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東レ、血液適合性を飛躍的に向上させる抗血栓性材料を開発

2012-03-07

血液適合性を飛躍的に向上させる革新抗血栓性材料を開発


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:)は、このたび、独自の機能性高分子設計技術を駆使し、高い血液適合性を実現できる革新抗血栓性材料の開発に成功しました。本材料で表面処理した血栓捕捉フィルターについて、PTMC研究所(代表 井上寛治医師)および京都大学大学院医学研究科心臓血管外科(坂田隆造教授)と共同で実施した血管内留置モデル試験(in vivo試験)において、従来品に比べて留置時間を20倍以上延長し、当該フィルター表面で血栓形成が抑制されることを実証しました。
 カテーテルなどの医療機器が血液と接触すると、血液中の血小板やタンパク質が医療機器に付着・活性化して血栓とよばれる凝固塊を形成します。この血栓が、血流に乗って脳や肺に飛散することにより重篤な脳梗塞や肺血栓症などを引き起こす危険性があります。血栓形成反応をいかに抑制するかが循環器領域で使用される医療機器の大きな課題となっています。

 今回の開発においては、血栓形成反応の主因である、血小板の付着と血液凝固タンパク質の活性化を同時にブロックする機能性高分子を表面に局在化することで、血液適合性を飛躍的に向上させました。本技術は汎用性が高いことから、医療機器の素材や形状を問わず、幅広い適用が期待されます。技術ポイントは以下のとおりです。


1.血液成分の付着・活性化制御技術
 当社は既に、親水性高分子と相互作用している吸着水の運動性が高い親水性高分子ほど、血液成分の付着を抑制する効果が向上することを見出しており(第48回日本人工臓器学会大会において発表済み:「オリジナル賞」を受賞)、今回、このような親水性高分子が有する血液成分付着抑制効果に加え、血液凝固タンパク質の活性を特異的に阻害できる機能性高分子の開発にも成功しました。

2.表面改質技術
世の中で普及している様々な医療機器に幅広く適用できるように、機能性高分子の化学構造を、医療機器を構成する素材に対して強い表面親和性を示すように適正化し、血液成分の制御活性を保持したまま、機能性高分子を表面に均一に局在化する技術を開発しました。これにより、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホンなどの様々な素材からなる既存の医療機器に、高い血液適合性を付与することに成功しました。

 当社は本技術を適用した血栓捕捉フィルターの開発を進めていますが、更にその他の循環器領域の医療機器などにも本技術を適用していく予定です。


※本血栓捕捉フィルターに関する研究は、経済産業省の「平成23年度 課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業」に採択されました。


以上

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