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NTTデータ、コミュニティクラウドによる信用金庫向け融資統合システムの本格提供を開始
コミュニティクラウドによる信用金庫向け融資統合システムの本格提供開始
〜NTTデータのクラウドサービス「BizXaaS(R)」を活用〜
株式会社NTTデータは、従来、各信用金庫に個別に構築・設置していた「自己査定システム」「不動産担保評価システム」などを共同センターに集約設置するコミュニティクラウド形態の融資統合システムを、しんきん共同システム運営機構様より受注・開発し、2010年9月よりパイロット提供を開始、2010年10月より本格的に提供を開始します。
従来、融資業務で使用する情報システムは、各信用金庫が独自に構築・運用してきましたが、本システムは、現在244の信用金庫が利用する勘定系共同利用センターである「しんきん共同システム」のサブシステムとして提供します。これにより、勘定系システムとの連携強化による事務効率の向上、共同利用によるシステムコスト削減を実現します。機能面においても、戦略業務に位置づけられる融資業務において十分な成果を発揮できる機能を搭載しています。
本システムは、「自己査定」「信用格付」「不動産担保評価」「財務管理」などで構成されており、「不動産担保評価」においては、NTTデータが提供するクラウドサービス「BizXaaS(R) プラットフォームサービス」のアプリケーションメニューの1つであるSaaS型サービス提供プラットフォーム「MaDoRE(R)」を活用しています。「MaDoRE」が提供する住宅地図や地価情報などの位置情報コンテンツと業務アプリケーションを連携させ、高度な「不動産担保評価」機能を提供するとともに、コスト削減にも寄与します。
今後、2010年度末までに約100金庫、2011年度末までに約180金庫への導入を目指します。
【背景と課題】
金融機関が業務を遂行していく上で晒されるリスク(信用リスク)は、近年ますます複雑になってきています。こうした中で、重要課題と認識されている信用リスクの管理を如何にして高度化していくかを、当局から求められています。さらに、半期決算・半期開示の制度化の方向性から、信用金庫様から随時格付・査定の実現も求められています。
また、「自己査定」や「不動産担保評価」といった融資系サブシステムは、個々の信用金庫が大きなシステム費用をかけて個別に構築していることや、各サブシステムが個々に独立したシステムとして構成されているため、各サブシステム間のデータ連携やそれに掛かる事務負担が大きいことが課題となっていました。
このような背景をふまえ課題を解決するために、融資系サブシステムの統合の必要性があると考え、共同利用型の融資統合システムを開発することとなりました。
共同センターに新たなシステム基盤を設置し、同基盤上で融資系サブシステムを統合し搭載することにより、有機的なシステム連携を実現します。
【融資統合システムの特長】
(1)統合システムとして提供することでシステム間連携を可能とし、融資関連業務の最適化、各種データの一元管理、随時格付・査定などを実現し、事務負担を軽減します。
(2)新規機能(信用格付、不動産担保評価)の利用が可能となります。
特に不動産担保評価システムは弊社サービス「MaDoRE」との連携により、ゼンリンの地図情報(他の電子メーカー製の住宅地図には無い「一軒一軒の表札」および「家型枠」という特長をもった住宅地図情報)を低料金で利用することが可能となります。
(3)システム基盤を共同利用型とすることで大幅なコストダウンを図るとともに、各信用金庫に設置する機器は、最小構成での提供とし初期費用も抑制します。
※参考図は、添付の関連資料を参照
【「MaDoRE(マドア)」について】
「MaDoRE」は、多彩な業務アプリケーションと各種コンテンツの中から必要なものを選択し、これらをワンストップで利用できるSaaS型サービスです。
社内システムとの連携も可能な業務アプリケーションとデータセンター側でメンテナンスされる最新コンテンツを自由に組み合わせることで、見込み客の開拓や顧客フォローの強化など、お客さまの収益向上と業務効率化を強力にサポートします。
2003年よりサービスを開始し、現在、金融・不動産・自治体・流通など様々な業種で100団体以上のお客さまに利用いただいています。
「MaDoRE」は、NTTデータが提供するクラウドサービス「BizXaaSプラットフォームサービス」のアプリケーションメニューの一つです。「BizXaaSプラットフォームサービス」は、共同利用型サービスでありながらお客様個別のカスタマイズを実現するバーチャルプライベートクラウドを提供します。
企業内全部門の業務をカバーする豊富なアプリケーションは、大部分がソースの提供も可能であることから、短期間かつ低コストのシステム構築を支援します。
「BizXaaSプラットフォームサービス」でアプリケーション基盤の統合化を図ることで、グループ企業全体でのIT最適化、内部統制対応強化が可能となります。
なお、今回提供を開始する信用金庫向け型融資統合システムは、NTTデータのパブリック&フィナンシャルカンパニーとソリューション&テクノロジーカンパニーの連携により提供します。
<BizXaaSプラットフォームサービス概念図>
※添付の関連資料を参照
【今後について】
2010年9月からパイロット提供を開始しており、2010年度末までに約100金庫、2011年度末までに約180金庫への導入を目指します。
融資統合システムの機能については今後、機能追加STEP2として「各種リスク(市場リスク、信用リスク)管理」機能の提供とそれによる「財務管理、金融庁・日銀報告」機能の強化を、機能追加STEP3として「融資稟議」機能の提供を2011年度内に予定しており、更なる融資関連業務の高度化・効率化を実現いたします。
また、MaDoREの機能については今後、窓口、外商業務で活用できる営業支援システムの導入、不動産登記申請受付情報、都市計画、固定資産税評価額など各種業務の高度化・効率化を実現するコンテンツの追加導入を目指します。
*「BizXaaS」は株式会社NTTデータの登録商標です。
*「MaDoRE」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。