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三菱マテリアル、ガリウムスクラップからのリサイクル回収技術を開発

2012-11-27

ガリウムスクラップからのリサイクル回収技術の開発について



 三菱マテリアル株式会社(取締役社長:矢尾 宏、資本金:1,194億円)は、ガリウム(Ga)スクラップからGaを低コストで環境負荷を少なくリサイクル回収する技術を開発いたしましたのでお知らせいたします。

 Gaは、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、ガリウムナイトライド(GaN)などの発光素子としてLEDディスプレイ、携帯電話、LED照明機器といった、ごく身近な製品に使用されており、特にLED照明機器は省エネルギー、環境負荷の観点から世界的政策として白熱電球の代替として積極的に普及が進められています。また、Gaは省資源化が期待されるCIGS(Cu−In−Ga−Se)太陽電池や高解像度、低電力、高輝度が期待される次世代液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタのIGZO(In−Ga−Zn−O)半導体の材料として使用されていますし、GaNに至ってはLED材料だけではなく電気自動車ハイブリッド自動車用の次世代パワーエレクトロニクス材料としても大きく期待されています。現在、世界のGa需要量は200T/年前後で推移していますが、今後Gaの需要は大幅に拡大することが予想されております。

 このように身近な製品に不可欠なGaは、主に亜鉛、アルミニウム精錬の副産物として得られるため、その供給量は亜鉛やアルミニウムの生産量に左右される非常に不安定な元素であり、また国内生産では必要量が賄えないため、レアメタルレアアース同様、海外からの輸入に頼らざるを得ない元素になります。このため、これまでもスクラップからのリサイクルが行なわれていた元素ではありますが、これまで以上に安定供給、省資源化、低コスト化そして環境負荷低減という観点からのリサイクルの促進が望まれております。

 今回三菱マテリアルが開発したリサイクル回収技術は、当社が長年培ってきた乾式・湿式製錬技術を駆使して開発したもので、製造工程から発生するGaスクラップを低コストで環境負荷を掛けずにGaを回収するリサイクル技術となります。一般にGaリサイクルは、Gaスクラップを薬液で全量溶解してから抽出・回収するため、Ga以外の金属も溶解させることになり、大量の薬液を使用します。このため、コストや環境負荷の点で問題がありました。今回当社が開発したリサイクル技術は、Gaスクラップを全量溶解せずスクラップ中に
 含有されるGaのみを抽出するため、使用する薬液量を大幅に削減することが可能となり、また、回収したGaを当社独自の技術で精製することで高純度(99.99%以上)に仕上げ、再度製造工程に供給することを可能にしました。
 Ga製造工程から発生するGaスクラップは年々増大しており、スクラップ発生量は2020年には国内で約10〜20T/月になるものと予想されております。当社では、低コストで環境負荷の少ないGaリサイクルを行うことで、今後もGaを安定的に供給し、Gaを使用する製品の市場成長に大きく貢献できるものと考えております。

 三菱マテリアルでは、今後上記製造工程で発生するGaスクラップ以外にも、発光・受光素子、太陽電池、液晶ディスプレイ等使用済み製品スクラップの増加も見込まれることからこれら製品スクラップからのGa回収についても開発を進めてまいります。


以上


※参考画像は、添付の関連資料を参照

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