武田薬品、新薬の早期上市に向け創薬研究を行うカナダＳＧＣの共同研究プロジェクトに参加

Ｓｔｒｕｃｔｕｒａｌ　Ｇｅｎｏｍｉｃｓ　Ｃｏｎｓｏｒｔｉｕｍへの武田薬品の参加について



　Ｓｔｒｕｃｔｕｒａｌ　Ｇｅｎｏｍｉｃｓ　Ｃｏｎｓｏｒｔｉｕｍ（本部：カナダ　オンタリオ州トロント、以下「ＳＧＣ」）と武田薬品工業株式会社（本社：大阪市中央区、以下「武田薬品」）は、このたび、画期的な新薬の早期上市に向けて創薬研究を行うＳＧＣの共同研究プロジェクトへ武田薬品が出資し、参加する契約を締結しましたのでお知らせします。

　ＳＧＣは、創薬研究に関する大規模な官民連携による研究団体のひとつであり、創薬ターゲットとなるヒトのタンパク質の３次元構造を同定・解析する研究を行っています。タンパク質の精密な構造を解明することは、新たな創薬ターゲットを探索する上で重要となります。

　世界トップクラスの製薬企業がＳＧＣに参加しており、参加企業はＳＧＣの革新的な研究を支援し、創薬ターゲットの発見に取り組んでいます。４年前に製薬企業３社がＳＧＣに合計１３百万米ドルを拠出して以来、ＳＧＣへの出資は増加しており、ＳＧＣは、今回の武田薬品の参加で、参加企業６社から合計５０百万米ドル相当の資金および研究実務の提供を受けることになります。

　本契約により、参加企業・団体から２００名以上集うＳＧＣの研究者の中に武田薬品の研究者が加わり、武田薬品は、ＳＧＣの研究ネットワークを活用することで創薬に向けた研究の促進を目指します。また、ＳＧＣは、研究開始から一定期間が経過した研究情報を全て公開し、特許等の制約なく一般利用できるようにしていますが、武田薬品はその一定期間内に研究情報にタイムリーにアクセスすることができます。さらに、武田薬品は、研究の促進を期待するターゲットを指定してＳＧＣに提案できることに加え、ＳＧＣの会議および取締役会に出席することが可能となります。

　ＳＧＣのＣｈｉｅｆ　ＥｘｅｃｕｔｉｖｅであるＡｌｅｄ　Ｅｄｗａｒｄｓは、「ＳＧＣは、画期的な新薬を患者さんや医療関係者の皆さんに１日も早くお届けするため、初期段階の創薬研究におけるリスクと費用を相互に分担し、協力することで成り立っている革新的なビジネスモデルです」と述べています。

　武田薬品の医薬研究本部長であるＰａｕｌ　Ｃｈａｐｍａｎは、「創薬に関する重要な科学的知見が得られ、画期的な新薬創出に繋がるＳＧＣのオープンイノベーションを大変素晴らしく思います。当社は、研究開発型のグローバル製薬企業として、現在の創薬プロセスに変革をもたらすことに貢献し、待ち望まれる新薬を創出するよう努めてまいります」と述べています。


以上


＜ＳＧＣについて＞
　カナダ　トロント大学および英国オックスフォード大学に本拠を置くＳＧＣは非営利組織として設立され、構造生物学および分子生物学における研究結果を公開し、自由にアクセスできるようにすることで新薬の創出を支援しています。ＳＧＣでは、現在、学術界および参加６企業から２００名以上の研究者が集まり、この目標達成に向けて協力して研究を行っています。Ｃａｎａｄｉａｎ　Ｉｎｓｔｉｔｕｔｅｓ　ｆｏｒ　Ｈｅａｌｔｈ　Ｒｅｓｅａｒｃｈ、Ｃａｎａｄａ　Ｆｏｕｎｄａｔｉｏｎ　ｆｏｒ　Ｉｎｎｏｖａｔｉｏｎ、Ｇｅｎｏｍｅ　Ｃａｎａｄａ、ｔｈｅ　Ｏｎｔａｒｉｏ’ｓ　ＭＥＤＩ、ｔｈｅ　Ｗｅｌｌｃｏｍｅ　ＴｒｕｓｔもＳＧＣに出資しています。詳細については、http://www.thesgc.org/をご覧ください。

＜武田薬品について＞
　武田薬品は、研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、経営理念である『優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する』の実現に努めています。詳細についてはhttp://www.takeda.co.jp/をご覧ください。