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STマイクロ子会社、ARM社のマルチコア向けにOpenCLコンパイラ「PGCL 12.7」を発表

2012-08-31

Portland Group、
ARM社のマルチコア向けにOpenCLコンパイラをアップデート

最新のPGCLはNEON/SIMD命令の自動生成機能を内蔵



 STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)の100%子会社で、高性能コンピューティング向けコンパイラおよびツールの主要サプライヤであるPortland Group(R)(PGI)は、PGCL 12.7をリリースしたことを発表しました。
 PGCL(TM)は、ARM社のマルチコアを採用したシステム・オン・チップ(SoC)向けPGI OpenCLフレームワークで、現在、ST−エリクソンのNovaThor(TM)プラットフォーム上で利用可能です。PGCLには、演算処理用としてARM社のマルチコアを採用したCPU用のPGI OpenCLコンパイラが内蔵されており、GPU用OpenCLを補完します。

 Portland GroupのディレクタであるDouglas Milesは、次の様にコメントしています。「PGI OpenCLコンパイラに対する今回の重要なアップデートには、基本的なデバッグ・サポートと共に、いくつかの新しいパフォーマンス指向テクノロジーのサポートが含まれています。また、高性能コンピューティング(HPC)市場で培ったPGIコンパイラ技術をARMプラットフォームに展開する当社の継続的な取り組みが反映されています。」


<PGCL 12.7の特徴>
 ・ARM NEON(TM)汎用SIMD(単一命令複数データ処理)エンジン向けの自動ベクトル化。NEONテクノロジーは、マルチメディアや大量のデータ処理を要するアプリケーションを高速化するように設計された、ARM Cortex(TM)−AシリーズCPU向けの128bit SIMDアーキテクチャの拡張版です。NEON命令は、符号付きまたは符号なしの8/16/32/64bitの整数または単精度浮動小数点データ型に対して、パックSIMD処理を実行します。PGCLは、上記のデータ型演算を行うOpenCLカーネル関数内に含まれたベクトル化ループ向けにNEON命令を自動生成します。

 ・ネイティブな動的OpenCLカーネル・コンパイルがARMベースのAndroid機器のデフォルトになり、動的にコンパイルされたOpenCLカーネルをモバイル機器用実働アプリケーションに展開できるようになりました。また、PGCL OpenCL動的コンパイラは、fast(PGIのパフォーマンスを最適化するデフォルト・オプション)、Msafeptr(ポインタの存在下での最適化を実現)、Minfo(アプリケーション開発者にコンパイラ最適化フィードバックを表示)などの最適化オプションを認識します。

 ・OpenCLソース・ファイル内での最適化をローカル制御するコンパイラ「pragmas」をサポート。ループまたは関数ベースで制御可能な最適化には、NEON/SIMDベクトル化、ループ展開、依存性チェック、セーフ・ポインタ宣言、その他の最適化オプションなどがあります。pragmasは、その他のコンパイラやプラットフォームへのソース・コードの完全な移植性を維持しながら、記述されたコード・ブロックをある特別な方法で処理するようにコンパイラに指示するために用いられ、プログラマがソース・コードに付加するプログラミング言語の構築概念です。

 ・gdbデバッガやprint命令を用いて、ARMベースのAndroid機器上のOpenCLホスト・コードおよび静的コンパイルされたOpenCLカーネルのデバッグをサポート。


<PGCLについて>
 PGCLは、ST−エリクソンのNovaThor(TM) U8500およびそれ以降のプラットフォーム上で、ARM社のシングル・コアをOpenCLホストとして、マルチ・コアをOpenCL演算処理デバイスとして使用し、OpenCL 1.1プロファイル内蔵アプリケーションをコンパイルおよび実行するためのOpenCLフレームワークです。PGI OpenCLフレームワークは、Linux/x86コンパイル・ホスト・プラットフォーム上で動作し、Android NDKツールチェーンと統合され、Androidが駆動するST−エリクソンのNovaThorプラットフォーム用バイナリ実行可能ファイルを生成します。


<NovaThorプラットフォームについて>
 ST−エリクソンのNovaThorプラットフォームは、アプリケーション・エンジン、モデム、および接続機能チップセットを完全に集積しており、機器メーカーは、最先端のマルチメディア機能を備えた先進的なスマートフォンやタブレットを迅速に開発することができます。NovaThorプラットフォームは、対称型マルチプロセッシング(SMP、Symmetric Multi−Processing)に対応した最新のデュアル・コア技術を、高性能、低消費電力およびコスト最適化されたパッケージに搭載した最初の統合型スマートフォン・プラットフォームで、次世代スマートフォンにおいて没入型マルチメディア体験を実現します。
 同一の2個のコアは、個別もしくは組み合わせることで1つの処理エンジンとして使用することができます。

 NovaThorプラットフォームの詳細は、ST−エリクソンのWebサイトをご覧ください。
 http://www.stericsson.com/products/smartphone-platforms.jsp


<OpenCLについて>
 Khronos社が標準化したOpenCLは、CPU、GPUおよびその他演算処理デバイスで構成される異機種コンピューティング・システム向けプログラミング・モデルで、Intel社、AMD社/ATI社、NVIDIA社、Imagination Technologies社等、数多くのCPU・GPUメーカー各社が採用してきました。PGCLは、OpenCL演算処理デバイスとして、ARM社のマルチコアを搭載したプロセッサを対象とする、最初のAndroid用OpenCLコンパイラです。ARMプロセッサは、大部分の携帯型および組込み演算処理プラットフォームに搭載されています。

 PGCLは、OpenCL仕様に準拠しています。OpenCLおよびOpenCLロゴは、Apple社の商標であり、Khronos社の許諾を得て使用されています。


<価格および入手状況>
 ST−EricssonのNovaThorプラットフォームをターゲットとするPGI OpenCLには、コード例とDalvikサンプル・アプリケーションが含まれており、Portland GroupのWebサイトhttp://www.pgroup.com/pgclでの登録後、無料で入手可能です。


<Portland Groupについて>
 STマイクロエレクトロニクスの100%子会社であるPortland Group(社名:The Portland Group,Inc.)は、Intel社およびAMD社のx64プロセッサならびにNVIDIA社のGPUアクセラレータ・ベースのワークステーション、サーバ、クラスタ向け高性能並列Fortran、C、C++コンパイラ/ツールを提供するトップクラスのサプライヤです。また、STおよびST−エリクソンの組込みプロセッサ向けに製品を開発しています。Portland Group製品の詳細については、http://www.pgroup.comをご覧ください。


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