上高 :(2012 年)365 百万人民元(約55 億日本円)
従業員数:450 名
設 立 :1997 年12 月16 日
事業内容:発電用バルブの設計、製造、販売
生産拠点:中国ハルビン市
4.日程
契約の調印日:平成25年4月18日(締結済)
5.今後の見通し
業績に与える影響は軽微であると考えております。
以上
(ご参考)
湿分分離加熱器逃し弁(呼び径600mm クラス300LB)
湿分分離加熱器逃し弁は湿分分離加熱器(高圧タービン内で膨張した蒸気を低圧タービンに送る際に再加熱する装置)に設置される圧力逃し弁です。蒸気タービンの不具合により、湿分分離加熱器内の蒸気圧力が設計圧力以上となったときに作動し、関連設備の損傷を防止します。
当社製の湿分分離加熱器逃し弁は、加圧水型原子炉を採用する日本国内の多くの原子力発電所でご採用いただいており、その独自構造による高い動作信頼性により、お客様から高評価をいただいております。
抽気逆止弁(呼び径450〜850mm クラス150〜300LB)
抽気逆止弁は、発電所のタービンの余剰蒸気を抽出し、給水加熱に再利用するための抽気ラインに取り付けられる逆止弁(逆流しない構造のバルブ)です。本弁は、タービン運転停止時に、抽気ラインからタービン側に蒸気が逆流することによるタービン破壊事故を防止するために設置されることから、急速閉弁機構と高い動作信頼性が求められます。
当社製の抽気逆止弁は、過去30 年以上に亘り1,000 台以上の製作実績を有し、国内の火力・原子力発電所はもとより、海外の発電プラントにおいても広くご採用いただいております。