ＩＤＣ　Ｊａｐａｎ、「世界ノートＰＣ市場におけるＯＤＭ動向」を発表

世界ノートＰＣ市場におけるＯＤＭ動向を発表



●世界ノートＰＣ市場における２０１２年第１四半期ＯＤＭベンダー出荷台数は４，６５０万台、前年同期比０．５％減、前四半期比８．７％減に改善
●２０１２年第２四半期の出荷台数は、前四半期比１０％以上の増加に転じると予測
●Ｗｉｎｄｏｗｓ８と低価格帯Ｕｌｔｒａｂｏｏｋが２０１２年の下半期をけん引


　ＩＴ専門調査会社ＩＤＣ　Ｊａｐａｎ株式会社（所在地：東京都千代田区九段北１‐１３‐５、代表取締役：竹内正人、Ｔｅｌ代表：０３−３５５６−４７６０）は、世界のノートＰＣ市場におけるＯＤＭベンダー出荷動向を発表しました。これによると２０１２年第１四半期（１〜３月）の世界ノートＰＣ市場におけるＯＤＭベンダー出荷台数は４，６５０万台、前年同期比で０．５％の減少、前四半期からは８．７％の減少となりました。昨年１１月のタイ洪水で被災したＨＤＤ向けの部品工場は、見込みよりも早く回復しました。ハイエンドのノートＰＣでは依然としてＨＤＤの供給不足がみられますが、３月以降は大きな問題ではなくなってきています。その結果、２０１２年第１四半期の出荷台数は、前期予測の前四半期比１２％減から大きく改善しました。

　２０１２年第１四半期の出荷台数の回復が予想より早かったにも関わらず、第２四半期（４〜６月）の出荷台数は前四半期比１０．６％増の高い成長率になるとＩＤＣではみています。主因は、在庫が高水準になることです。第１四半期は、ノートＰＣ需要の伸び悩みとタイ洪水のＨＤＤ市場への影響で、多くのＯＥＭベンダーにおいて在庫の積み増しに慎重な姿勢がみられました。特に欧州でこの傾向が顕著でした。ＨＤＤ生産とノートＰＣ需要の回復により、ＯＥＭベンダーは４月から在庫の積み増しを始めました。さらに、Ｉｎｔｅｌの旧世代のプラットフォームであるＳａｎｄｙ　Ｂｒｉｄｇｅへの根強い需要があいまって、第２四半期の四半期ベースの伸びは、１０．６％に達すると予測しています。

　Ｉｎｔｅｌの新プラットフォームであるＩｖｙ　Ｂｒｉｄｇｅの発売が遅れ、それに伴い一部製品の出荷が第３四半期（７〜９月）へ延期されました。そのため、新プラットフォームには旧世代のＷｉｎｄｏｗｓ７ではなく、Ｗｉｎｄｏｗｓ８を搭載したいと考えているＯＥＭベンダーもあります。しかしながら、全体としては、過去５年の四半期ベースの出荷増の平均である６％を超える１０％以上の伸びが第２四半期に見込まれます。

　ＩＤＣでは２０１２年の第３四半期は、低価格帯ＵｌｔｒａｂｏｏｋとＷｉｎｄｏｗｓ８に支えられて、四半期ベースで二桁の伸びが続くとみています。脅威となりうるのは、ＡｍａｚｏｎやＧｏｏｇｌｅといったコンテンツプロバイダーから第４四半期（１０〜１２月）に発売されるとみられる１９９米ドルの低価格タブレットへの期待が高いことと、Ａｐｐｌｅが新ｉＰａｄと比べて低価格の７．８５インチサイズのタブレットを同四半期に発売する見込みであることです。これらは２０１２年下半期におけるユーザー企業のノートＰＣに対するＩＴ予算配分に影響を与える可能性があり、注意深くみていく必要があります。

　コスト競争力の維持と、中国における市場機会のさらなる追求に向けて、Ｑｕａｎｔａ、Ｉｎｖｅｎｔｅｃ、Ｆｏｘｃｏｎｎなど多くのＯＤＭベンダーは重慶や成都といった西域に製造拠点を拡張しています。しかしながら、依然として続いている需要低迷傾向に加えて、西域への拠点拡張が必ずしもコストメリットにはつながらないことから、重慶や成都の工場の稼働率はあまり上がらないとみられます。ＳａｍｓｕｎｇによるＯＤＭへの製造委託の開始など明るい話題もありますが、２０１２年はＯＤＭにとって依然として厳しい状況が続くとＩＤＣではみています。

　今回の発表はＩＤＣが発行した「Ｗｏｒｌｄｗｉｄｅ　Ｎｏｔｅｂｏｏｋ　ＯＤＭ　ＱＶｉｅｗ　２０１２　Ｑ１」にその詳細が報告されています。

【詳細についてはＩＤＣ　Ｊａｐａｎへお問い合わせ下さい】


※以下の参考資料は、添付の関連資料を参照
　１．世界ノートＰＣ市場　ＯＤＭ出荷台数：２００９年第１四半期〜２０１２年第２四半期
　２．世界ノートＰＣ市場　ＯＤＭ出荷台数シェア：２０１２年第１四半期


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