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JRC日本無線、第4世代携帯電話基地局向け広帯域リニアパワーアンプを開発
第4世代携帯電話基地局向け広帯域リニアパワーアンプを開発
広帯域信号(100MHz)の歪補償を達成
日本無線株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:土田隆平 以下JRC日本無線)は、第4世代携帯電話基地局(IMT−Advanced)向けに周波数帯域幅100MHzの広帯域信号に対応するリニアパワーアンプを開発しました。本アンプは、デジタルプリディストーション(注1)とフィードフォワード歪補償(注2)の組合せにより従来実現が困難であった広帯域な歪補償を達成しました。
第4世代携帯電話(IMT−Advanced)は、最大通信速度1Gbpsを目標として、周波数帯域幅100MHzの広帯域信号による通信を想定しております。JRC日本無線は、この広帯域信号に対応する基地局送信用リニアパワーアンプが今後の高速移動通信網実現の重要課題と考え、かねてから広帯域・高効率リニアパワーアンプ技術の開発を進めて参りました。このたび、デジタルプリディストーションとフィードフォワード歪補償を最適に組合せた試作装置により、第4世代携帯電話基地局に求められる周波数帯域幅100MHzの広帯域信号の歪補償を達成しました(図1、2、表1)。
今後は、さらにデジタル処理部とアナログ回路部の最適化を進め、商品化に向けて小型化、低コスト化、高性能化を推進します。
尚、開発した広帯域リニアパワーアンプについては、11月30日からパシフィコ横浜にて開催中の、電子情報通信学会APMC 国内委員会主催のマイクロウェーブワークショップにて発表いたします。
【図1 試作装置のブロック図】
*添付の関連資料「図1・2」を参照
【図2 広帯域信号に対する歪補償の効果】
*添付の関連資料「図1・2」を参照
【表1 リニアパワーアンプ主要諸元】
項目 仕様
周波数 3.5GHz
信号 LTE20MHz×5キャリア
出力電力 15W
注1)デジタルプリディストーション
予めアンプの歪と逆の特性を持つ信号をデジタル信号処理で生成し線形化を行う歪補償方式。
注2)フィードフォワード歪補償
アンプの歪成分のみを抽出し、歪を含む出力信号と逆相で合成することにより線形化を行う歪補償方式。