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J.D.パワー、市販ナビの市場動向と顧客満足度調査結果を発表

2012-10-30

据え置き型ナビは低価格化が進み、ポータブル型ナビは市場が縮小
かつてない苦境に立つ市販ナビだが、市販ブランドならではの独創的、先進的な商品が顧客の心をつかむ

市販ナビの据え置き型はアルパイン ビッグX、PNDはパナソニック ゴリラが第1位



 東京:2012年10月25日 ― 自動車メーカー純正ナビ装着率の増加にともなう市販ナビ装着率の低下、PND市場の縮小、低価格帯ナビの台頭により、市販ナビ市場はいよいよ顧客の獲得と維持が困難な局面を迎えている。そのような環境の中、顧客の心をつかむには、市販ブランドならではの独創的、先進的な特徴を持った商品の投入がカギとなることが、2012年J.D.パワー アジア・パシフィック日本ナビゲーションシステム顧客満足度(Navigation Systems Customer Satisfaction Index)調査<市販ナビカテゴリー>により明らかになった。本調査は今年で6回目の実施となる。

 本調査は、市販ナビの市場動向と顧客満足度を掌握する目的で実施されている。2012年の市況としては、純正ナビの装着率がさらに増加し、市販ナビは新車購入者の5人に1人以下の装着にとどまった。市販ナビの中でも、ポータブルタイプのPNDの割合は一昨年の6割程度と縮小している。また、メモリーナビが、据え置き型の約半数を占めるまでに成長し、低価格化路線に歯止めがかかる様子はない。顧客満足度の観点でも、据え置き型HDDナビ、据え置き型メモリーナビ、PNDともに2011年より満足度が低下している。特に据え置き型メモリーナビ、PNDについてはロイヤルティも低下傾向にあり、このまま顧客離れが進めば、市場にとっていよいよ厳しい状況となる。

 そのような中、今回据え置き型ナビセグメントにおいて、顧客満足度第1位と第2位となったアルパイン ビッグXとパイオニア サイバーナビは、他のブランドに対しロイヤルティの面でも優位に立ち大きな存在感を示した。

 ビッグXはその圧倒的な画面サイズが、ミニバン保有の子育て世代を中心に受け入れられている。車内でのビデオ視聴率が高く、リアエンターテインメントシステムや外部カメラとのセット購入率が高い点に特徴がある。内装との調和性や外部機器との拡張性は、他メーカーナビや純正ナビから新規に顧客を獲得することにも寄与している。対してサイバーナビの利用者は、目的地検索/ルート案内といったナビゲーション機能の利用率や、車内における音楽の再生率が高い点に特徴がある。市場をリードするハイスペックナビとして、20−30代を中心とするこだわりのある顧客に受け入れられているといえる。

 J.D.パワー アジア・パシフィックのオートモーティブ部門エグゼクティブディレクターである木本卓は、『市販ナビの厳しい環境下では、他ブランドや純正ナビと差別化できない商品は、もはや生き残るのが難しい。現状、特定の機能を突き詰めた個性的なナビや、純正ナビが追随できないようなハイスペックナビが成功しており、今後も市販ブランドならではの独創的、先進的な機能を搭載した商品が顧客獲得のカギとなる。例えば、自然言語による音声認識機能は、高価格帯ナビの購入者からの興味度が高く、今後注目される機能の一つであろう』と述べている。

 本調査ではナビに関する総合的な評価を4つのファクターに基づいて算出している。それらは据え置き型セグメントにおいては、「サービスサポート(*)(10%)」、「ドライビングサポート(**)(35%)」、「カーライフサポート(***)(39%)」、「コスト(16%)」となっている(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。PNDセグメントにおいては、「サービスサポート(6%)」、「ドライビングサポート(45%)」、「カーライフサポート(26%)」、「コスト(23%)」となっている。これらのファクターにおける複数の詳細項目に対する評価を基に総合満足度(1,000点満点)を算出している。

 サービスサポート *:ナビのカタログやメーカーホームページ、または購入店舗から得られる各種情報の評価
 ドライビングサポート **:目的地検索やルート案内、地図情報などナビゲーションシステムの基本機能の評価
 カーライフサポート ***:音楽・映像再生機能、盗難や車両故障に対するサポート、PCや携帯電話との連携機能の評価

 据え置き型セグメントではアルパイン ビッグXが596ポイントで、第1位となった(セグメント平均:565ポイント)。アルパインブランドとしては、初のランキングトップとなる。ビッグXは総合満足度に影響を与えるファクターのうち、「サービスサポート」と「ドライビングサポート」ファクターにおいて同セグメントのトップ評価を得た。第2位はパイオニア サイバーナビ(594ポイント)で、「カーライフサポート」ファクターにおいてトップ評価を得た。第3位にはパナソニック ストラーダ Hシリーズ(571ポイント)が続いた。

 PNDセグメントではパナソニック ゴリラが562ポイントで、第1位となった(セグメント平均:544ポイント)。
 ゴリラは総合満足度に影響を与えるファクターのうち、「サービスサポート」「ドライビングサポート」「カーライフサポート」ファクターにおいて同セグメントのトップ評価を得た。第2位はパイオニア エアーナビ(549ポイント)、第3位にはソニー ナブ・ユー(543ポイント)が続いた。

 当調査は、市販ブランドのナビゲーションシステムに関する顧客満足度を総合的に分析するもので、検索・案内機能だけでなく、音楽・映像機能やテレマティクスサービスなど、車載情報機器としてのナビの評価を幅広く測定している。2010年4月から2012年3月に市販ナビを購入した利用者を対象に2012年7月にインターネット調査を実施し、据え置き型は2,513人から、PNDは1,000人から回答を得た。

 日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査は、J.D.パワー アジア・パシフィックが日本で実施している消費者を対象とした8つの自動車関連のベンチマーク調査の一つである。2012年に実施するその他の調査は以下のとおりである:
 ・自家用の乗用車(軽自動車を含む)のスタッドレスタイヤに対する評価を測定した2012年日本冬用タイヤ顧客満足度(W−TSI)調査を本年5月に発表した。
 ・自動車を新車で購入したユーザーを対象に、新車購入店の顧客満足度を測定した2012年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査を本年8月に発表した。
 ・自動車を新車で購入したユーザーを対象に、購入後2〜9ヶ月における車両の初期品質を調査した2012年日本自動車初期品質(Initial Quality Study、略称IQS)調査を本年8月に発表した。
 ・新車購入店でサービスを受けた際の顧客満足度を測定した2012年日本自動車サービス満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査を9月下旬に発表した。
 ・自動車を新車で購入後2〜9ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、自動車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定した、2012年日本自動車商品魅力度(Automotive Performance,Execution and Layout、略称APEAL)調査を本年9月下旬に発表した。
 ・新車に装着されたタイヤの満足度を測定した、2012年日本OEタイヤ顧客満足度(Original Equipment Tire Customer Satisfaction Index,OE−TSI)調査を本年10月に発表した。
 ・リプレイスタイヤを新品で購入した顧客の満足度を測定した、2012年日本リプレイスタイヤ顧客満足度調査を本年11月に発表する予定である。


*J.D.パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D.パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。


<株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックについて>
 当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始め通信、IT、金融、保険、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。尚、J.D.パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://japan.jdpower.comまで


<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
 ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、パフォーマンス改善、ソーシャル・メディア、顧客満足に関するインサイトとソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。


<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
 2011年9月12日にマグロウヒルは、国際的な金融市場に情報・分析サービスを提供する世界有数のビジネス情報サービス企業であるマグロウヒル・フィナンシャルと、世界規模でのデジタル教育サービスに特化した教育事業のマグロウヒル・エデュケーションの2社に分割すると発表した。マグロウヒル・フィナンシャルの主なブランドはスタンダード&プアーズ・レーティング・サービス、S&P Capital IQ、S&P Indices、プラッツ・エナジー・インフォメーション・サービス、J.D.パワー・アンド・アソシエイツである。

 世界40カ国に280カ所以上の拠点、約23,000人の従業員を有し、2011年の売上高は62億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトhttp://www.mcgraw-hill.comまで。



※以下の資料は添付の関連資料「添付資料」を参照
 ・ブランド別ランキング<市販据え置き型ナビセグメント>
 ・ブランド別ランキング<PNDセグメント>
 ・総合満足度スコアを構成するファクター


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