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富士経済、注目メカトロニクスパーツ28品目市場の調査結果を発表

2013-02-02

注目メカトロニクスパーツ28品目の市場を調査

−2015年市場予測(2011年比)−
メカトロニクスパーツ28品目:1兆5,182億円(12.8%増)
 2012年は落ち込むものの、2013年以降は各国の設備投資回復、旺盛な新興国需要を背景に成長


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、主にFA(ファクトリーオートメーション)の制御を掌るメカトロニクスの構成部品、機器・装置(パーツ)の市場を調査した。その結果を報告書「2012年 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」にまとめた。
 メカトロニクス(Mechatronics)とは、機械工学(Mechanics)と電子工学(Electronics)を合わせた和製英語である。機械制御に電子技術を応用することで、制御の高性能化や多機能化、自動化を実現するものである。
 この調査では、プログラマブルコントローラなどコンピュータ&コントローラ領域(9品目)、ACサーボモータ・ドライバなどモータ&メカ領域(7品目)、光電センサなどセンサ領域(6品目)、コンタクタなど受配電機器領域(4品目)、SCADAソフトウェアとソフトウェアPLCのソフトウェア領域(2品目)、合計5領域28品目のメカトロニクスパーツ市場について、現状を分析し今後の展開を予測した。
 加えて、30回目の改訂となる今回は、中国市場における注目9品目の市場を調査するとともに、日系及び海外装置メーカーなどの業績動向比較について分析調査を行った。
 なお、市場規模は、日系メーカーと外資系メーカーの国内販売額(=国内市場)及び日系メーカーの海外販売額としている(ソフトウェア領域は国内市場のみを対象とした)。


<調査結果の概要>

メカトロニクスパーツ市場(国内市場+日系メーカー海外販売額)■

 ※表資料は添付の関連資料「表資料1」を参照


 2011年3月の東日本大震災以降、制御機器に関する供給不足への懸念が過熱し、同年4月から5月にかけて先買い傾向が強まり、結果として一時的な特需に繋がった。しかし、2011年後半からは中国の金融引き締め策の影響や欧州金融不安の影響から、各国製造現場における設備投資需要が低迷、さらに先買いした在庫の消化が進まず大きなブレーキがかかることとなった。前半の上積みによりメカトロニクスパーツ市場は前年比5.9%増の1兆3,454億円となったものの、後半の失速により低迷感が漂う結果となった。
 2012年はエレクトロニクス関連装置や各種生産設備の市場が軒並み低調に推移した。春先にかけて回復基調にあると見られていた中国市場も、欧州金融不安の再燃とそれに伴う欧米向け輸出の低調が影響し、夏場を目前に再び下降線をたどった。年末に向けて最悪期を脱した感はあるものの、メーカーによって好不調の差が大きく、市場は前年比5.8%減の1兆2,673億円が見込まれる。
 2013年以降は、国内における消費税アップに伴う住宅・自動車などの耐久消費財に対する駆け込み需要、復興需要におけるインフラ関連への継続的投資への期待、海外における中国・アジア市場の設備投資の回復、ブラジル・インドをはじめとした新興国市場での販売増加を背景とし、2015年の市場は11年比12.8%増の1兆5,182億円になると予測される。
 日系メーカーの海外販売比率は4割を超え年々海外依存度が上昇する傾向にあるが、台湾・韓国メーカーに加え中国メーカーの台頭や欧米メーカーとの競争激化が想定され予断を許さない状況である。


<注目市場>
1.プログラマブルコントローラ【コンピュータ&コントローラ領域】

 2012年見込  11年比   2015年予測  11年比
 1,550億円  92.6%  1,800億円  107.5%

 プログラマブルコントローラはリレー回路の代替装置として開発された制御装置であり、主に工場などの自動機械の制御に使われる。
 2011年はスマートフォン、タブレットPCに関連して半導体製造装置が前年に引き続き好調、また中国をはじめとしたアジア地域での需要が堅調であった。後半は失速したものの通期で市場は拡大し1,674億円となった。2012年は中国、韓国、台湾などでの設備投資計画が停滞したことで市場は縮小、前年比7.4%減の1,550億円が見込まれる。
 2013年は2012年末の中国や韓国のトップ交代を契機に設備投資も活性化すると見られ、大幅な需要回復が期待される。また、自動車関連分野における、ブラジル、メキシコなどの新興国での堅調な設備投資や国内工場の更新需要が追い風となり、2015年には1,800億円の市場が予測される。


2.ACサーボモータ【モータ&メカ領域】

 2012年見込  11年比   2015年予測  11年比
 1,205億円  87.2%  1,423億円  103.0%

 サーボモータは、サーボ機構において位置、速度等の制御用途で使用するモータでACタイプとDCタイプに分かれるが、ここではACタイプのみを対象とする。
 2011年前半までは東日本大震災後の復興需要や中国・アジア地域向けの需要に牽引され市場は順調に拡大していた。ところが、後半以降中国の金融引き締め策による経済成長の鈍化や、半導体・液晶関連市況の悪化に伴い市場は伸び悩んでいる。特に日系メーカーにおいては台湾・韓国の液晶パネルメーカーの設備投資需要の減少の影響を強く受けており、2012年は前年比12.8%減の1,205億円が見込まれる。
 しかし、2013年半ば以降は各国の景気刺激対策が期待されるとともに、液晶製造装置設備への再投資や新型液晶への入替需要、また食品・包装機械向けなど有力アプリケーションへの対応などにより、緩やかな市場拡大が予測され、2015年には1,423億円の市場に成長すると予測される。


3.光電センサ【センサ領域】

 2012年見込  11年比   2015年予測  11年比
 542億円    83.3%  667億円    102.5%

 光電センサは、半導体開閉素子を備えLED、レーザーなど可視・不可視光線の反射や輻射、遮光により物体の存在を検出する非接触センサで、検出範囲内の物体を検知し機器・装置などのコントロールを行う。
 2010年に半導体・液晶関連需要の回復やスマートフォン・タブレット端末等の電子部品関連の新規需要が牽引し高成長をみせたものの、2011年は半導体・液晶関連の需要低迷が大きく影響し前年割れとなった。
 2012年も2011年後半からの欧州・中国市場の市況悪化の継続が響き、前年比16.7%減の542億円が見込まれる。2013年は半導体・液晶製造装置関連の需要回復が期待される。
 国内市場の縮小が進む中、今後は海外市場が需要の中心となる見通しである。参入メーカーでは引き続き欧州、中国、北米エリアへの注力度が高いものの、東南アジアやブラジル等の新興国市場における現地ローカルメーカー向け製品を展開し需要の獲得を図る方向である。


4.SCADAソフトウェア【ソフトウェア領域】

 2012年見込  11年比    2015年予測  11年比
 42億円     110.5%  45億円     118.4%

 SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)は、産業用制御システムの一種で、コンピュータによるシステム監視とプロセス制御を行うソフトウェアである。
 需要としては国内ユーザーには行き渡った感があり、近年中心となっているFA分野・PA(プロセスオートメーション)分野の更新需要だけでは大幅な市場拡大は期待できない状況となっている。
 参入メーカーは、FA分野、PA分野における中小規模ユーザーの潜在需要開拓、BA(ビルディングオートメーション)分野やインフラ分野などでの新規需要開拓にも注力しており、今後特定アプリケーション向け製品開発が進められると考えられ、2015年には45億円の市場に成長すると予測される。


<中国市場総括・分析>

 2012年見込  11年比    2015年予測  11年比
 368億元    105.7%  515億元    148.0%

 中国市場は「プログラマブルコントローラ」「FA用パソコン」「プログラマブル表示器」「汎用インバータ」「温度調節計」「ACサーボモータ」「近接センサ」「光電センサ」「ロータリエンコーダ」の9品目を対象とする。
 生産品目の高度化や人件費抑制のための自動化設備導入などモノづくりに変化が出てきていることにより、製品毎の市場トレンドにも差異が出始めてきている。また、2011年夏ごろから金融引き締めが厳しくなったことで、需要が大きく落ち込んだ。2012年に入り幾分改善が見受けられたものの、欧米市場向け輸出が減速するなかで、国内生産活動も一時の勢いは影を潜めており、上記9品目の合計市場は前年比5.7%増の368億元に留まると見込まれる。しかしながら、2013年以降は巨大な内需に支えられ再び二桁成長を維持し2015年には515億元の市場が予測される。
 特にプログラマブルコントローラ、FA用パソコン、汎用インバータの市場拡大が期待される。


<調査対象>

 ※表資料は添付の関連資料「表資料2」を参照


<調査方法>
 富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業、関連団体などへのヒアリング調査


<調査期間>
 2012年8月〜11月


以上


 資料タイトル:「2012年 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」
 体裁:A4判 286頁
 価格:書籍版 130,000円(税込み136,500円)
    PDF版 130,000円(税込み136,500円)
    電子版セット価格 150,000円(税込み157,500円)
 調査・編集:富士経済 大阪マーケティング本部 第一事業部
       TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
 発行所:株式会社 富士経済
     〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
     TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165 e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
     この情報はホームページでもご覧いただけます。
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