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サノフィ・アベンティス、「ヒドロキシクロロキン」の全身性エリテマトーデスなどを対象にした臨床試験を開始
医療上の必要性の高い未承認薬
ヒドロキシクロロキンの臨床試験を開始
サノフィ・アベンティス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェズ・モールディング、以下「サノフィ・アベンティス」)は、ヒドロキシクロロキン硫酸塩(以下「ヒドロキシクロロキン」)について、全身性エリテマトーデス及び皮膚エリテマトーデスの患者を対象とした第III相臨床試験を開始しましたのでお知らせいたします。
ヒドロキシクロロキンは主にマラリア、全身性エリテマトーデス、種々の皮膚エリテマトーデス、関節リウマチなどの適応症で、1945年にエクアドルで最初に承認されて以来(※1)、現在、世界70カ国以上の国で承認されている薬剤です。欧米での治療ガイドラインでは「全身性エリテマトーデス」と「皮膚エリテマトーデス」に対して、ヒドロキシクロロキンが標準的な治療薬として位置づけられています。
日本においては、ここ数年本剤の個人輸入が行われ始めたことから、関連学会と連携する研究会が、適正使用の観点から2010年に本剤の開発に関する要望書を厚生労働省に提出しました。既に諸外国では標準的治療薬として使用されていることもあり、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にてその必要性が認められ、同年12月、サノフィ・アベンティスが正式に開発要請を受けました。
ヒドロキシクロロキンは、これまで諸外国での開発において全身性エリテマトーデス及び皮膚エリテマトーデスに対する臨床試験が実施されていないため、今回サノフィ・アベンティスが日本で開始した試験が世界で初めての開発臨床試験となります。
サノフィ・アベンティスは、今後も医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の開発推進に積極的に協力し、医療関係者や患者さん、さらにそのご家族の方々に貢献してまいります。
以上
<全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデスについて>
全身性エリテマトーデスは、DNA−抗DNA抗体などの免疫複合体の組織沈着により起こる全身性炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患です。若年女性に好発し、発症年齢は20〜40歳代であることが多く、寛解と増悪を繰り返して慢性の経過を取ることが多いとされています。患者数は約6万名とされています(※2)。
皮膚エリテマトーデスは、全身性エリテマトーデスに対して皮膚限局性のエリテマトーデスを指す診断名です。疾患人口に関する日本での疫学調査はありませんが、全身性エリテマトーデスと同程度の患者数にのぼると言われています。
<ヒドロキシクロロキンについて>
ヒドロキシクロロキン硫酸塩は、4‐アミノキノリン類に属し、主な作用として抗炎症作用、免疫調節作用、抗マラリア作用を有する薬剤です。日本では過去に抗マラリア薬として販売されていたクロロキンと類似した作用機序及び化学構造を持ちます。しかし、組織に対する親和性がクロロキンと比較して弱く、クロロキンの副作用のひとつである網膜障害の発現率も、ヒドロキシクロロキンは0.1%未満と極めて低いことが報告されています。欧米等ではその豊富な使用経験から、本剤の有効性と忍容性について既に周知されている薬剤です。
(※1)本剤の正式な国際誕生年は、米国で承認された1955年です。
(※2)平成21年度の厚生労働省の保険・衛生行政報告書から特定疾患医療受給者証所有者数及び特定疾患登録者証所有者数の合計です。
<サノフィ・アベンティス株式会社について>
サノフィ・アベンティスは、約3,000人の社員を擁し、「日本の健康と笑顔に貢献し、最も信頼されるヘルスケアリーダーになる」というビジョンのもと、主要治療領域である糖尿病、オンコロジー、血栓症、循環器疾患、内科系疾患、中枢神経系疾患において、患者さんの治療に貢献する医療用医薬品の研究開発、製造・販売を行っています。サノフィ・アベンティスは、サノフィ・グループの一員です。