武田薬品、カナダ「ＢＣＣＡ」と創薬標的探索に関する共同研究契約を締結

Ｔｈｅ　ＢＣ　Ｃａｎｃｅｒ　Ａｇｅｎｃｙとの共同研究契約について
〜「湘南インキュベーションラボ」がスタート〜



　当社は、このたび、Ｔｈｅ　ＢＣ　Ｃａｎｃｅｒ　Ａｇｅｎｃｙ（所在地：カナダ　ブリティッシュコロンビア州オカナガン、以下「ＢＣＣＡ」）と、当社湘南研究所内で遺伝子解析を利用した創薬標的探索に関する共同研究を実施する契約を締結しましたのでお知らせします。本共同研究にあたり、当社は、ＢＣＣＡの乳がん研究部門の部門長であるＳａｍ　Ａｐａｒｉｃｉｏ博士を招聘します。

　本共同研究は、当社湘南研究所に外部の研究機関から優秀な研究者を招き、同研究所内の施設の一部を利用して当社研究者とともに研究活動を実施する「湘南インキュベーションラボ」として行う初めてのプロジェクトとなります。研究期間は３年間であり、当社とＢＣＣＡは、Ａｐａｒｉｃｉｏ博士の遺伝子解析に関する最先端の知見および新薬ターゲットを探索する革新的な手法であるＢＣＣＡの次世代ＤＮＡシーケンス解析技術（※）と当社の創薬技術を融合させた創薬標的探索研究を行います。

　ＢＣＣＡのＡｐａｒｉｃｉｏ博士は、「ＢＣＣＡと武田薬品のパートナーシップは、新薬の研究開発に取り組む両者が保有する強みと革新的な技術を融合するものです。癌、神経疾患、代謝性疾患は互いに関連し合っており、我々の研究成果がそれらの疾患におけるより効果的な治療の研究開発に役立つものと期待しています」と述べています。

　当社医薬研究本部長　Ｐａｕｌ　Ｃｈａｐｍａｎは、「湘南インキュベーションラボは、革新的な研究を加速する当社研究戦略の取り組みのひとつです。今般、ゲノム研究における世界有数の研究者であるＡｐａｒｉｃｉｏ博士を迎えることができ、大変嬉しく思います。このようなオープンイノベーションを通じて、最先端の科学と世界最高レベルの技術を継続的に湘南研究所に取り入れるとともに、今回の共同研究において、当社は、ＢＣＣＡと協力して患者さんが待ち望む画期的な新薬の創出を目指してまいります」と述べています。

　※ＤＮＡ塩基配列の解析技術のひとつ。従来の解析手法に比べ塩基配列解読のスピードが非常に速いことが特徴。


＜ＢＣＣＡについて＞
　ＢＣＣＡは、Ｐｒｏｖｉｎｃｉａｌ　Ｈｅａｌｔｈ　Ｓｅｒｖｉｃｅｓ　Ａｕｔｈｏｒｉｔｙの専門機関のひとつであり、癌発症率や癌による死亡率の減少、癌患者のＱＯＬ向上のために取り組んでいます。ＢＣＣＡは、癌の予防、早期発見、診断と治療、研究、教育、支持療法、リハビリテーション、緩和ケアなど幅広い癌関連サービスを行うことでカナダのブリティッシュ・コロンビア州民に総合的な癌克服プログラムを提供しています。詳細についてはhttp://www.bccancer.caをご覧ください。


＜Ｓａｍ　Ａｐａｒｉｃｉｏ博士について＞
　Ｓａｍ　Ａｐａｒｉｃｉｏ博士はケンブリッジ大学で医学と自然科学を学ばれ、オックスフォード大学で病理と内科医としての研修をされました。ノーベル賞受賞者として著名なケンブリッジ大学のシドニー・ブレナー教授のもとで博士号を取得後、発生生物学や腫瘍学を修められました。Ａｐａｒｉｃｉｏ博士は、フグ全ゲノム解析国際コンソーシアムのリーダーを務められ、現在は、難治性乳がんの治療法開発のための乳がんゲノム解析プロジェクトのリーダー、ＵＢＣ／ＢＣＣＡ乳がん研究部門の部門長、カナダ分子腫瘍研究の責任者を務められています。また、バイオベンチャー企業パラダイムセラピューティック（現武田ケンブリッジ）の創立者の一人でもあります。


以上