Article Detail
リニアテクノロジー、スタック・バッテリ・システム向け高電圧バッテリ・モニタなど販売開始
リニアテクノロジー、新製品「LTC6804」を販売開始
絶縁型インタフェースを備え、0.04%の精度を保証するハイブリッド/電気自動車向けバッテリ・モニタ
リニアテクノロジー株式会社は、ハイブリッドを含む電気自動車など、高電圧のスタック・バッテリ・システム向けに高電圧バッテリ・モニタの新製品「LTC(R)6804」を販売開始しました。また、同時にLTC6804のコンパニオンチップであるisoSPI(TM)トランシーバ「LTC6820」も販売開始しました。LTC6804は、小型8mm×12mmの48ピンSSOPパッケージで供給され、1,000個時の参考単価は10.95ドル、量産開始は2013年1月を予定しています。LTC6820は16ピンQFNおよびMSOPパッケージで供給され、1,000個時の参考単価は2.29ドルとなっています。どちらも、リニアテクノロジー国内販売代理店各社経由で販売されます。サンプル及び評価ボードのご購入、製品データシートを含む両製品の詳細情報は、リニアテクノロジーのWebサイトをご参照ください。
LTC6804(http://www.linear-tech.co.jp./product/LTC6804)
LTC6820(http://www.linear-tech.co.jp./product/LTC6820)
LTC6804は、最大4.2Vで直列接続されたバッテリ・セルを最多12個まで、16ビット分解能と0.04%を超える高い精度で測定することができます。高精度の計測機器で使用される電圧リファレンスの構造を踏襲した、サブサーフェース・ツェナーの電圧リファレンスにより、この高い精度が、温度・動作条件の全範囲はもちろんのこと、年という単位の長期間にわたって維持されます。LTC6804を直列にスタックすれば、大型の高電圧システムで各バッテリ・セルの電圧を測定することができます。6つの動作モードがあり、計測の速度、分解能ならびに内蔵の3次ノイズ・フィルタのローパス応答を最適化することができます。最速モードでは、すべてのセルを290μ秒以内に測定できます。
リニアテクノロジー独自の2線isoSPI(TM)インタフェースにより、複数のLTC6804を長い距離にわたって接続し、同時に動作させることができます。すべてのLTC6804にisoSPIインタフェースが組み込まれているため、ツイストペアケーブル使うだけで最大1Mbpsでの高いRFノイズ耐性と最長100メートルのケーブル長を実現します。通信方法は2種類あり、LTC6804−1では、複数のデバイスをデイジーチェーン接続し、1本の接続ラインでホストプロセッサとすべてのデバイスを接続します。LTC6804−2ではホストプロセッサに対して複数のデバイスを並列接続し、各デバイスを個々にアドレス指定可能です。
LTC6804は、特にバッテリのリーク電流が非常に重要となる長期保存時に、消費電力を最小限に抑えるよう設計されています。スリープ・モードでは、LTC6804によるバッテリの消費電流は4μA未満です。汎用I/Oピンは、電流や温度などのアナログ信号のモニタに使用可能で、セル電圧の測定と同時にこれらの信号を捕捉できます。この他の機能として、LTC6804がスリープ・モードのときでも、最長2時間プログラム可能なバランス・タイマを使って各セルのバランシングを行うことができます。LTC6804は、温度センサ、ADC、DAC、EEPROMといった外部のI2Cデバイスとのインタフェースを行います。ローカルEEPROMはシリアル化データと較正データの保存に使用できるので、モジュラ・システムが可能になります。
LTC6804は車載や産業用アプリケーションの環境、信頼性、安全面での要求を充分満たすように設計されており、−40℃〜125℃で動作することが規定されています。また、ISO26262(ASIL)準拠システム向けに開発されており、フルセットの自己テストにより、潜在的なフォルト状態がないことを保証します。この規格を満たすため、LTC6804は冗長電圧リファレンス、広範なロジック・テスト回路、オープンワイヤ検出機能、ウォッチドッグ・タイマ、シリアル・インタフェースのパケット・エラー・チェックなどの機能を備えています。
リニアテクノロジーのデザインマネージャであるMike Kultgenは「LTC6804は、リニアテクノロジー社が30年間アナログ分野で培ってきた経験と技術、車両の実績を積むことで得た車載バッテリー・マネジメントの知識を、結集・融合した製品です。このデバイスは実験室でも道路上でもどちらの環境下でも優れた性能を発揮します」と述べています。
リニアテクノロジーは、LTC6804と同時にisoSPIトランシーバ「LTC6820」の販売を開始しました。LTC6820は、絶縁素子を通してさえも最長100メートルのシリアル・ペリフェラル・インタフェース・バス(SPI)の双方向伝送を可能にします。SPIデータはLTC6820によって差動信号にコード化されるため、ツイストペアケーブルを使用すれば、シンプルで安価なイーサネット・トランスを使っても信頼性の高いデータ伝送が可能です。LTC6820は、ソース電流とシンク電流を高いレベルでマッチングさせることにより、トランスのセンタータップが不要になるだけではなく、EMIを低減することにより、最大1MHzのSPIデータ・レートを可能にします。ドライブ電流とコンパレータしきい値は、要求されるケーブル長やS/N(信号対ノイズ)性能に応じて、2本の抵抗を使って最適に設定することができます。LTC6820は、isoSPIインタフェースを内蔵したLTC6804高電圧バッテリ・モニタのコンパニオンチップで、LTC6804を使用したバッテリ・マネージメント・システムは、LTC6820を介してマイクロコントローラなどの外付け部品とインタフェースが可能です。
■LTC6804とLTC6820の主な特長:
<LTC6804>
・直列接続された最多12個のバッテリ・セルを測定
・スタック可能なアーキテクチャにより、100個のセルをモニタ可能
・isoSPIインタフェースを内蔵
1MBの絶縁型シリアル通信
一本のツイストペアケーブルのみで最長100mまで通信可能
EMIの影響を受けにくく、且つEMI放射が非常に少ない
・全測定誤差:1.2mV(最大)
・システム内の全セルを290μsで測定
・電圧と電流の測定を同期化
・ノイズ・フィルタを内蔵したデルタシグマ・コンバータ
・ISO26262準拠システム向け設計
・プログラム可能なタイマを使ったセル・バランシング
・5つの汎用デジタルI/Oまたはアナログ入力
温度などのセンサ入力
I2C(※)インタフェース向けに構成可能
・スリープ・モード時の自己消費電流:4μA
・48ピンSSOPパッケージ
※「I2C」の正式表記は添付の関連資料を参照
<LTC6820>
・1Mbpsの絶縁型SPIデータ通信
・標準トランスを使ったシンプルな電気的絶縁
・1本のツイストペアケーブルを介した双方向インタフェース
・最長100mのケーブル長をサポート
・EMIの影響を受けにくく、且つEMI放射が非常に少ない
・ドライブ電流を設定することにより、ノイズ耐性と消費電力を最適化が可能
・ほとんどのシステムで、インタフェースのための大がかりなソフト変更は不要
・極めて少ないアイドル電流:2μA
・自動ウェイクアップ検出
・動作温度範囲:−40℃〜125℃
・電源電圧:2.7V〜5.5V
・1.7V〜5.5Vの全ロジックにインタフェース
・16ピンQFNおよびMSOPパッケージ
※製品画像は添付の関連資料を参照
「リニアテクノロジーについて」
S&P 500の一員であるリニアテクノロジーは、過去30年にわたり広範囲に渡る高性能アナログICの設計・製造及びマーケティング活動を行い、世界中の多くの企業に提供しています。リニアテクノロジーの半導体は、私たちのアナログ世界と「通信」、「ネットワーキング」、「産業」、「自動車」、「コンピュータ」、「医療」、「精密機器」、「民生」さらには「軍需航空宇宙」システムで幅広く使用されている、デジタル・エレクトロニクスとの架け橋の役目を担っています。リニアテクノロジーは、パワーマネジメント、データ変換、信号調整、RF、インタフェース、μModuleサブシステム及びワイヤレス・センサー・ネットワーク製品を設計・製造・販売しています。詳細は同社Webサイトをご参照ください。http://www.linear-tech.co.jp
LT,LTC,LTM,μModule及び会社ロゴはLinear Technology Corporationの登録商標です。isoSPIはLinear Technology Corporationの商標です。その他の登録商標・商標は、それぞれの所有者にその権利が帰属します。記載内容は予告なしに変更される場合があります。
・お問合せ先:
〒102−0094 東京都千代田区紀尾井町3−6 紀尾井町パークビル8F
リニアテクノロジー株式会社 TEL:03−5226−7291(代表)
http://www.linear-tech.co.jp
以上