島津製作所、「Ｎｅｘｅｒａ」の新シリーズとしてＨＰＬＣ分析条件最適化システムを発売

超高速液体クロマトグラフＮｅｘｅｒａに新シリーズ登場！
ＨＰＬＣ分析条件最適化システムＮｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙを発売
−最大１６種の溶媒選択によるＨＰＬＣ分析条件の自動最適化が可能−



　島津製作所は、１３０ＭＰａのシステム耐圧を有する超高速液体クロマトグラフＮｅｘｅｒａの新シリーズとして、ＨＰＬＣ分析条件最適化システム「Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙ（ネクセラ・クオータナリ）」を発売しました。Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙは、最大１６種類の移動相溶媒の検討を自動化することができ、さらに６種類の分析カラムを自動選択できる網羅的メソッド探索システム「Ｎｅｘｅｒａ　Ｍｅｔｈｏｄ　Ｓｃｏｕｔｉｎｇ」に拡張することで、最大９６通りの分析条件検討の自動化が可能となります。Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙおよび、その拡張システムのＮｅｘｅｒａ　Ｍｅｔｈｏｄ　Ｓｃｏｕｔｉｎｇは、ＨＰＬＣの分析条件最適化プロセスにおいて、「１）自動化と時間短縮」、「２）専用ソフトウェアによるメソッド開発支援」、「３）幅広いメソッドへの適用性」を実現することで、ＨＰＬＣの分析条件開発を簡便かつ網羅的に行うことを可能にした、Ｎｅｘｅｒａシリーズの新しいＨＰＬＣです。


＜開発の背景＞
　ＨＰＬＣにおける分析条件開発時には、複数の移動相溶媒と分析カラムの組み合わせを検討して分析条件の最適化を行う必要があります。最適な分析条件を得るためには、膨大な数の分析条件を個別に試す必要があり、多大な時間と労力が必要となることから、分析条件開発者にとって大きな負担となっていました。Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙでは、移動相検討時の溶媒選択の自動化と、分析カラムの自動選択に対応したシステムに拡張可能とすることで、移動相溶媒と分析カラムの最適化プロセスの省力化を可能にします。


＜本製品の特長＞
　本製品の特長は下記の通りです。

（１）分析条件開発プロセスの自動化と、最短１／１０までの時間短縮
　Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙでは、最大１６種類の幅広い移動相溶媒の選択が可能で、移動相溶媒の最適化プロセスを自動化することができます。さらに、６種類の分析カラムを選択できる網羅的メソッド探索システム「Ｎｅｘｅｒａ　Ｍｅｔｈｏｄ　Ｓｃｏｕｔｉｎｇ」に拡張することで、最大９６通りの組み合わせの移動相溶媒と分析カラムを用いた、網羅的な分析条件最適化を行うこともできます。一連のプロセスの自動化により、分析条件開発の手間を大幅に低減できるだけでなく、自動化に伴う夜間及び休日運転と分析の超高速によって、分析条件開発に要する時間を最短で１／１０に短縮することができます。

（２）分析条件開発プロセスを支援する専用ソフトウェア「Ｍｅｔｈｏｄ　Ｓｃｏｕｔｉｎｇ　Ｓｏｌｕｔｉｏｎ」
　９６通りの移動相溶媒と分析カラムの組み合わせを用いて分析条件を最適化するには、分析ソフトウェア上での自動運転のために、９６種のメソッドプログラムの設定とその分析スケジュールを作成する必要があります。網羅的メソッド開発支援ソフトウェア　Ｍｅｔｈｏｄ　Ｓｃｏｕｔｉｎｇ　Ｓｏｌｕｔｉｏｎは、一連の分析メソッドプログラムの設定とスケジュール作成を自動化することができるため、分析条件開発プロセスの省力化に大きく貢献します。

（３）汎用から超高速分析までの幅広い分析条件開発が可能
　Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙは、世界最高のシステム耐圧１３０ＭＰａと幅広い流量域に対応した超高速液体クロマトグラフＮｅｘｅｒａをベースにしているため、既存の汎用分析条件の超高速化への移行が容易であるだけでなく、超高速分析条件を用いた短時間での分析条件検討およびその分析条件の汎用分析への移行もスムーズに行えるため、汎用分析から超高速分析までの幅広い分析条件開発に適用することができます。


　Ｎｅｘｅｒａ　ＱｕａｔｅｒｎａｒｙはＨＰＬＣにおける分析条件開発に最適なシステムであることはもちろん、通常の分析用ＨＰＬＣとしても幅広く利用することができる、Ｎｅｘｅｒａシリーズの新しいスタンダードＨＰＬＣです。Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙは、製薬、食品、化学業界などのメソッド開発部門や品質管理門をはじめ、幅広い分野での利用が期待されます。本システムを市場投入することにより、国内外における液体クロマトグラフ市場での一層のシェア拡大を目指します。


　名称：Ｎｅｘｅｒａ　Ｑｕａｔｅｒｎａｒｙ
　価格：７８２万円〜（標準システム構成、ワークステーション込み、税別）
　販売計画：３００システム（当初１年間、国内外）