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トヨタ、新型EV「eQ」や新型HV21モデルの投入など今後の展開計画を公表

2012-09-27

トヨタ自動車、
環境技術開発の最新の取り組みと今後の展開計画を公表

−2015年末までに新型HVを21モデル投入。新型EV「eQ」を開発−



 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、燃費向上・エミッション低減に向けた「省エネルギー」、電気や水素をはじめとした代替エネルギーの利用促進による「燃料の多様化」を基本方針として環境技術開発を進めており、このほど、最新の開発状況と2015年までの展開計画を公表した。

 「省エネルギー」への取り組みでは、世界最高(*1)の最大熱効率を追求した新開発ガソリンエンジン、高性能クリーンディーゼルエンジンや高効率トランスミッションの開発状況を公開した。また、ハイブリッド車(HV)については、今後、2015年末まで約3年間の新型車投入モデル数を公表した。

 「燃料多様化」への取り組みでは、電気自動車(EV)で世界最高(*1)の電費(*2)を実現した新型車を公開した。
 水素を利用し、電気エネルギーに変換して走行する燃料電池自動車(FCV)は、世界最高(*1)の出力密度を達成した最新のトヨタFCスタック(燃料電池セル)を公開するとともに、日野自動車株式会社(以下、日野)と共同で開発を進めている新型燃料電池バス(FCバス)の投入計画を公表した。
 また、革新的な高性能化が不可欠とされる次世代二次電池は、専門部署を設置して研究を進めており、このほど、全固体電池の出力密度を大幅に向上させた最新の電池セルを公開した。この他、プラグインハイブリッド車(PHV)やEVへの充電の利便性を高める非接触充電の取り組みも紹介している。


1)「省エネルギー」への取り組み
 <ガソリンエンジン
  ▽「2.5L−AR系ガソリンエンジン」をベースに、アトキンソンサイクルと直噴D−4Sシステムを採用し、低燃費と高出力の両立を目指して世界最高(*1)の最大熱効率(*3)38.5%を追求した新型「2.5L−AR系ガソリンエンジン」をHV用として新開発。搭載したHVを、2013年以降市場投入。
  ▽「2.5L−AR系ガソリンエンジン」をベースに、2.0Lへの小排気量化による燃費向上と、ターボチャージャー(過給器)の採用による出力向上の両立を図った新型「2.0L−AR系ターボチャージャー付きエンジン」搭載車を、2014年以降市場投入。

 <ディーゼルエンジン
  ▽乗用車用「1.4L−ND系ディーゼルエンジン」は、燃料噴射システムの高圧化、小型で高効率のターボチャージャーの採用などにより、低燃費と走行性能の両立を追求。さらに、新開発の排出ガスクリーン化技術の採用により、世界で最も厳しい排出ガス規制の一つである欧州「EURO6」に対応。
   今後、搭載車両の開発を進め、2015年以降市場投入。
  ▽商用車用「3.0L−KD系ディーゼルエンジン」は、高圧で高い噴射精度を維持する世界初(*1)のシステム「i−ART」(*4)を採用し、低燃費と低エミッションを実現。2012年4月からブラジル向け「ハイラックス」に搭載。

 <トランスミッション
  ▽世界トップレベルの伝達効率の実現、エンジンとの統合制御の進化、一層の小型・軽量化により、優れた燃費性能と軽快な加速を両立した無段変速機「Super CVT−i」を新開発。2012年6月から日本向け「カローラ」に搭載しており、今後、コンパクトクラスを中心に搭載車種を拡大。
  ▽高い変速応答性による滑らかで思いどおりの加速と、6速ATと同等サイズに小型・軽量化することで優れた燃費性能を実現したFF用8速ATを新開発。2012年8月から北米向け「LEXUS RX 350 F SPORT」に搭載。

 <エコカー>
  ▽HV
   ・2012年年間のHV世界販売台数は、100万台を大幅に超える見込み。
   ・今後、2015年末までの約3年間で、新型HVを21モデル(*5)投入予定。
   これにより、2013年以降2015年までの年間のHV世界販売台数は、毎年、100万台以上を見込む。


2)「燃料多様化」への取り組み
 <エコカー>
  ▽PHV
   ・2012年1月より市販を開始した「プリウスPHV」は、災害など非常時の電源としてハイブリッドシステムを活用する「アクセサリーコンセント」の設定、グレード追加により商品力を強化。
  ▽EV
   ・高性能コンパクトEV「eQ」(*6)を開発。消費電力の高効率化を追求し、コンパクトなパッケージに容量を最小限に抑えた高出力の新型リチウムイオン電池を搭載し、世界最高(*1)の電費(*2)104Wh/kmを実現。これにより、12kWhの小容量電池ながら、一充電走行距離100km(*7)、最高速度125km/hを達成。また、満充電は、AC200Vで約3時間という短時間で可能。
   ・2012年12月以降、日本と米国において、自治体や特定利用者向けの限定導入を開始。
  ▽FCV
   ・2015年頃からの市場導入を予定しているセダンタイプのFCVは、トヨタ自社開発のFCスタックの性能が大幅に向上し、出力密度は、現行モデルの「FCHV−adv」に比べ2倍以上となり、世界最高(*1)の3kW/Lを達成。小型・軽量化も進み、「FCHV−adv」と比べ、約1/2にまでコンパクト化。
   ・さらに、高効率の昇圧コンバーターを開発。高電圧化により、モーターの小型化とFCセルの枚数削減を可能とし、FCシステムの小型・高性能化とシステムコストの低減に寄与。
   ・日野と共同で開発を進めている新型FCバスは、2016年の市場導入を目指し、開発を加速させる。

 <今後の電動化技術>
  ▽次世代二次電池
   ・全固体電池において、電解質性能が世界最高レベルの新たな固体電解質を開発。これにより、イオンの流れやすさを向上させることに成功し、出力密度を5倍に向上(トヨタの従来型比)。
  ▽非接触充電
   ・コイルの間を通る磁束の強さの変化と磁場の共振現象を利用して電力を伝送する非接触充電の技術開発を進めており、実際の使用環境での性能を評価するために、2013年に愛知県豊田市で実証実験を実施予定。
    トヨタは、『エコカーは普及してこそ環境への貢献』であると考えている。今後も、従来型エンジン車の一層の燃費向上を図るとともに、燃費と動力性能を高いレベルで両立し、様々な燃料との組み合わせが容易で、各種のエコカー開発に必要な要素技術が含まれるハイブリッド技術をキーテクノロジーと位置付け、エコカーのさらなる高性能化やコスト低減、商品ラインアップの充実に取り組んでいく。


*1 世界最高・世界初:2012年8月現在。トヨタ調べ
*2 交流電力量消費率:1km走行するのに必要な電力量(Wh)。JC08モード。国土交通省審査値
*3 エンジン作動のために与えられた熱エネルギー(=使用した燃料)の内、動力を生み出すために有効に利用された熱量(=実際の走行距離につながった燃料)の割合。この割合を高めることが燃費向上につながる。
*4 i−ART:intelligent Accuracy Refinement Technology(噴射特性自律補償システム)
*5 新たに追加するモデルと既販モデルのモデルチェンジをあわせた乗用車系モデル
*6 eQ(日本仕様):eは、Electric、Qは、Quality(質感)・Cue(新しい生活のヒント)・Cubic(新しいパッケージ)の意味を込めたもの。
*7 JC08モード。国土交通省審査値



以上



【別紙】新型EV「eQ」の概要

 ※添付の関連資料「オリジナルリリース」を参照


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