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新日鉄住金、直江津製造所の新型溶解炉(EB炉)が稼働開始
直江津製造所の新型溶解炉(EB炉)の稼働について
新日鐵住金株式会社(代表取締役会長兼CEO 宗岡 正二 以下「当社」)は、直江津製造所に新設した新型電子ビーム式溶解炉(EB炉)(*1)の稼働を開始しました。これまでVAR炉(真空アーク式溶解炉(*2))では、構造上、溶解が困難だったチタンスクラップも利用対象とすることが可能で、先端的な金属であるチタンのリサイクルによる有効活用を図るとともに、チタン製造の競争力向上に寄与します。
EB炉は電子ビームの照射による熱でチタンスクラップやスポンジチタンなどの原料を溶かします。原理上は原料の成分やサイズに制約はないものの、実際には成分をコントロールすることが難しいため、従来型のEB炉では或る程度以上の大きさのスクラップは使用できませんでした。
当社が導入した新型EB炉では、原料の成分やサイズに関わらず製造するチタンインゴットの成分が均一になる独自の技術を開発し、その上で原料供給装置の形状を工夫し、スクラップ利用におけるサイズ、形状の制約を解消しました。これには当社が製鉄分野で長年蓄積した溶解、精錬、凝固に関する技術と経験、特に数値シミュレーションによる熱流体解析技術が活用されています。
※参考画像は、添付の関連資料を参照
<新設炉の概要>
(1)投資額:約20億円
(2)場所:当社直江津製造所構内(新潟県上越市)
(3)設置・稼働開始:2012年9月
新型EB炉によりチタンスクラップのリサイクル率の大幅改善が実現することから、本設備の新設は経済産業省の平成22年度希少金属利用産業等高度化推進費補助金交付対象に採択され、そのご支援を頂いています。
注)
*1 EB炉:Electron Beam Refining Furnace
*2 VAR炉:Vacuum Arc Remelting Furnace
以 上