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メディネット、東京医科大学とC型肝炎ウイルス由来肝細胞がんの再発予防を目的とした共同臨床研究を開始

2010-11-18

C型肝炎ウイルス由来肝細胞がんの再発予防を目的とした共同臨床研究を開始



 株式会社メディネット(以下「メディネット」)は、学校法人東京医科大学(東京都新宿区、以下「東京医科大学」)等と共同で、C型肝炎ウイルス由来肝細胞がんに対するラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)(*1)とガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)(*2)との併用療法に係る共同臨床研究を開始しましたのでお知らせします。

 C型肝炎ウイルスの持続感染者は、日本国内で150万人以上(*3)、全世界で約1億7千万人(*4)いると推定されています。国内において、2008年の肝臓がんによる死亡者数は、約34,000人で、がんによる死亡者の約10%を占め、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで、第4位となっています(*5)。また、肝がんの約95%が肝細胞がんであり、そのうち約80%がC型肝炎ウイルスの持続感染に起因すると言われています(*6)。

 第18回全国原発性肝癌追跡調査報告によると、2004年から2005年までの2年間で、肝細胞がんに対して実施された局所療法6,673例のうち、RFAが選択された症例数は4,812例(72.1%)と報告されています。これは4年前の同調査における同症例数2,380例(40.2%)と比較して著しく増加した結果となっており、RFAは、肝細胞がんの局所治療の主流となってきていると言えます。しかしながら、C型肝炎ウイルス由来肝細胞がん治療においては、治療に成功しても、再発を繰り返す可能性が高いため、より高い再発予防効果を持つ治療法の確立が求められています。

 本臨床研究は、2008年より既に開始しておりますC型肝炎ウイルス由来肝細胞がんに対するRFA後の樹状細胞(DC)腫瘍内局注療法に係る臨床研究(*7)に続き、DCワクチン療法とは作用機序の異なるγδT細胞療法を再発予防として用いた場合の有効性を評価することを目的としています。本臨床研究は、東京医科大学と、当社契約医療機関である瀬田クリニック東京(東京都千代田区)および瀬田クリニック新横浜(横浜市港北区)との共同研究で、東京医科大学内科学第四講座 森安 史典教授を研究責任医師として実施します。

 初発のC型肝炎ウイルス由来肝細胞がんに対して、RFA後にγδT細胞療法を併用することで、より高い再発予防効果を示す新たな治療選択肢を提供できるものと期待しております。また、本臨床研究を通して、再発予防効果が認められれば、肝細胞がんへの新たな治療プロトコルの確立に繋がると考えております。

 本共同臨床研究は、目標症例数40名を対象に実施する予定をしております。そのため、この共同臨床研究で得られた40例の臨床データを用いて、比較対照群として東京医科大学でのRFA単独の治療実績や全国原発性肝癌追跡調査報告等の学術報告での治療成績を用いて有効性についての比較検討を行うことを計画しています。

 メディネットは、本共同臨床研究において東京医科大学、瀬田クリニック東京および瀬田クリニック新横浜に対し、当社が保有する免疫細胞治療に係る技術、ノウハウおよび各種基礎データの提供等の役割を担っております。

 尚、本件が短期的な業績に与える影響は軽微でありますが、本共同臨床研究の成果は、再発予防フェーズにおけるがん免疫細胞治療の有効性評価および位置づけを確かなものとし、今後の事業成長を大きく後押しするものと考えております。



以上



*1 ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(Radiofreequency Ablation:RFA)
肝臓のがん病巣に刺した針の先端からのラジオ波による熱により、がん細胞を死滅させる治療法。がんの直径が3cm以下であり数が3個以下の場合に適応される。2004年に保険適応となる。

*2 ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)
末梢血液中に含まれるγδ型T細胞を、がんの溶骨性骨転移などで使用されるアミノビスフォスフォネート製剤とIL−2の組み合わせによって選択的に活性化、増殖させて患者自身の体内に戻す治療法。アルファ・ベータT細胞療法と比較して、より活性化されたγδ型T細胞が数多くを占める。2007年10月、メディネットが新たな治療技術として、ガンマ・デルタT細胞療法に係る技術提供を開始。

*3 「C型肝炎について(一般的なQ&A)」(厚生労働省)

*4 Fact sheet No164.World Health Organization

*5 国立がん研究センターがん対策情報センター
人口動態統計によるがん死亡データ(1958年〜2008年)」

*6 日本臨床腫瘍学会編:新臨床腫瘍学、改定第2版、南江堂、2009
日本肝癌研究会肝癌追跡調査委員会編:第18回全国原発性肝癌追跡調査報告、2009

*7 樹状細胞ワクチン療法(Dendritic Cell:DC)
末梢血液中の単球から分化させた樹状細胞に、その標的の情報をT細胞へ提示させた上で再び体内に戻す治療法。投与された樹状細胞は患者の体内でT細胞へ標的の情報を伝え、特定のがん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)が誘導されることを期待する。


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