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IDC Japan、国内ルーター市場予測の調査結果を発表
国内ルーター市場予測を発表
・2011年の通信事業者向けルーター市場は、前年比成長率15.4%の大幅増。市場規模は892億円。移動体通信事業者の投資拡大がけん引
・首位のシスコシステムズが通信事業者向け売上増でシェア拡大。競合ベンダーを引き離す
・2012年も引き続き通信事業者向け市場は堅調。企業向け市場も2012年はリプレイス需要増加と共に不振から脱する
IT専門調査会社IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役:竹内正人)は、国内ルーター市場の2011年の実績と2012年〜2016年の予測を発表しました。これによると、スマートフォンの急増を背景としたモバイルトラフィックの爆発的増加に伴う、移動体通信事業者の投資拡大によって、通信事業者向け市場は前年を大きく上回りました。
2011年の通信事業者向けルーター市場規模は、前年比成長率15.4%の891億7,300万円となり、NGN向け需要で好調だった2008年に迫る規模となりました。一方、企業向けルーター市場は、2011年後半には企業の投資意欲も回復傾向に向かい、やや持ち直しましたが、2011年前半の東日本大震災に伴う企業の投資の先送りや見直しによる落ち込みは補い切れず、前年比成長率マイナス13.9%と前年を大きく下回り288億7,500万円となりました。
移動体通信事業者の投資がけん引した2011年の国内ルーター市場においては、移動体通信事業者をはじめとする通信事業者向け売上を大きく伸ばしたシスコシステムズがシェアを拡大し、他を引き離しました。一方で、企業向けルーターベンダーや固定系通信事業者向け売上が中心のベンダーはシェアを落とす結果となりました。
2012年も通信事業者向け市場では、移動体通信事業者の堅調な投資が続くとみています。また、予測期間後半は、固定系通信サービスの次世代ネットワーク構築投資がポイントになり、予測期間を通じて市場規模は高い水準で推移するとIDCではみています。通信事業者向けルーター市場の2011年〜2016年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、マイナス0.7%と予測しています。
企業向け市場でも、2012年は過去3年間の不振から脱するとIDCでは予測しています。金融危機後、投資を抑制してきた企業でも、ルーターの更新を迫られるケースも見られ、リプレイス需要が高まるとみています。一方、長期的には、2012年〜2013年に出荷台数の増加によって市場規模は一時的に拡大しますが、その後リプレイス需要の後退によって市場規模も縮小すると予測しており、企業向けルーター市場の2011年〜2016年のCAGRは0.6%と予測しています。また、コンシューマー向け市場を合わせたルーター市場全体では、出荷台数における2011年〜2016年のCAGRを4.5%、エンドユーザー売上額では同マイナス1.0%と予測しています。
企業向けルーター市場においては、企業の拠点用ルーターに付加機能を搭載する価値と有用性、差異化ポイントを顧客に再度提案する時期を迎えているとIDCではみています。そのような価値の再提案にあたっては、「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)のような新たなITソリューションの導入を契機として、拠点ネットワークと拠点用ルーターの要件を再定義し、標準的なネットワーク設計手法として浸透させることができるかが、拠点用ルーターへの付加機能搭載比率を上げるためのポイントになる」とIDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの草野 賢一は分析しています。
今回の発表はIDCが発行した「国内ルーター市場 2011年の分析と2012年〜2016年の予測」(J12010103)にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、国内ルーター市場のユーザーセグメント別/製品セグメント別予測に加え、主要ベンダーの動向やベンダーシェア分析もしています。また、ユーザーセグメント別/製品セグメント別/速度別の2012年〜2016年の市場規模を予測しています。
<参考資料>
国内ルーター市場 ユーザーセグメント別エンドユーザー売上額予測、2007年〜2016年
※添付の関連資料「参考資料」を参照
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