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アドバンテスト、テラヘルツ分光・イメージング・システム「TAS7500」を開発

2011-09-06

テラヘルツ分光・イメージング・システム「TAS7500」を開発
医薬品解析に新たな「光」
今まで見えなかった医薬品の品質を迅速かつ非破壊で解析



 株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:松野晴夫)は、医薬品の製剤解析向けにテラヘルツ波(*1)を用いた卓上型非破壊分光・イメージング・システム「TAS7500」を開発いたしました。
 「TAS7500」は、新たな手法で固体から液体までのさまざまな製剤に関する結晶性や成分の特性を非破壊のまま迅速に解析します。さらに、これまで非破壊解析が困難であった錠剤のコーティング膜厚、密度、内部構造等の物性を2次元(2D)、3次元(3D)イメージで可視化解析を可能とするシステムです。本システムを利用することで、製剤研究から量産化(スケールアップ)にわたり開発効率の向上および開発コストの低減が可能となります。また、近年導入が進められているICH(*2)ガイドラインにおける科学、リスクに基づいた製剤開発アプローチにも貢献できるものと確信しています。
 今回、この「TAS7500」を、2011年9月7日〜9日に千葉県幕張メッセで開催される「分析展2011/科学機器展2011」に出展し、皆様にご紹介いたします。


※製品画像は、添付の関連資料を参照


■「TAS7500」が医薬品開発の効率化とスケールアップの短縮を実現

 医薬品メーカーの医薬品開発に携わる方々は、分析技術が高度に発展した現在においても、製剤研究やスケールアップにおいて解析に多くの時間が費やされています。しかし一方では、一日でも早い新薬の実現を心待ちにしている世界中の方々のために、医薬品開発のさらなるスピードアップが求められています。
 テラヘルツ波による非破壊分光・イメージング・システム「TAS7500」は、これまで直接見ることができなかった医薬品の特性を迅速かつ非破壊で解析することができ、著しく研究開発の効率向上を実現します。
 また現在、医薬品製造プロセスの現場でも、成分含有量や水分量等をモニタリングするPAT(*3)ツールの導入に向けて新しい解析技術が求められています。
 「TAS7500」は、テラヘルツ波の特徴を活かし、製剤の結晶性や密度等の解析、錠剤の内部構造やコーティングの品質解析といった、従来の解析手法では困難であった分野においても効果を発揮します。既存の解析手法で「見る」ことに費やしていた多くの時間と、「見えない」ことで妥協していた品質への理解に対し、「TAS7500」がより科学的な手法にもとづく解析ソリューションを提供します。


■「TAS7500」の特長

<錠剤のコーティングや内部構造の特性を非破壊イメージング解析>
 医薬品の錠剤では、溶出性のコントロールや苦味マスキング、耐環境性など品質と機能に対する要求が高度化しています。「TAS7500」は、錠剤のコーティングや多層構造を持つ錠剤の膜厚や密度等の特性を非破壊で解析し、2D、3Dイメージで表示することができます。錠剤を測定ユニットに最大10個同時にセットし、簡単な条件を設定するだけで測定から解析まで自動で行います。新しい解析手法により高品質な錠剤化プロセス設計に貢献いたします。

<医薬品を最適な手法で分光解析>
 近年ますます複雑化する医薬品の結晶性を、分子間相互作用等に基づくテラヘルツ波帯特有のスペクトル特性から迅速に評価できます。ワンタッチのモジュール交換により3つの測定モード(透過、反射、全反射減衰)を容易に切り替えられ、液体から粉体造粒物、固体までの様々な剤型に応じた分光特性と物理化学特性の解析が可能です。また、測定試料セット時のアクセス性を考慮した設計になっており、より簡便な測定を提供いたします。

<卓上型コンパクトサイズに先進機能を搭載>
 当社が独自に開発した、高性能テラヘルツ光サンプリング方式による高スループットな測定機能を、設置場所を選ばない卓上型のコンパクトなユニット構成(イメージングユニットおよび分光ユニット)に搭載しました。

<医薬品以外の産業分野にも広がる応用技術>
 テラヘルツ分光・イメージング・システムの応用範囲は医薬品だけに留まりません。テラヘルツ波の持つ物質に対する直進性と高い透過性、さらに短パルス性といった特徴を活かし、食品、化学、自動車など様々な産業分野における素材、製品の分光解析や、内部構造の非破壊解析を可能にすることで、産業界を新たな「光」で照らします。
 現在、当社では複数の応用開拓プロジェクトを推進し、工業加工品や化学物質など、さらに広範囲な産業への応用開拓を積極的に進めています。今後も先進のテラヘルツ技術を開発し、お客様のさまざまな解析・検査ニーズに応えてまいります。

 (*1)周波数0.1〜数十THzの電磁波を指します
 (*2)日米EU医薬品規制調和国際会議
 (*3)Process Analytical Technology


<製品の主な仕様>
 測定対象:医薬品錠剤、製剤(粉体、液体)、その他試薬、化学物質
 イメージング機能:空間分解能:0.3mm(2THzにて) 最小スキャン分解能 0.05mm
             専用カセットにて錠剤10個までを自動測定
 膜厚測定性能:測定範囲:30μm以上、分解能:2μm
 分光機能:透過特性、反射特性、ATR特性
 測定周波数レンジ:0.05〜4THz オプションにて7THzまで拡張可能
 スループット:分光測定:最高3.3ms/スキャン
 イメージング測定:5分以内(32×32ポイント、アベレージ32回)
 測定ユニット外形寸法
 イメージング・ユニット:495(W)×490(D)×380(H)mm
 分光ユニット:400(W)×490(D)×380(H)mm

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