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サッポロ、微量アルコールを簡易に検出する手法を開発
アルコール0.00%簡易測定法の確立
〔アルコール0.00%の簡易測定法〕
※画像は添付の関連資料「添付画像」を参照
サッポロビール(株)は、既存測定法と比較して簡易に微量アルコールを検出する手法を開発し、この成果を3月26日に日本農芸化学会2013年度大会において発表します。
現在、飲料中の0.00%以下のアルコールを測定するには、市販の測定キットを利用した方法やガスクロマトグラフ質量分析装置で測定するなどの方法があります。しかし、これらの方法は分析装置を必要とするため、測定場所が限定され、迅速な検査が困難でした。
そこで、今回分析装置ではなく試薬を用いた視覚的なアプローチによって、安価で簡易かつ迅速にアルコール0.00%以下を目視で検出する方法を開発しました。今後、この測定方法について、様々な成分を含んだノンアルコール飲料で有効性を確認し、伸長するノンアルコール飲料市場の中で、商品開発のスピード向上や工場での検査コスト削減を目指します。
1.検査方法
アルコール濃度が分かっている対照試料とともに検査試料に数種の試薬を順次添加し、最終的な発色を目視で比較することで、検査試料のアルコール濃度が対照試料よりも高いか低いかを判断する(参考)。
2.特長:
(1)測定装置が不要なため、どこでも検査が可能
(2)試料調製および測定操作が簡易
(3)コストが低く、経済的な測定法
(4)測定時間が短い(10分程度)
3.原理
試料にアルコールが存在する場合、数種の試薬を添加することにより、最終的にニトロテトラゾリウムブルー(NTB)から青紫色を呈するジホルマザンを生成する性質を利用して、アルコールの有無を視覚的に確認する(参考)。
(1)酵素反応(アルコールの酸化)
試料にアルコール脱水素酵素とこの反応に必要なニコチンアミドアデニンヌクレオチド(NAD+)を添加する。アルコールは酸化されアセトアルデヒドになり、NAD+は還元されてNADHになる。
(2)発色反応(NTBの還元)
反応液にフェナジンメトサルフェート(PMS)とニトラテトラゾリウムブルー(NTB)を添加する。NADHによりNTBは還元されてジホルマザンになる。この反応により、青紫色を呈する。
以上