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三菱マテリアル、広範囲の温度測定が可能なサーミスタ材料を開発

2012-11-03

広温度範囲測定用サーミスタ材料の開発について


三菱マテリアル株式会社(取締役社長:矢尾宏、資本金:1,194億円)は、広範囲にわたる温度測定を可能にしたサーミスタ材料を開発しましたので、お知らせいたします。

近年、新興国を中心に自動車の需要は拡大の一途を辿っており、とくにディーゼル車はトラックなどの産業用車両としてさまざまな用途に活用されています。現在ディーゼル車のエンジンは、環境規制の強化によりNOxの排出を抑制するクリーンディーゼルエンジンが主流となっており、このクリーンディーゼルエンジンなどに用いられているEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)システムは、排気ガスの一部を取り出し、吸気側へ循環させることによりNOxの低減および低燃費化を図っています。このためには最適な燃焼制御を行うために循環ガスの温度と流量を適切に検知することが必要であり、現状では燃焼ガスの温度により抵抗値が急激に変化することで温度測定を可能にするサーミスタが多くのエンジンに用いられています。一般にEGR用温度センサはマイナス40℃から250℃程度が測定範囲となりますが、今後は温度検出位置の多様化により、これまで以上に高温域での温度測定が要求されることが予想されます。

今回当社が開発しましたサーミスタ材料では、これまでのサーミスタより、小さい抵抗温度係数(低いB定数)を有するため、マイナス 40 ℃の低温域から最大500 ℃の高温域までの範囲を測定することが可能となります。これは、当社が持つサーミスタ材料技術を活用し、ペロブスカイト構造ABO3の添加元素の大小によって格子歪を緩和する効果と価数置換によるキャリア導入によって電気伝導性を制御した結果、従来よりも低いB定数2000K以下を達成したことによります。今後この広温度範囲測定用サーミスタ材料を起用することで、クリーンディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させることが可能となり、さらに、本サーミスタ材料は、省エネ、低燃費化により地球環境に貢献する材料として、自動車以外にも燃料電池などの高温用途への展開が期待できます。

三菱マテリアルでは、これからもさまざまな分野に活用できるサージアブソーバ、サーミスタセンサ、アンテナなどの製品開発を進めるとともに、エネルギー・情報エレクトロニクス分野の発展に貢献する電子部品の開発・製造・販売に努めてまいります。


 ※参考グラフは添付の関連資料を参照


*ペロブスカイト構造ABO3:CaTiO3(灰チタン石)の鉱物と同じ結晶構造で、ABO3の元素組成で表わされる金属酸化物の結晶構造。


以 上

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