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富士経済、「健康志向食品」と「機能志向食品」の国内市場調査結果を発表

2013-03-21

初のコーラ飲料特保食品がヒットした
2012年の健康美容(H・B)食品の国内市場を総括

―2012年の話題―
●H・B食品市場は前年比4%増、06年以降停滞から成長に転じ05年水準超…特保食品がヒット



 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界(03−3664−5811)は、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトの食品(以下、H・B食品)の市場を毎年調査しており、その結果を「健康志向食品(明らか食品及びドリンク類)」と「機能志向食品(健康食品及びシリーズサプリメント(※1))」に分けて報告書にまとめて発表して来た。
 そして12年12月〜13年2月にかけて、H・B食品の12年見込みと13年予測市場を中心に分析した結果を報告書「H・Bフーズマーケティング便覧 2013 No.3−総括編−」にまとめた。
  ※1:ビタミン・ミネラル類などの各種アイテムを取り揃えたシリーズ展開の健康食品
 この報告書では、20訴求効能分野、7コンセプト、5販売チャネルの各市場の分析に加え、注目成分(コラーゲン、グルコサミン、プラセンタ)、特定保健用食品、シリーズサプリメントを展開する企業の動向、主要・注目企業17社の動向、さらに宣伝広告活動・消費者キャンペーン展開なども解説してH・B食品市場を俯瞰し、総括した。


<調査結果の概要>

 *表資料1は添付の関連資料を参照


 12年のH・B食品市場は、前年比4.1%増の1兆8,760億円へと拡大が見込まれる。明らか食品やドリンク類である、特定保健用食品のコーラ飲料のヒットや、ヨーグルトのマスメディアによる機能性の再評価によるブームの再生がH・B食品市場全体の実績を05年以上へと好調に伸した要因と見込まれる。

1.特定保健用食品市場

 *表資料2は添付の関連資料を参照

 08年以降、市場縮小が続いていたが、12年はコーラ飲料初の特定保健用食品である「キリンメッツコーラ」(キリンビバレッジ)がヒットして、特定保健用食品のみならず、H・B食品全体の市場拡大にも貢献する需要を生み出した。同年ヒットのはコーラ飲料初の特定保健用食品である。メタボ対策の必要性が高い40才以上の年代に限定せず、30代男女のユーザー層も開拓している。食事の際の脂肪吸収抑制という表示や訴求内容から、メタボ対策の必要性のない層やダイエット利用まで幅広い層を獲得したことが要因となった。
 生活習慣病予防の炭酸飲料のヒットに見られるように、好きなものを食べても脂肪が蓄積しないことを狙うダイエットニーズが高まっており、特保商品にも追い風になっている。また、12年11月発売のコーラ飲料「ペプシスペシャル」(サントリー食品インターナショナル)が大規模な販促活動を展開しており、13年もコーラ飲料を始めドリンク類が市場拡大のカギとなると予測する。

2.チャネル別市場

         2012年見込  前年比     2013年予測  前年比
 通信販売  4,345億円   103.3%   4,440億円  102.2%
 量販店   4,067億円   106.7%   4,144億円  101.9%
 CVS     2,540億円   109.9%   2,606億円  102.6%

 好調に推移して来た通信販売は、競合が激化して集客力やリピート率が低下しており、12年、市場は拡大したものの伸び幅は前年比3.3%と縮小したと見込まれる。これに対して、特定保健用食品のヒット、最大市場の整腸効果分野の高成長(同7.0%)、抗インフルエンザ商品の急成長などにより主力チャネルである量販店が同6.7%増、CVSが同9.9%増と高い伸びとなっている。
 量販店では、ヨーグルトや特定保健用食品のヒットがプラス要因となっている。今後はヨーグルトのリピート需要をさらに拡大するためには大型量販店に定着させることがポイントのひとつとなっている。また、CVSは大震災以来、その存在が社会インフラとして再認識されており、H・B食品チャネルとしての位置づけも一層高まると考える。今後は、CVSでH・B食品のPB化が進む可能性もあり、その種の機能性食品の広がりが期待される。


<注目コンセプト・訴求効能市場>

●免疫賦活作用市場―抗インフルエンザ食品市場創出―
              2012年見込  前年比     2013年予測  前年比
 免疫賦活作用市場  343億円    119.1%   365億円    106.4%

 12年の乳酸菌がインフルエンザ対策に有効であるとした報道が「明治ヨーグルトR−1」(明治)を中心とする抗インフルエンザ食品市場を創出した。12年1月のNHKの情報番組で、ヨーグルトの機能性について取り上げ、他のマスメディアもさらに報道し、その作用について認知が一気に高まり、店舗で品切れを起こすほどのヒットとなった。これまで、抗インフルエンザや抗アレルギー作用の効能を伝えることが難しく、予防食品に対する潜在需要は大きいが、需要に結びつけることが難しかった。13年も引き続き高い伸びが続くと予測される。

アンチエイジング
          2012年見込  前年比     2013年予測  前年比
 全体       6,130億円  105.9%   6,329億円  103.2%
 グルコサミン  586億円    109.1%   625億円    106.7%
 DHA・EPA    245億円    103.8%   261億円    106.5%

 市場は生活習慣病予防/骨・関節サポート/美肌効果/肝機能改善など訴求内容も多岐に亘り、H・B食品全市場の30%強を占めている。12年は生活習慣病予防で特定保健用食品のヒット商品が登場し、骨・関節サポートも続伸し、全体でも好実績が続いたと見込まれる。
 グルコサミンは関節痛対策を訴求し、TVCMならびにインフォマーシャルを行う「グルコサミン&コンドロイチン」(サントリーウエルネス)、「グルコサミン+コンドロイチン」(世田谷自然食品)などの好調やその他企業の販売強化も加わっている。12年も実績伸長が続いたと見込まれる。
 DHA・EPAは「DHA&EPA+セサミンE」(サントリーウエルネス)が、中核商品として積極的なインフォマーシャルを展開して好調が続いた。市場は12年も実績伸長が見込まれる。
 13年は、中高年人口の増加に伴う需要拡大が期待されるが、景況感の悪化や社会保障制度の変更、消費税アップなどによって買い控えが起こる可能性がある。市場を活性化するには、新たな利用シーンの提案や、体感効果を得やすい商品の登場が必要である。生活習慣病予防訴求の特定保健用食品は分かり易く受容性が高い。12年の市場拡大の要因となった特保コーラ飲料やその他ドリンク類が更にどこまで需要の裾野を広げて定着していけるかが13年の注目点である。

●美肌効果
      2012年見込  前年比    2013年予測   前年比
 全体  1,184億円  103.4%  1, 200億円  101.4%

 美肌効果は大幅拡大を遂げてきた市場であり、12年のH・B食品市場において、伸長率、平均成長率ともに1位である。12年は市場を牽引してきたコラーゲンで需要一巡による停滞が続いているが、プラセンタが牽引し市場拡大が続いている。
 健康志向食品では、小瓶タイプのドリンク類が主体となっている。12年はプラセンタ配合の小瓶ドリンクが好調に推移したものの、コラーゲンで苦戦する商品も多く、僅かに前年実績を割り込む見込みである。また明らか食品ではプラセンタ配合ゼリーなどゼリータイプの新商品が相次いで投入され市場拡大に寄与している。機能性志向食品ではコラーゲンの主力商品である「アミノコラーゲン」(明治)の好調な推移に加え、「プラセンタつぶ5000」(協和)や「プラセンタ100」(R&Y)などプラセンタ商品が大幅拡大を遂げており、12年の同市場の拡大に大きく寄与している。
 13年の市場はコラーゲンの停滞が見込まれ、ヒアルロン酸ではゼリータイプの新商品投入が見られるが、関節痛対策/美肌効果訴求の健康食品の実績縮小が続いており、微減推移が続く見通しである。一方、プラセンタはコラーゲンに代わる成分として注目が高まっており、ドリンクやゼリー、錠剤など剤型に関わらず高い伸び率での推移が続く見通しである。


*H・Bフーズの定義
 H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、及び、期待されるイメージをもつ食品。また、法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象としない。

*H・Bフーズの分類
 全体を健康志向食品と機能志向食品の2分野に分けた。健康志向食品は機能よりも味覚を重視した、一般加工食品との競合が予想される商品。機能志向食品は味覚より機能を重視した、一般用医薬品との競合が予想される商品。
さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。

(1)健康志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧2013 No.1」に掲載)
 ●明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象とした。
 ●ドリンク類:明らか食品のうち飲料分野に属するものは、(医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために)本調査では「ドリンク類」と呼称する。

(2)機能志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧2013 No.2」に掲載)
 ●健康食品:(財)日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に加え、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも対象とした。
 ●シリーズサプリメント:健康食品のうちビタミン・ミネラル類などの各種アイテムを取り揃えた健康食品(剤型は医薬品形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称した。


<調査対象>
1.対象市場
 注目成分市場:コラーゲン、グルコサミン、プラセンタ
 コンセプト別市場:ビタミン、複合栄養型、美容、アンチエイジング、メタボリック関連、伝統食材、関節対応
 チャネル別市場:通信販売、訪問販売、薬局・薬店、量販店、CVS
 訴求効能別市場:滋養強壮、肝機能改善、美肌効果、整腸効果、ダイエット、生活習慣病予防、免疫賦活作用、血行促進、栄養バランス、骨・関節サポート、覚醒効果、貧血予防・改善、喉の不快感除去、虫歯予防、エチケット、アイケア、マルチバランス、ホルモンバランス、リラックス、グリーンチャージ

2.主要・注目企業事例分析 17社


<調査方法>
 富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査を主体に各種公的データを補足


<調査期間>2012年12月〜2013年2月


以上


 資料タイトル:「H・Bフーズマーケティング便覧 2013 No.3−総括編−」
 体裁:A4判 276頁
 価格:書籍版 100,000円(税込み105,000円)
     書籍・PDF/データ版セット 120,000円(税込み126,000円)
     全巻書籍・PDF/データ版セット 330,000円(税込み346,500円)
      (全巻:健康志向食品編、機能志向食品編、総括編の3巻)

 調査・編集:富士経済 東京マーケティング本部 第一統括部 第二部
        TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
 発行所:株式会社 富士経済
      〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
      TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165 e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
      この情報はホームページでもご覧いただけます。
      URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/

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