武田薬品、２型糖尿病治療薬アログリプチンとアクトスの合剤などの販売許可申請をＥＭＡが受理

２型糖尿病治療薬アログリプチンとアクトスの合剤ならびにアログリプチンとメトホルミンの合剤の
欧州における販売許可申請について



　当社の１００％子会社である武田グローバル研究開発センター（欧州）Ｌｔｄ．（英国ロンドン、以下「ＴＧＲＤ（ＥＵ）社」）は、このたび、２型糖尿病治療薬アログリプチン（一般名、開発コード：ＳＹＲ−３２２）とアクトス（一般名：ピオグリタゾン塩酸塩）の合剤ならびにアログリプチンとメトホルミンの合剤について、販売許可申請を欧州医薬品庁（ＥＭＡ）に提出し、ＥＭＡが当該申請を受理した旨、確認しましたのでお知らせします。

　アログリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ−４（ＤＰＰ−４）阻害薬であり、食事療法、運動療法に加えて使用する２型糖尿病治療薬です。本薬は、血糖調節において重要な役割を担うインクレチンホルモン（※）であるグルカゴン様ペプチド−１（ＧＬＰ−１）とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド（ＧＩＰ）の不活化を遅延させることにより、血糖値に応じてインスリンの分泌を高め、血糖値をコントロールします。アクトスは、チアゾリジンジオン骨格を有し、インスリン抵抗性を改善することによって血糖値を下げる２型糖尿病治療薬であり、成人患者において、食事療法、運動療法に加えて使用されています。一方、メトホルミンは、肝臓での糖の産生を抑制する薬剤であり、２型糖尿病の治療薬として広く使用されています。

※インスリン分泌を促進する消化管ホルモン

　アログリプチンとアクトスの合剤に関する販売許可申請は、１，９００例以上を対象にグローバルに実施した臨床第３相試験（最長１年間投与）から得られた結果に基づいており、アログリプチンとメトホルミンの合剤に関する販売許可申請は、４，０００例以上を対象にグローバルに実施した臨床第３相試験（最長１年間投与）から得られた結果に基づいています。これら試験から、アクトスあるいはメトホルミンと併用した場合のいずれにおいても、血糖コントロールを有意に改善することが示されています。なお、臨床試験において報告された主な有害事象（発現率５％以上）は、アクトスとの併用投与群では、鼻咽頭炎、背痛、尿路感染症、インフルエンザであり、メトホルミンとの併用投与群では、上気道感染症、鼻咽頭炎、クレアチニンクリアランス低下、下痢、頭痛、高血圧、尿路感染症です。

　ＴＧＲＤ（ＥＵ）社のＭａｎａｇｉｎｇ　ＤｉｒｅｃｔｏｒであるＳｔｕａｒｔ　Ｄｏｌｌｏｗは、「タケダグループは、糖尿病治療薬の研究開発において、約２０年の実績を有しています。今回の販売許可申請により、２剤を併用されている患者さんに、合剤という選択肢をお届けできるだけでなく、服薬錠数を減らすことで患者さんの服薬利便性向上に貢献できるものと期待しています」と述べています。

　なお、両合剤の販売許可申請には、ＥＸＡＭＩＮＥ試験（※２）を含む、現在実施中の複数の臨床試験から得られた結果も含まれています。ＥＸＡＭＩＮＥ試験は、２００８年１２月の「新規糖尿病治療薬の心血管系リスク評価についてのガイダンス」の統計的要件を満たすために、米国食品医薬品局（ＦＤＡ）よりその実施が求められたものであり、当該ガイダンスの要件に準拠したデザインとしています。本試験は、アログリプチンを投与し心血管イベントの発現を検証するアウトカム試験であり、本試験の中間解析データは、ＦＤＡから求められた安全性の要件を満たしていると考えています。最終結果は２０１５年に得られる予定です。

※２　ＥＸａｍｉｎａｔｉｏｎ　ｏｆ　ＣＡｒｄｉｏｖａｓｃｕｌａｒ　ＯｕｔｃｏＭｅｓ：ＡｌｏｇｌｉｐｔＩＮ　ｖｓ．Ｓｔａｎｄａｒｄ　ｏｆ　ＣａｒＥ　ｉｎ　Ｐａｔｉｅｎｔｓ　ｗｉｔｈ　Ｔ２ＤＭ　ａｎｄ　ＡＣＳ　Ｐａｔｉｅｎｔｓ


以上