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アンジェスMG、HGFの血管新生作用が他の血管新生因子と比べて優位であることを確認
HGFによる血管新生作用の優位性が医学雑誌掲載
− bFGF、VEGFを用いた場合と比較し、高い治療効果が期待 −
この度、HGFが有する血管新生作用のメカニズムの解析を目的とした当社と大阪大学による共同研究において、HGFが有する血管新生作用が、他の血管新生因子と異なり成熟血管を新生することが示され、血管薬理学の専門誌である「Vascular Pharmacology」に掲載されましたことをお知らせいたします。
本論文では、血管新生因子として知られるHGF、VEGF、bFGFにより誘導される血管形成の違いについて報告されております。血管構成細胞である血管内皮細胞に対しては、いずれの血管新生因子においても増殖作用が認められる一方、血管平滑筋細胞に対しては、HGFのみが遊走能を有していることが本研究でも確認され、新生血管の周囲を平滑筋細胞が覆うことで、VEGFで形成される血管のように浮腫等を引き起こさず、正常な成熟血管が形成されることが示されております。また、bFGFにより誘導される血管新生では、炎症が認められている一方、HGFで誘導される血管新生ではbFGFでみられるような炎症が認められなかったことから、HGFが有する抗炎症作用により正常な成熟血管形成が誘導されることが示唆されております。
この試験結果により、HGF遺伝子をコードするコラテジェンを用いた血管新生療法では、bFGF、VEGFを用いた場合と比較し、高い治療効果が期待できることが示されました。
試験結果は http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1537189112000353 に掲載されています。
なお、当社はHGF遺伝子治療薬「コラテジェン」の国際共同第III相試験に向けて準備中です。
なお、本件による本年度業績への影響はありません。
以上