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ボルボ、自動運転技術「SARTRE」でのロードトレインの走行実験を公道で実施

2012-06-01

自動運転技術「SARTRE」のロードトレイン、公道にて初公開


 ボルボ・カー・コーポレーション(以下、ボルボ社)がプロジェクトの一員として参画する自動運転技術「SARTRE」(Safe Road Trains for the Environment)の開発が、実用化に向けて、大きな一歩を踏み出しました。ボルボXC60、V60、S60 と1台のトラックから構成された隊列が、先導車の後ろを自動運転で追随するロードトレインの走行実験が世界で初めて、他の一般車両も走る公道にて行われました。

 スペインで行われたこの歴史的な走行実験は、大成功を収めました。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照


<実用化に向けて開発が進む自動運転技術「SARTRE」>
 「SARTRE」(Safe Road Trains for the Environment)でのロードトレインは実用化に向けて前進しています。このプロジェクトは、英国リカルド社、スペインのアプルス・イディアダ社、ロボチカ社、ドイツのアーヘン工科大学車両研究所(IKA)、スウェーデン国立研究所(SP)、ボルボテクノロジー、そしてボルボ社による共同事業として進められており、今回実用化に向けて大きな一歩を踏み出しました。先週、バルセロナ郊外の高速道路にて、初めて一般車両が走行する中でロードトレインの走行実験を実施しました。


 「1日で200kmを走破し、実験は上手くいきました。とても喜ばしいことです」とボルボ・カー・コーポレーションにて「SARTRE」プロジェクトマネージャーを務めるリンダ・ワールストロームは言います。
 「ロードトレイン」は、プロのドライバーが運転する先導車の後ろに何台もの車が続く形式で構成されています。ボルボ社やボルボテクノロジーが採用している、カメラやレーダー、レーザーセンサーなどの機能を含む既存の安全システムに基づき、各車両は先導車や、前後の追従車もモニターします。ワイヤレス通信を追加することにより、追従する各車両はリカルド社の自律制御により、先導車の加速度・ブレーキ・方向性を正確に監視してその動きを模倣します。


<ドライバーの運転環境の改善>
 このプロジェクトでは、ドライバーが運転中に別の事をして過ごしたり出来る、より快適な環境を提供する事を目標にしています。ドライバーは、PC で仕事をしたり、読書をしたり、くつろいだ状態でランチを楽しむ事が可能になります。
 当然、このプロジェクトは交通安全の向上にも繋がります。環境への影響を軽減し、スムーズなスピード制御によって車の渋滞のリスクを軽減できるでしょう。
 先導車1台に追従走行する4台(ボルボS60、V60、XC60と1台のトラックから成る)は、スペインで歴史的なロードトレインに成功しました。

 「一般車も走行している中での実験は我々のプロジェクトにおいてとても画期的な出来事です。本当に感激しました」とリンダ・ワールストロームは述べます。連結した追従車隊列は時速85キロで走行。それぞれの車両の間隔はちょうど6メートルでした。「テスト用のサーキットでの実験では、5メートルから15メートルまでの車両間隔で検証しました」とリンダ・ワールストロームは続けます。


<素早い適応が可能>
 前走車の6メートル後方を、テクノロジーに全てを委ね時速85キロで走行する車に座っているのは、少し怖く感じるかもしれません。しかし、今まで得られた経験則からすると、人々はとても素早くその環境に慣れることができます。
 3年間にわたる「SARTRE」のプロジェクトは、2009年より始動しました。このプロジェクトの期間中、ロードトレインは10,000 キロの総走行距離を成し遂げています。今回、スペインの公道での走行実験が終わり、このプロジェクトは燃料消費量の分析を焦点とする新たな段階に突入しつつあります。
 「この期間中、我々は沢山のことを学びました。自動運転はサイエンスフィクションに過ぎないと思われるかもしれませんが、実際のところ、既に技術は実現可能な所まで達しているのです。純粋に概念的な話をすれば、自動運転は問題なく機能し、将来、ロードトレインをさまざまな場所で見かけるようになるでしょう」とリンダ・ワールストロームは説明します。

 また、彼女は続けて、「我々は、既存のシステムの変更を出来るだけ少なくすることにとても注意を払ってきました。これら全ては、道路のインフラ整備への変更や車への高価な部品の追加などをせずに機能する必要があります。プロジェクトの一環として開発されたソフトウェアを除いて、現在ショールームで販売されている車との違いは、車と車との間で通信を行うワイヤレスネットワーク機能のみです。」とも述べています。


<参考情報>

自動運転技術「SARTRE」プロジェクトに関して:
 「SARTRE」プロジェクトは、「より安全で環境にやさしい交通システム」を意味しています。EUの第7次枠組計画の一環として、欧州委員会によって一部出資を受け、この自動伴走技術「SARTRE」プロジェクトは、英国リカルド社の主導により、以下の参画企業との共同事業として行われています。(以下、参加企業:スペインのイディアダアンドテクニカ社、ドイツのアーヘン工科大学車両研究所(IKA)、スウェーデン国立研究所(SP)、ボルボテクノロジー、そしてボルボ社)

 「SARTRE」は、より安全で環境にやさしいロードトレインシステムの開発を通じて、個人の交通利用を変えていく第一歩を促すことを目指しています。このシステムは、何ら改造が施されていない高速道路上で、一般車とロードトレインが安全に共存するプロトタイプとして開発されています。プロジェクトは、環境、安全性、渋滞の3つの交通問題に対処すると同時に、「ドライバーの快適性」を向上させることで、ドライバーの理解を後押しします。下記4点が要約された「SARTRE」の目的になります。

 1.道路や沿道を改造せずに稼働できるロードトレインの隊列の許容範囲・戦略を明確にします。

 2.明確にされた戦略が現実世界のシナリオの下で評価され得るような、追従車走行システムのプロトタイプの技術を強化、開発、統合します。

 3.追従車隊列を使用することで、環境、安全と渋滞の改善にどのようにつなげることができるかの方法を示します。

 4.先導車のオペレーターと追従車隊列の利用者の両方に利点がある追従車走行システムの使用を奨励するために、新たなビジネスモデルがどのように使われているかを説明します。

 成功した場合は、「SARTRE」から得られる利点はとても意義深いと期待されます。ロードトレインによる高速道路走行での燃料消費率は、車両の大きさや間隔にもよりますが、およそ20%向上すると試算しています。ドライバーの操作ミスや疲労による事故も減少するという、安全上の利点もあります。また、潜在的かつ必然的にもたらされる所要時間の削減によって、既存の道路をより効率良く使用できるようになります。このテクノロジーを使う事で、ユーザーは実質的な魅力である、よりスムーズで予測可能な低コストの旅を実現する事が出来、またそれによって新たにもたらされる自由時間の獲得は非常に大きな意義を持ちます。「SARTRE」プロジェクトは、2009年9月に正式に開始し、合計3年の間継続されています。http://www.SARTRE-project.eu

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