トランスジェニック、中国での尿中サンプルによる癌診断に関する独占ライセンス契約を締結

尿中サンプルによる癌診断に関する独占ライセンス契約締結（中国）に関するお知らせ


　株式会社トランスジェニック（代表取締役社長：福永健司、熊本県熊本市）と遼寧ＭＥＤＩ　Ｂｉｏｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ　ＣＯ　ＬＴＤ（以下、遼寧ＭＥＤＩ社）（総経理：張剣侠、中華人民共和国遼寧省本渓市）は、２０１０年１１月２５日、中国における尿サンプルによる癌診断薬開発目的の当社抗体使用に関する独占ライセンス契約を締結しましたので、お知らせいたします。

　このたびの独占ライセンス契約は、当社の尿中がんマーカーの中国体外診断薬市場への展開を目指すものです。当社は、体外診断薬の研究開発・製造販売および臨床研究の事業を展開している遼寧ＭＥＤＩ社と共同で、尿中がんマーカー抗体を用いた体外診断薬の開発を進め、中国における尿サンプルによる癌診断薬の承認に向けて検討を開始します。また、本契約に基づき、当社は、遼寧ＭＥＤＩ社に開発に必要な抗体及び測定キットを有償提供するとともに、遼寧ＭＥＤＩ社より開発状況に応じたマイルストンフィーならびに販売金額に応じたロイヤリティーなどの対価を受領することになります。

　今後、当社は、先月１２日にお知らせいたしましたように、共同研究契約を締結したハルピン医科大学をはじめとする中国の各医療機関・研究機関からの臨床情報の収集を進め、共同で診断薬シーズとなる抗体開発を推進するとともに、これら各機関との連携を深め、中国への事業展開を積極的に進めてまいります。

　本独占ライセンス契約の本年度連結業績への影響は軽微であり、業績予想に変更はありません。


◆ご参考：遼寧ＭＥＤＩ　Ｂｉｏｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ　ＣＯ　ＬＴＤ
　遼寧ＭＥＤＩ社は、北京双鷲製薬株式会社（※１）と瀋陽ＭＥＤＩ株式会社の共同出資会社として、中国東北部遼寧省（省都；瀋陽、人口；４，３００万人）に位置する本渓バイオ医薬ハイテク工業団地（※２）に設立されました。遼寧省は、中国主要バイオ医薬産業集中地域の中で、薬品開発、バイオ製薬、医療器械、化学薬品、漢方薬の分野で優位性を維持しています。
　そのような環境の中、遼寧ＭＥＤＩ社の主な事業内容は、体外診断薬の研究開発・製造販売及び臨床研究をおこなっています。また、多数の提携病院に、癌ワクチンや免疫細胞療法を提供しています。

　中国における悪性腫瘍（癌）患者の状況は、罹患者数年間２８２万人（日本：６２万人）、死亡者数年間１９５万人（日本：３４万人）と死亡原因の一位であり、早期診断が強く求められています。また、中国第１１次５カ年計画（２００６年〜２０１０年）において、バイオ医薬産業の主要任務として、体外バイオ診断薬の開発が掲げられています。

　このような背景のもとに、遼寧ＭＥＤＩ社は事業展開しています。


※１：北京双鷲製薬株式会社；
　１９９４年設立、資本金約３５億円、２００４年深セン証券取引所上場
　医薬品の研究開発・製造販売を中国全土に展開。癌、心血管系医薬品等約７０品目を取り扱っています。


※２：本渓バイオ医薬ハイテク工業団地；
　中国東北部遼寧省本渓市に位置する工業団地で、敷地面積３５，０００ｍ２に大学・製薬企業など１００数社が集約しています。

：尿中サンプルによる癌診断
　当社は、尿サンプルによる癌診断方法を確立するための研究に取り組んでまいりました。
　その成果として、「尿サンプルによる癌診断に利用される高感度免疫学的測定系に関する特許」が、２００６　年６　月に日本で、２０１０　年４　月に米国で成立しております。また、「早期癌マーカーとしてのジアセチルスペルミンに関する特許」が２０１０年１１月に日本で成立しております。

　当該ビジネスの進捗状況は、２００８年７月８日に当社と診断薬メーカーで締結いたしました「尿サンプルによる癌診断に関するライセンス契約」に基づき、現在、体外診断薬として上市に向け進行しております。


：ハルピン医科大学
　ハルピン医科大学は、中国黒竜江省（省都；ハルピン　人口；４，０００万人）に１９２６年に設立された総合医科大学です。


以　上